財務トピックス(コンサルタントコラム)

◤セミナーレポート(有利子負債10億円超の会社が知っておくセミナー)

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本コラムでは、「【webセミナー】有利子負債10億円超の会社が知っておくセミナー」の振り返りを致します。

コロナ禍でも、成長を続けたいとお考えの中小企業経営者の方は多くいるかと思います。
ですが、成長に伴い「借入が増えすぎて困っている。」「金融機関との適切な付き合い方が分からない。」等、様々なお悩みを抱えている経営者の方も多いかと思います。

本セミナーでは、創業から約100年続く静岡県東部の老舗ガス会社である、富士酸素工業 株式会社様の成功事例である、7億円の投資と10億円の担保・保証解除を実現した秘訣を徹底解説いたしました!
この成功事例をもとに自社での財務戦略に役立てて行くのも良いのではないでしょうか!

下記の流れに沿って、お伝えしていきます。
①財務改善結果
②財務改善に向けた取組
③まとめ

①財務改善結果

富士酸素工業 株式会社様では、財務改善前(2019年9月)に
2019年:前代表の逝去に伴う現代表への事業承継
2020年9月まで:本社移転計画が具体化
という財務課題が浮き彫りになりました。

そこで、
 ①資金調達余力のUP
 ②個人保証解除
 ③担保解除

この3点をメインテーマに急ピッチで財務改善着手を実施しました。
その結果、以下の画像に示している借入状況に改善されました。

 

②財務改善に向けた取組

取組⑴財務分析報告書による財務戦略再構築
財務分析報告書では、
【格付推定】
 金融機関からの評価=格付はどのランクに位置づけられるか
【償還力】
 金融機関から借入金を返す力はどの程度あると考えられているか
【安全性】
 自社の決算書の中に潜んでいる
 ・換金性の高い(低い)もの
 ・実は利益と認められないもの
 ・価値として評価されているもの
 以上踏まえ、本質的な企業体力分析
【資金繰り】
 投資や借入金の返済踏まえても資金繰りが回し続けられるか分析
 
 以上の金融機関からの評価(推定)を踏まえ、財務戦略を再構築を行います。
①新規行
  無保証化起点となる新規行と取引開始
②既存行
  金融機関同士の競争環境構築
  バンクフォーメーションの整備
  一石三鳥で財務改善狙う
 ↓
 a.返済負担の軽減
 b.資金調達余力の確保(担保解除)
 c.大型投資・既存借入の無担保・無保証化

 以上の形で戦略再構築することで、自社の財務状況を深く知ることができ、
 今後の事業計画や金融機関にするための資金調達方針を作成しやすくなります。

取組⑵メインバンクに対して資金調達方針提出
自社の財務状況や金融機関の現在のシェアバランス、今後実行していきたい
資金調達の方法等の資料を作成し、金融機関へ調達方針の提出と説明を実行します。

~富士酸素工業 株式会社様で実際に作成した資金調達方針~
【金融機関シェアバランス】
財務分析(現状把握)を踏まえたバンクフォーメーションの再構築方針をメインバンクと情報共有

<ポイント>
シンジケートローン(協調融資)案を富士酸素工業サイドより提示

【シンジケートローンを志向する理由】
シンジケートローン(協調融資)は経営者保証(担保)を前提としない融資形態

<富士酸素工業サイド思惑>
経営者保証・担保を前提としない融資を受ける大義名分作り

<メインバンク思惑>
難易度高いが手数料もらえる融資であると認識

【シンジケートローン組成イメージ】
金融機関の支店担当者はシンジケートローン(協調融資)の組成スキルない

<ポイント>
シンジケートローン(協調融資)の組成イメージを富士酸素工業サイドより提示することで
メインバンク本部を引っ張り出す

【コベナンツ設定イメージ】
コベナンツとはシンジケートローン(協調融資)組成時に与えられる財務制限条項等

<ポイント>
メインバンクから要請されるであろうコベナンツを先回りし、富士酸素工業にとって緩い条件で投げておく

このように具体的な資金調達の方針を金融機関へ伝えることで、適切な借入方法で有利子負債を整理できる可能性が高まります。

取組⑶メインバンクに対して事業計画提出
最後の取組として、メインバンクに事業計画を提出します。
事業計画を提出する際に重要になってくるポイントをご紹介いたします。
【金融機関向け事業計画のポイント】
◆P/LだけではなくB/S計画を付加する
◆B/S計画の中に、金融機関が重視する指標を計画に織り込む
・投資効果:富士酸素工業の場合、通常であれば収益を生まない本社移転は特に
 ■DX化推進
 ■ワンフロア化による業務効率化
 ■人材採用強化
 ■新事業付加
 ■従業員モチベーションアップ
 の5点に注力し、コロナ禍突入したため、P/L計画について修正を実施

この3つの取組を実行し、以下の画像の結果となりました。

③まとめ

コロナ禍でも成長投資を続けるための成功の秘訣は大きく3点です!
①無担保・無保証借入実現に向けた金融機関へのアプローチ手順
②大型の融資金額を引出すための情報開示手法
③金融機関向け事業計画作成ポイント
この3点を踏まえて、有利子負債が10億円を超えている企業の経営者の皆様は
今回ご紹介しました、成功事例をもとに、自社で実行してみてはいかがでしょうか!

【この記事を書いたコンサルタント】
金融・M&A支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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