『時間』を買う?財務を悪化させず資金調達を拡大させる方法
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資本性ローンの活用で、会社の財務バランスを
維持しつつ成長のための投資を実現
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第3回は「時間を買う?財務を悪化させず資金調達を拡大させる方法」をお伝えします。
前回は、経営の可視化として事業計画の重要性を説明しました。
コロナウイルスの影響により、財務基盤が傷んだという経営者も増えてくる可能性があります。
通常であれば、毎年、少しづつ利益を出すことで内部留保を徐々に積上げていくことが必要になります。
ですが、別の方法で財務基盤をいっきに改善する手法があります。
今回はその手法を大公開いたします。
突然ですが、「資本性ローン」はご存じでしょうか?
資本とつくけど、ローン?
資本なのか?負債なのか?
よく分からないなという方も多いかと思います。
簡単に説明すると「負債(借入)ですが、資本(純資産)」として金融機関が考慮するという性質の借入です。
金融機関が企業を格付する際には、「この借入は資本としてみなします」という融資になります。
このような、資金調達手法は上場企業のような大手企業も活用している手法です。
ハイブリッドローン、劣後ローンなどと呼ばれたりもします。
なぜ、このような融資を利用するのでしょうか?
例えば、5億円のM&Aの買収の話があったとします。
その際に、全額、銀行からの借入で資金調達を実施した場合、単純に負債の金額が多くなり、会社全体としての財務が悪化します。
しかし、資本性ローン2億円、銀行からの借入3億円で資金調達をした場合、会社全体としての負債は3億円しか増えていないことになります。
自己資金が都合よく2億円あるにこしたことはないですが、買収案件が続いた場合、手元の現金を大きく減らすことはリスクが高いと言えます。
また、このようなM&Aの話はこちらのタイミングで選べる話ではありません。
あと一年で会社の財務が良くなるからそれまで待って欲しいとは言いづらいですよね、、、
つまり、機動的な経営判断が求められる状況において、会社の財務バランスを維持しつつ、成長のための投資を実現するための一石二鳥のツールとして「資本性ローン」が存在します。
上場企業も企業の格付(ランク付け)を低くされないように、このような融資を活用することも多く見られます。
もちろん、メリットばかりではありません。
それに見合ったコストを支払わなければいけないことが特徴です。
政府系金融機関の取り扱い事例では金利が約1~6%程度の間で、赤字の間は金利が低くなるように設定されています。
少し複雑な話ですが、出資とは異なり、借入であるため、株式の希薄化(増資などにより、1株当たりの権利内容が小さくなる)を防ぐことも出来ます。
私たちのサポートさせていただいている企業でも資本性ローンを活用して成長を実現した下記のような事例があります。
新規出店を加速し、売上約2倍、資金調達約3倍で大型投資を実現!
賃貸物件の取得を進め、売上3億円増加、資金調達7億円増加!
など、ここぞという勝負時にこのような融資を活用することにより、成長スピードを落とすことなく、積極的な投資を実現することも可能になります。
このような手法ではレバレッジ効果が期待出来ます。
例えば、資本性ローンを2億円活用すれば、全額借入よりも財務を悪化させることがないので、通常1億円の融資を受けることが出来ない企業が2億円の融資を受け、合計で4億円の資金調達が実現できるというような事例もあります。
単に資金調達の手段ではなく資金調達を増加させるレバレッジの役割もあります。
もちろん、このような手法は高度な財務戦略でもありますので、リスクとリターンをしっかりと確認の上、導入の可否の検討が必要になります。
今回は、「時間を買う?財務を悪化させず資金調達を拡大させる方法」についてお伝えしました。
会社が一大決心する際や、勝負の時にはこのような融資を利用することも検討いただければと思います。
<関連セミナーのご紹介>
今回、全業種の経営者様向けに成長実現のための準備セミナーを実施いたします。
危機を乗り越え、次の成長機会をしっかりと掴み取りたいという経営者様は是非、ご参加を検討いただければ幸いでございます。
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講師 / 株式会社船井総合研究所 シニアコンサルタント 宮井秀卓
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講師 / 株式会社船井総合研究所 ディレクター 宇都宮勉
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