財務トピックス(コンサルタントコラム)

障がい福祉向け財務戦略セミナー振り返り

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はじめに

当セミナーではタイトルの通り障がい福祉事業を営んでいる皆さまに対して、2021年に押さえておくべき障がい福祉時流や、取るべき財務戦略をお伝えいたしました。
本メルマガではセミナーのポイントを振り返ります。

アフターコロナ、ウィズコロナの環境下では、障がい福祉事業者は以下のような5つの財務課題に浮上すると考えられています。

5つの財務課題

(1)コロナ融資借入後の決算変化の理解と対策
コロナ融資は無担保、無保証で多くの中小企業が利用している制度ですが、実質長期負債返済年数、有利子負債返済年数、借入依存度、自己資本比率などの財務指標が悪化します

(2)既存借入の見直し
利益が出ているのにお金が溜まらない、財務数値が思わしくないときには長短切り替えや、資本性劣後ローンを検討します

(3)今後の成長に合わせた銀行の選定
規模、金融商品、スタンスが自社の理想の借入に対応可能か確認します

(4)貸しはがし、貸し渋りの兆候に気づく
プロパーの協会変更、短期借入の期間短縮や条件変更は貸しはがし、貸し渋りの兆候の可能性あります

(5)既存財務での調達余力の把握
現状、あとどのくらい自社が借入が可能か把握していなければ、具体的な財務戦略を描くことは困難となります

上記のような財務課題が浮上することが予測されている中で、障がい福祉事業者が取るべき財務戦略を5つ紹介します。

浮上した財務課題に対して取るべき、5つの財務戦略

1.資金繰りの実績と予測管理
お客様、国保連からの入金のズレを可視化するとともに、本業でキャッシュが稼げているか、またどこでキャッシュを生み出せているかの認識と課題整理する
また、余剰コロナ融資を抜きにして現預金残高が最低でも月商1か月を切らないように借入や投資の計画をする

2.ウィズコロナを見込んだ中長期計画策定
コロナの影響を大きく受けた障がい福祉市場において、中長期計画を策定する時には
今後のコロナの影響を加味した計画の策定が金融機関から求められます

3.適切な決算対策と情報開示
金融機関が重要視する指標を意識し、銀行が融資をしたくなる決算着地を目指します
決算説明時にはコロナの影響、投資、経費削減それぞれの売上、経費の・増減理由を明確に記載します

4.部門別の正確な損益の把握と管理
できるだけ部門ごとに採算を管理します(放デイ部門→放デイA、放デイB、放デイC)
間接部門の経費の按分についても考慮し、部門実質収益の把握と来期以降の部門ごとの事業計画の策定します

5.戦略的な銀行面談の実施
1~4の内容を資料に落とし込み、自社から能動的に金融機関にアポイントをとります
この時、以下の3つに注意する必要があります
・提案に対してすぐに回答しない
・金利、条件勝負を全面に押した面談は避ける
・擬似保全(預金、売上入金)など対応できる範囲内で検討

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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