財務トピックス(コンサルタントコラム)

『カイゼン』ができる経理体制を目指すには?~コンサルティングの現場から~

前回、経理管理における課題の
1)勘定科目や、仕訳が独特のルールで行われている<正しい経理処理>
2)試算表の数値をそもそも見ていない<「試算表作成は3か月に1回だけ」など。>
3)試算表作成まで締め日から1か月以上かかる<場合によっては2か月、3か月後>
4)部門別の損益管理体制が組みあがっていない。

についてお伝えさせていただきました。

前回の内容はこちら

今回は経理課題における課題の
5)紙の帳簿で記録を行っているため、データ分析が行いにくい。
6)管理帳票に過去入力したデータを2度、3度入力する必要がある。<システムで出力不可>
7)人材が「経理」専任ではなく、「総務」「労務」等を兼任し、忙しすぎる。
8)業務改善を進めるにもそもそも他の事例を知らない。

についてご紹介します。

2-5)紙の帳簿で記録を行っているため、データ分析が行いにくいケース

よく見受けられるケースとしては、創業社長の奥様が事業規模が小さなころから経理財務を一身に引き受けて会社を守ってこられた場合などです。

事業が成長した後も同様のやり方で進めてこられており、その管理の細やかさは他の方では到底真似ができない水準で精緻に行われていることが帳票を拝見すると感じます。

一方で、そういった場合に発生してしまう課題としては、総勘定元帳を用いた集計や科目内訳を確認する際など、時間がかかってしまったり、一度手書きの物を表計算ソフトに記入してその後集計を行うといった作業工程がかかってしまったりするケースがあります。

2-6)管理帳票に過去入力したデータを2度、3度入力する必要がある。

これは経理だけではなく、管理会計や、資金管理にも直結してくる話になりますが、例えば中古車販売業を営む企業様のケースで申し上げると、それぞれの管理を「販売管理システム」、「車輛整備に関わる業務システム」、「会計システム」で行っており、それに対して、全く同じデータをそれぞれに入力を行っているということが散見されます。

それぞれのシステムの目的が全く異なるので、この部分を省略することがなかなか難しいことに加えて、企業によっては管理を進めるために別の管理者の方が実は4度、5度手間になっているにも関わらず、エクセルや表計算ソフトで入力をしていた…ということも蓋を開いてみると発生していたりします。

2-7)人材が「経理」専任ではなく、「総務」「労務」等を兼任し、忙しすぎるケース

中小企業の本部機能を考えるとどうしてもこれは起こってしまうケースかと思います。

我々がコンサルティングを行わせて頂いた先の企業様で、先の資金繰りを可視化する為に財務担当として、もともと経理を行っていた方に動いていただくことがありました。

その中でも営業の方から「これコピーしといて。」「あれ、●●さんにFAXして、電話で先方に一報入れておいてもらえます?」といったように事務の業務をお願いされるようなことが多くあり、業務に集中しにくい。という状態が頻繁に起こっていました。

他にも労務について、勤怠の確定から給与計算、しまいには、年末調整などの業務も集中して一手に引き受けていらっしゃるケースだと、繁忙期には、休日出勤や自宅への業務持ち帰りが常態化しており、明らかな業務過多となっているケースが非常に多くありました。

2-8)業務改善を進めるにもそもそも他の事例を知らないケース

上記のような財務や経理についての課題や、悩みを持っていて、そういった問題意識をお持ちの経営者の方は非常に多くいらっしゃいます。

実際にお話し聞いてみたり、アンケートをとってみたりした際にもこれらのテーマについて、「問題意識を持っている」、「改善をしたい」と回答をする経営者の方は半数以上いらっしゃいます。

ただ、その中で何が「正解なのかわからない。」ことや、他社では実際どのようにしているのか。
会計ソフトは複数あるが、どれがどんな特徴があるのか。どういった運用をしているのか。
経理の手法で他の方法としてもっと適切なものがあるのかなど。
それぞれ業務改善を進めたいと思っているものの他の事例に触れられる機会が無いということが多くの企業様の中で課題になっていると考えられます。

実際改善を行うためのステップとしては、
(1)「現状の経理・財務の課題を検討する」
(2)「どのような状態が理想的な状態であるか検討する」
(3)「(1)と(2)のギャップを埋めるための手法、施策を考える」

というステップを踏むことが必要です。ただし、実態この課題は重要度は非常に高いですが、緊急度が低いため、ほぼすべての企業で後回しにされがちな課題だと思われます。

上記が私の感じる中小企業様に潜在的・顕在化している経理と財務の課題です。勝手ながら肌感覚で
・「売上高3億円規模で複数法人を経営」されているケース
・「売上高8億円規模を突破する売上高成長率120%以上」のケース
・「業歴15年以上で、借入本数が8本以上ある」ケース
・「売上高10億円~20億円周辺で本部人員が多くいる」ケース

などの企業様は、上記課題が出てきているのではないかなと感じます。

特にこの規模間に入ってから、財務が見えなくなってきた、経理処理が追い付かなくなってきた(若しくは人員と工数が増えすぎて大変)というような企業様が多くあると感じます。

正しい処理を行い、正しく管理を行うことで、企業は安全に成長を続けることが可能だと感じます。

ぜひ、この記事を見て感じることが一つでも見つかりましたら一度、立ち止まって考えていたければと思います。

【この記事を書いたコンサルタント】
石田 知大

関西学院大学出身。法学部を3年飛び級で卒業後、同経済学部へ編入、財政・金融システムを専攻。
卒業後は船井総合研究所に入社。
異業種からの新規参入、調査分析に関するコンサルティングに関わり、現在は財務診断・改善の提案や成長のための事業計画、財務管理体制の構築といったコンサルティングテーマに従事している。
現場に入り込んでの実態に即した実務の改善や、誰にでもできる仕組み作りの提案などに重点的に取り組む。

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