財務トピックス(コンサルタントコラム)

戦略財務経営フォーラム3月例会プレイバック(3月例会振返り)

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本コラムでは2021年3月9日(火)に開催いたしました戦略財務経営フォーラムの振り返りをいたします。
3月例会では「中堅企業を目指すための事業戦略」をテーマに、以下の3講座でお送りいたしました。

第一講座 あらゆる年商規模の企業の特長を知り、自社の立ち位置を知る
第二講座 年商30億の壁を突破した事例から中堅企業になるためのノウハウを理解する
第三講座 事例をさらに深堀し、自社が採用すべき財務戦略を知る

では各講座の詳細を以下よりご紹介いたします。

第一講座

第一講座では、「次の経営ステージに進むために取り組むべきこと~中堅企業への変革~」と題しまして、年商規模を10億以下・10億~30億・30億~100億・100億以上と4つに分類し、それぞれの規模で取り組むべき経営戦略とその手法を解説いたしました。

これより中堅企業を目指そうという企業は、想定される課題や取り組むべきことをあらかじめ把握しておく必要があります。以下の5つは弊社とお付き合いのある中堅企業に多い特徴です。

①持つべき視点は率ではなく額
  売上1億の企業と10億の企業では「売上10%増加」の意味が変わってくる。
②売上を上げるために投資が不可欠となる
  投資を行う上で、必ずと言っていいほど財務管理体制がネックとなる。
③営業部門より管理部門の人材不足が顕著に現れる
  財務管理体制が必要になったことで、そこに
社長の考え方が細部まで伝わらなくなってくる
  従業員数、部門数が増えればそれだけ社長の目から遠くなる部分が出てくる
コンプライアンスリスクが高まる
  中堅企業と言われるほどの規模になれば相応の社会的位置づけで見られるようになる

  

第二講座

第二講座では、第一講座で取り上げた企業規模の中でも特に「30億以下の中小企業」様向けに、中堅企業と呼ばれる基準ともいえる”年商30億”を突破した実際の成功事例を解説いたしました。

成功事例からお伝えしたことは以下の3POINTです。

①中堅企業には組織化が必須 ~組織~
 ⇒優秀な人材が集まっただけでは企業は伸びません。
  ルールに則って定められた管理体制が存在することこそ中堅企業なりえる理由です。
②中堅企業には財務責任者が存在する ~ヒト~
 ⇒財務は必ずしも社長が行うべきではありません。
  企業規模をあがるにつれ、社長はより広く高い視点で多くの意思決定を行うことにな
  ります。「財務責任者の採用もしくは育成」と「専門職の有効活用」で財務管理体制
  を構築しましょう。
③中堅企業の経営者は見えないカネを掴みとる ~カネ~
 ⇒中堅企業になるということはそれだけ事業が成長しているということです。その成長
  に既存取引金融機関や資金繰り予測が追い付かないケースは珍しくありません。その
  結果、融資条件が悪化、投資回収が間に合わないといった課題を呼び込みます。解決
  策として、クラウド会計の導入や事業計画の作成、資金繰りの月次化&細分化を実施
  することをお勧めします。

  

第三講座

第三講座では、第一講座で知識を知り、第二講座で成功事例を知ったうえで、「明日から何をすべきか?」に焦点を当て、取り組むべき行動を細かい部分まで解説いたしました。

その取り組むべき行動とは以下の3点です。

①決算書を自社の歴史年表と併せて読む
 ⇒決算書と歴史年表を一緒に読むことで「企業ステージがあがったのはいつ頃なのか」
  「その頃のヒト・モノ・カネはどうなっていたのか」が見えてきます。自社の歴史に
  も成長の可能性は隠れています。
②自社の外にいる人間も組織図に組み込む
 ⇒中堅企業にもなれば外部からの接触も増えてきます。M&Aの買い案件やコンサル
  ティング会社、銀行の支店長などがよくある例です。その時経営者に求められるのは
  適切な取捨選択です。自社に不足している部分を補う、事業の成長を加速させるな
  ど、明確な目的を持って経営判断を行う必要があります。
③嫌なことに時間を使う日を1度は設ける
 ⇒第一講座、第二講座で解説した通り、中堅企業になろうという状況では管理が追い付
  かなくなります。社長自身もあまり乗り気になれないことが多いです。ですが、一度
  嫌な業務に尽力してみて、どうしても無理であれば誰かに任せることを検討すること
  をお勧めします。

  

まとめ

本コラムでは、中堅企業になるために必要な知識と戦略を【戦略財務経営フォーラム】3月例会の内容から抜粋してお伝えいたしました。
本コラムがご購読いただいている皆様の事業成長の一助となれば幸いです。
  

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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