財務トピックス(コンサルタントコラム)

勝てる企業は知っている、本当にやるべき決算対策とは

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コロナの影響により、今期の業績が悪化してしまったという企業様も多いかと存じます。
そんな企業の一大事だからこそ絶対に行うべき施策があります。
弊社主催の研究会【キャッシュフロー経営フォーラム】11月例会でもテーマとして取り上げさせてきましたが、それは「決算対策」です。

ただ、「決算対策」と聞くと、大半の皆様は税理士先生と相談しながら行う法人税を減らすための「節税対策」をイメージするのではないでしょうか。
しかし、コロナ禍において企業存続を第一優先と置くときにやるべき「決算対策」は「節税対策」ではありません。
本コラムでは、コロナ禍を勝ち抜くために本当にやるべき「決算対策」を【キャッシュフロー経営フォーラム】11月例会の内容から抜粋してお伝えいたします。

やってはいけない決算対策

多くの企業様がやりがちな決算対策としてまず一つ目に冒頭で挙げた、決算直前に投資をして費用計上、利益を圧縮するなどの「節税対策」があります。
ただ、この「節税対策」は金融機関が融資をする際に重要視する経常利益を減少させる行為であり、”もしもの時”に金融機関からのスムーズな資金調達を阻害する可能性が高いため、このコロナ禍の先行き不透明な市場ではやってはいけない決算対策だと考えます。

そして2つ目は
・減価償却費を計上しないことで黒字化を目指す
・保険を解約し、解約金を計上することで黒字化を目指す
上記のような方法で「黒字調整」を行う決算対策です。

『銀行が経常利益を重要視するのであればこういった対策はコロナ禍において有効なのでは?』と考える方もいるかもしれませんが、銀行は決して企業から提出された決算書そのままの数値を信じて審査を行っているわけではありません。必ず実態に即した形に修正を加えて審査を行います。
例えば、実際は30百万円の減価償却費があるにも関わらず、損益計算書には計上せずに黒字調整を実施した場合、銀行では損益計算書を以下のように修正します。

銀行が行う決算修正の例

銀行が行う決算修正の例

上図のように、償却不足を起こして黒字着地としても金融機関は不足額を差戻して実態の利益水準を算出しますのでこういった黒字化調整も無駄になってしまいます。

赤字で銀行からの評価が悪化しそうな場合の決算対策①

赤字で銀行からの評価が悪化しそうな時はまず、赤字となってしまった要因を探り、それが一過性のものと言えるかを精査することから始めましょう。
例えば、コロナ禍において考えられる一過性の費用といえば
・営業停止中にかかった人件費などの固定費
・マスクや消毒液、パーテーションなどの衛生費
などが考えられます。

上記のような営業停止やイベント中止にかかった経費、コロナ対策費など一過性要因といえるものを、対外的にも一過性の費用と明確に明白にするために、これらを販管費から特別損失に振替を行います。販管費から特別損失に振替を行っても最終的な利益はもちろん変わりませんが、金融機関は経常利益を重要視することが多いため、経常利益を向上させるこのような「決算対策」は効果が見込めます。
※実際に手続きする際は税理士の方などの専門家からのアドバイスをもとに手続きを頂きますようご注意願います。

赤字で銀行からの評価が悪化しそうな場合の決算対策②

今回のコロナの影響により出た赤字が債務超過となってしまいそうなほど大きく、一過性の費用を特別損失に落とすなど対策をしても銀行からの評価が大幅に悪化しそうな企業様には、決算が確定する前に「資本性劣後ローン」を活用するという決算対策をお勧めいたします。

資本性劣後ローンとは
・他の債権または一般の債権より支払い順位が劣る借入
・帳簿には債務として載るが上記の性質上、倒産した場合に回収が一般の債権より難しいため、金融機関では自己資本の一部とみなす
といった特性を持つ借入のことです。
通常、借入を行った場合は当然、借入額が増加するため自己資本比率が低下し、金融機関からの評価を悪化させます。

通常の借入を起こした場合のB/S(貸借対照表)の変化

通常の借入を起こした場合のB/S(貸借対照表)の変化

しかし、「資本性劣後ローン」の場合、借入額を疑似的に純資産とみなすため、自己資本比率が改善されます。

資本性劣後ローンを活用した場合のB/S(貸借対照表)の変化

資本性劣後ローンを活用した場合のB/S(貸借対照表)の変化

活用することで金融機関からの評価が改善するため、債務超過となってしまったとしても引き続き協力を得られる可能性が高まります。
また、この「資本性劣後ローン」は黒字の場合、金利が大幅に上昇することがほとんどですが、今回のコロナ対策として新たに発表されたものは当初3か年は金利上昇が起きないというメリットもございます。

おわりに

本コラムではコロナ禍を勝ち抜くために本当にやるべき「決算対策」を【キャッシュフロー経営フォーラム】11月例会の内容から抜粋してお伝えしました。
本コラムでご紹介した「決算対策」がコロナ禍を勝ち抜くための一助となれば幸いです。

【キャッシュフロー経営フォーラム】では今回お伝えしたような「決算対策」など、企業の成長を止めないための財務戦略を基礎からお伝えしています。1月21日に開催される【キャッシュフロー経営フォーラム】では『押さえておくべき2021年の金融時流』というテーマを取り上げさせていただきますので、ご興味がありましたらぜひお試し参加いただければ幸甚でございます。

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<第1講座>
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(講師:船井総合研究所 中西叶)

<第2講座>
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(進行:船井総合研究所コンサルタント一同)

<第3講座>
ウィズコロナの金融時流に備える、今すぐとるべき財務対策
(講師:船井総合研究所 吉田一成)

【この記事を書いたコンサルタント】
多和田 良喜

国立大学卒業後、船井総研に新卒入社。
大学時代に地方金融の事業性評価融資と収益性との要因分析を研究論文として実施。
金融行政のアカデミックな視点に加え、
営業指導、広告運用、市場リサーチ等マーケティング支援実績もあるため、現場視点を盛り込んだ財務提案が可能。
不動産×事業性評価の企業サポートには定評がある。

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