財務トピックス(コンサルタントコラム)

その融資、返せますか。銀行とは話しましたか?(2)

  • 最終更新日/

「融資見直し(リファイナンス)マップ」とは何ぞや?
実は銀行が必ず見ているポイントを解説


前回のコラムでは、コロナ市況に伴って一気に増加した借入は補助金ではなく、いずれ返済しなければならないが、いち早く対策できるノウハウを持つ企業は多くない…という話をしました。
同時に融資の出し手である金融機関も、コロナを乗り越えるために少しずつ営業方針を変えており、今までよりも慎重に取引しないと融資を続けることすら危うくなってしまう可能性があることもお伝えしました。
今回はその打開策の一部をお伝えするのですが、結論から言えば、解決策は拍子抜けするほど簡単です。

皆さんは、自社の「借入明細」を常に更新していますか?
銀行に言われたら、正しい形のものを10秒で提出できますか?

「融資を見直すためには借入明細を作りましょう…いや、当たり前のことでは?」
やはり、拍子抜けした方がたくさんおられたのではないでしょうか。社長の多くは借入明細を銀行員から求められ、経理の方に依頼してそれを提出した、という経験は多数あるかと思います。
それでも、ちょっと待ってください。では皆様は下記の内容について、借入明細を見ながら同じく10秒で答えることは、可能でしょうか。

【チェックリスト】:融資見直しのため、明細から確認しておくべき情報
□プロパー融資だけで、全体の借入の30%以上を出してくれている金融機関はありますか?
□逆に、保証協会付融資を使っている割合は全体の何%ですか?
□1番仲良くしている銀行の預金量と、貸金量の残高がいくらくらいあるか分かりますか?
□保証協会付融資は「制度型」ですか、「一般型」ですか?
□そもそも貴社の「メインバンク」はどこの金融機関ですか?
□今回のコロナ融資を受けた金融機関は「メインバンク」ですか?
□短期融資と、長期融資のバランスは分かりますか?
□1番仲良くしている金融機関は、長期・短期どちらの融資の方が多いですか?
□預金を1番置いている金融機関はどこで、それは普通・定期・当座のどの預金ですか?
□不動産担保を入れている金融機関はありますか?それは抵当権ですか、根抵当権ですか?

いかがでしょうか。おそらく、多くの経営者の方がすぐには回答できないような「なんじゃ、そりゃ?」という内容のものも含まれていたのではないでしょうか。しかし実はこうした内容がきちんと借入明細、あるいは融資見直し(リファイナンス)のマップとして一覧化されていないことには、アフターコロナに向けての融資見直しや、借りた制度融資の返済の指針が狂ってしまいます。

【図】融資見直しのための地図「リファイナンスマップ」

融資見直しのための地図「リファイナンスマップ」

そうならないためにも、まずは金融機関から融資を受けた際にもらったはずの返済予定表を引っ張り出し、
1つ1つをマップにまとめることで、
・今の借入本数で、本当に最後まで融資を返済しきることが可能なのか
・今の状態は「借り過ぎ」なのか「借りなさすぎ」なのか
・仮に融資を見直す場合は、既存で付き合っている金融機関にお願いすべきか、新規を当たるべきか

といったように、ようやく正しい戦略を描くことが可能となります。

もし、今日のコラムを読んでいるなかで、上記のチェックリストの内容が分からない、自社の借入内容が十分なのか不安だといった方は、ぜひもう1度借入明細を作り直し、自社なりの課題感を持って取引している金融機関との打ち合わせを進めてください。その作り方、入れるべき情報等が気になる方は、筆者を含めた弊社コンサルタントにお声がけいただけますと幸いです。


船井総合研究所、金融・M&A支援部では2020年10月、11月にWEBセミナー「金融機関の意図が分かる!融資見直しセミナー」を配信します。今回のコラムのような「金融機関が何を言っているのか分からない」「うちの会社が借りた制度融資をきちんと返済するにはどうすれば…?」という悩みを解決するべく、実際に金融機関に入り込んでコンサルティングを提供する講師よりそのポイントを解説します。コンサルタント一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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①2020年10月31日(土)13時~14時30分
②2020年11月9日(月)13時~14時30分
(※①②は同様の内容です。ご都合の良い方にご参加くださいませ)

第1講座
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株式会社船井総合研究所 片山 孝章

第2講座
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株式会社船井総合研究所 堀口 拓矢

第3講座
明日から取り組んで欲しいこと
株式会社船井総合研究所 リーダー 竹村良太

※当日連絡先:株式会社船井総合研究所 片山(070-2278-6418)

※当該セミナーは全業種の経営者様、および経営陣、財務経理の担当者の方向けに開催するものです。士業の方、コンサルティングビジネスに従事する方のご参加を頂戴しても、ご視聴をお断りする可能性がございますので、あらかじめご了承くださいませ。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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