財務トピックス(コンサルタントコラム)

大型投資とセットで既存融資条件の見直しを進めれば一石二鳥(2)

  • 最終更新日/

~アフターコロナでも資金繰りを圧迫せずに投資を実現していく方法(2) ~

皆様、コラムをお読みいただき、ありがとうございます。
前回のコラムでは次の成長のための大型投資と既存の融資見直しはぜひともセットで進めるべきだという内容をお伝えしました。
今回は、実際に取り組みをされて、実績を出された企業の事例を少しお伝えできればと思います。

社名:富士酸素工業株式会社
代表者:代表取締役 望月悠平氏
従業員:83名
事業内容:ガス溶材部門・LPガス部門・製造技術部門

富士酸素工業様は、100年を越える業歴を有する当地でも有名な企業ですが、近年は時代の変化も早く、以下のような点において課題を抱えておられました。
・デジタル化の遅れ
・人材確保の難化
・業務の属人化による社員退職のリスク など

これらの課題を解決するためには本社の新築移転による社内体制の改革を行うことが必要でした。
一方で、この大型投資を実現するためには7億円の資金調達が必要であり、先代の時代から個人保証に依存した融資が根付いており、満足のいく資金調達ができていなかったため、新規投資へは少し躊躇しているような状態でした。

また、タイミングとして、コロナウイルスの影響が発生し、さまざまな場面で世の中的に混乱が起きた状態でしたが、DXの流れは加速していくことが想定されるため、富士酸素工業様は投資実行を進められました。

弊社のサポートもあり、これまでの資金調達とは異なり、金融時流を押さえた取り組みを行うことで、新規設備投資7億円の無担保・無保証での資金調達を実現されました。
また副次的な効果として、既存借入10億円の担保、保証も同時に解除することができました。

前回のメルマガでお伝えした投資のストーリーに加えて、金融時流を押さえた取組みを実践していくことで長年変わらなかった条件が変わったという事例です。

この資金調達が成功したことで、大型投資が実現し、以下のような成果や体制の変化が出てきました。
①本社移転により、IT人材の確保が確定
②DX担当ポストの新設による成長戦略の加速
③各フロア集約による業務効率化 他

ここまでお伝えした通り、富士酸素工業様では、大型投資と既存の借入れ条件の見直しをセットで進め、成功されました。
もちろん、全ての企業で無担保・無保証を実現できる訳ではありませんが、コロナの状況下では新たな投資を検討されている企業の経営者も増えているかと思います。
その際に、なるべく心理的な不安を除いた形で資金調達が実現できれば、投資の決断を踏み出せる可能性も高くなります。

今回、特別に取り組み事例のポイントについて解説するセミナーを開催いたします。

コロナの影響により新たな取組みが必要だが、そのためにはお金を借りないといけない。
大型の資金調達が出来るか不安。
このようなお悩みをお持ちの経営者様は是非、ご参加いただき、ノウハウを活用していただき、投資を成功させていただければと思います。

オンラインセミナーにて皆様にお会いできることを、楽しみにしております。
最後までコラムをお読みいただき、ありがとうございました。

無料経営相談
【この記事を書いたコンサルタント】
石田 武裕

政府系金融機関にて10年超、融資営業・審査一体となった業務を経験した後、船井総合研究所に入社。
300社超の企業経営者に対する課題解決に向けた融資営業・審査業務を通じ、多岐にわたる業種の財務分析・審査・金融商品等に関する豊富な知識・経験を有する。
経営者の夢に寄り添いながらも、徹底した現場主義を貫き、企業経営者、従業員とともに汗をかいて支援に取り組むことをモットーとしている。

flag人気の記事
gradeオススメの記事
中小企業が次々と資金繰り改善に成功した究極の資金繰り改善策
expand_less