財務トピックス(コンサルタントコラム)

2020年は10社が新規上場!注目の市場「TOKYO PRO Market」とは?

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2020年に10社が新規上場し、年間上場企業数は右肩上がりの増加傾向!
「TOKYO PRO Market」について解説します。

  

1 注目の市場「TOKYO PRO Market」

みなさんは「TOKYO PRO Market」という市場をご存知でしょうか。
東京証券取引所の第5の取引市場といわれており、2020年12月時点で41社が上場。
そのうち4分の1にあたる10社が2020年に上場し、2021年2月時点ですでに2社の上場承認がおりている「TOKYO PRO Market」について解説します。

2 TOKYO PRO Marketとは

まず、TOKYO PRO Marketは「プロ投資家向け市場」と呼ばれています。
「プロ投資家向け」というのは金融商品取引法という法律で定義される「特定投資家」、すなわち、金融機関をはじめとする投資の知識・経験・リスク管理能力を有するプロだけが投資できる市場です。

したがって、TOKYO PRO Marketに上場されている株式は、他の市場とは違い一般の投資家が購入することはできません。
そのため、他の市場では一般投資家の保護のために設けられている上場審査基準や開示ルールなどが一部適用除外になっている等、TOKYO PRO Marketは他の市場に比べて柔軟性のある基準となっております。

3 TOKYO PRO Marketへの上場準備メリット・デメリット

新規上場を目指す企業にとって、先述したTOKYO PRO Marketの柔軟性ある基準はメリットといえます。
具体的には、まず上場申請に際して「形式基準」と呼ばれる数値基準が一切ありません。
例えば他の市場では流通株式時価総額や、利益が一定金額以上といった、会社の規模や株主数に関して規準があり、それに届かない会社は上場申請をすることができません。

これに対し、TOKYO PRO Marketでは「実質基準」と呼ばれる上場企業にふさわしい健全性を定める基準を満たしている限り、企業規模の大小や創業時期などに縛られず上場を目指すことが可能です。
また、通常、最低2年が必要とされる監査法人による監査期間も1年で足りるとされています。
さらに、四半期決算の開示や内部統制報告書の開示も任意とされているため、上場時の負担が軽減されています。

一方で、デメリットとしては上場準備に伴い発生する費用が挙げられます。他市場より低いものの、上場準備費用として監査法人への監査報酬やJ-Adviser(ほかの市場の場合は主幹事証券)への費用、そのほかに取締役会設置会社にするために新任取締役や監査役を選任する場合の役員報酬などが費用としてかかります。具体的な金額などについてはお問い合わせください。

4 TOKYO PRO Marketへの上場とは

TOKYO PRO Marketは監査法人による監査期間が1年で済むため、他市場よりも短い期間で上場申請することが可能です。
一方で、「実質基準」といった会社の健全性に関する審査基準は他の市場の会社と同様の内容が求められ、内部管理体制の構築等については他市場と同様の準備が必要です。

したがって、「柔軟性がある」とは言えますが、一般的な会社にとっては決して「今のままで上場できる」「楽に上場できる」といったものではありません。
そのため、上場を目指される企業は、IPOについて幅広い知識や経験を有する専門家にできるだけ早い時期から相談されることをおすすめします。
弊社では素朴な疑問からご相談できる無料経営相談を実施しております。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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