財務トピックス(コンサルタントコラム)

社員100名の壁を突破するホールディング経営とは

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現在、中小企業のホールディングス化が注目を浴びている背景といたしまして、自社株対策等の事業承継を目的とした”守りのHD”が多く見られます。しかし、今後中小企業における経営課題が多様化する中、これらの解決を目的としたHD化=”攻めのHD”が必要となってきております。そこで本記事では11月に開催されたHDセミナーを基に”攻めのHD”とは何かをご説明させて頂きます。

ホールディングスを活かした経営とは?

・ホールディングス化とは?
ホールディングス化とは、一般的にグループ子会社となる事業会社の株式を保有する親会社をホールディングスとして設置し、下記のような体制作りをすることにより、以下の3つを目的とするものとなっております。
(1)所有と経営の分離を行い、企業の永続や継続的な成長を図る
(2)HDはグループ全体の経営戦略、子会社は各事業の運営に専念することにより、経営効率の向上を図る
(3)代表ポストの増加による従業員のモチベーションアップや自社株対策

図解

しかし、殆どの中堅・中小企業におけるHD化の目的は”経営をよくすることに寄与するものではない”これが実態であります。そこで皆様には何のためにHD化をするのか改めてお考え頂きたく存じます。

・ホールディングス化する企業の目的
従来のHD化は、高騰する「自社株式」の評価額抑制や後継者に「自社株式」を効率よく渡す目的とした事業承継を見据えた株式関連の対策が多く見られました。しかし、これらの目的では事業を運営する上で、「株価上昇は抑制されたが、HDが機能していない」ことや「単に企業数が増えただけで管理が複雑になった」等、メリットよりもデメリットが大きいと感じられるケースも多くみられます。
そこで、HDを活かした経営と題しまして、ホールディングス化を「事業承継を見据えた株式関連の対策」から、「企業成長における経営課題の解決=”攻めのホールディングス化”」へ目的を変える必要があります。

・「攻めのホールディングス化」で解決できること
現在成長されている企業の経営課題について考えると、下記のような課題が挙げられると思います。
(1)中期的なビジョンや経営戦略をたてられていない
(2)1つの法人に複数の事業が混在しており、事業別での財務管理が不透明・もしくは徹底できていない
(3)幹部社員の経営者意識の欠如している
(4)M&Aを推進できる体制を構築できないか?
(5)各事業会社の本部機能を集約できないか?

これらはすべて”攻めのHD化”によって解決することができます。

(1)HDにより、経営戦略×事業戦略をしっかり策定できる体制に移行。
(2)グループで固定資産管理をすることで、事業会社が経営をし易くなり、グループ全体のPL・BS・CFを可視化する。
(3)役員への登用や権限移譲による経営者マインド醸成
(4)HD化体制移行によって、事業会社間では親子関係から兄弟関係へ
(5)HD化後のシェアードサービスの効率化・品質向上

以上は一部の例にはなりますが、”攻めのHD”へ意識を変え、自社に沿ったホールディングス化戦略を行っていただければと幸いでございます。

”攻めのホールディングス化”を実行された成功事例

本セミナーでは、攻めのホールディングスを見事実行し、現在では新たなエンジンが次々と生まれ、成長企業に生まれ変わった企業 グループ年商40億円/社員180名 創業140年企業の田村ビルズグループ代表 田村 伊幸氏にご登壇頂きました。

まず、何故ホールディングス化をした理由に関して、
①経営陣以外に株式が分散されており、リスクを防ぎたかった
②権限を集中させ、一つのまとまりある企業にしたかった
と2つ大きくあったと述べております。

そこで主に実行されたことについては、

(1)理念の浸透
(2)経営者・従業員育成
 管理職を育てるのではなく、自分と同じ経営体制ができる経営者育成を行った
(3)財務面の高度化
 グループファイナンスの実行や固定資産の集約等財務体制を構築した
(4)権限集中から権限移譲
 事業ポートフォリオに基づいた戦略策定及びM&Aの実施、高度人材の採用を行った

とお話頂きました。

終わりに

HDセミナーの振り返りはいかがだったでしょうか。
現在は企業の継続を一番に考えたHD化が多い中、企業成長における経営課題の解決のためのHD化(=攻めのHD)が必要があるということでした。
本コラムでご紹介した成功事例と共に企業戦略をたてる一つの手法となれれば幸いです。

【この記事を書いたコンサルタント】
金融・M&A支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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