財務トピックス(コンサルタントコラム)

脱P/L主義。脱感覚経営。成長を実現する財務戦略・資金調達(4)

前回、「キャッシュフロー計算書とは」ということで、その内容とポイントついてご紹介させていただきました。
 
前回の内容はこちら
 
今回は「キャッシュフロー改善のポイント」についてご紹介します。
 
 

キャッシュフロー改善のポイント

ここでひとつキャッシュフロー改善につながる指標の見方をお伝えいたします。
黒字企業で、営業キャッシュフローがマイナスの場合。
この場合、売上増加により売掛金や商品在庫の増加により資金繰りが悪化している可能性があります。
 
そのような場合、会社の経常運転資金が増えているのかどうかが一つの着目点になります。
経常運転資金が増加している場合、短期継続融資と呼ばれる「毎月返済のない借入」により資金調達を実施することで、会社のキャッシュフローに合わせた資金調達が可能になります。
近年、時流であるこの「短期継続融資(当座貸越、手形貸付)」はB/Sの資産内容に基づき適切な資金調達を実施している姿と言えます。
 
財務キャッシュフローが極端にマイナスの場合。または、営業CFと比較してマイナスが大きい場合。
稼ぐ利益水準に対して借入の返済が大きい可能性が高くなります。
 
売上増加にかかる資金繰り悪化の要因は、上記に記載した「短期継続融資」が該当するケースが多く当てはまります。
一方、そうでない場合、保有資産(特に固定資産)が生み出すキャッシュフロー(利益・減価償却)が返済金額に対して少ない可能性があります。
 
特に、装置産業(固定資産の多い業種)においても、建物や機械の償却や利益以上の返済額が発生する場合に、見られる事例です。
 
この場合、当初、設備投資の際の借入期間が短い可能性があります。
収支計画の見通しが甘く、予想よりも利益が出ないパターンやそもそも収支計画を立てずに資金調達を進めてしまったケースなどが挙げられます。
 
この場合、適正な期間に借入を引き延ばすという方法もありますが、借入期間を延ばすことに関しては、銀行は難色を示すことが多く(リスケジュール扱いとなるため)、慎重な対応が必要です。
次章で述べる通り、当初の計画をしっかりと作成することが重要になってきます。
 
ここまで見てきて分かるように、単純にP/Lだけを見ていてもキャッシュフローの改善は難しいということです。
やはり、自社が保有する資産の状況や状態に合わせてキャッシュフローを見ていかなければ、企業の最適なキャッシュフローは見えてきません。
 
ここでのポイント!
・所要運転資金は短期継続融資で資金調達を実施することで、資金繰りは安定
・CCCを短縮化することで、資金の流れの効率化を図ることが可能

 


(引用:中小企業庁ホームページより)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/kaikei38/kaikei35.htm
 
ここまで、CFについて見てきました。ほんの一例ではありますが、CFの重要性を認識いただけたのではないかと思います。
 
次に「脱感覚経営」について見ていきたいと思います。
会社の将来のCFやB/S、P/Lを予測することの重要性とははどのようなことでしょうか。
 
事業計画や投資計画を作成することで、どの時点でどのような投資を行ない、どのような事業展開を目指すのかということが可視化することが出来ます。
そして、その計画に伴うお金の流れを事前に把握することが可能となります。
 
もちろん、精緻な計画であるほど、良いかと思いますが、まずはしっかりと計画を立てるということから始めることが重要なポイントになります。
 
次回は「脱感覚経営」を目指すための素地として中小企業のステークホルダー(利害関係者)についてご紹介します。
 
次回の内容はこちら

【この記事を書いたコンサルタント】
竹村 良太

早稲田大学卒業後、地方銀行に入行。8年間の銀行業務では、中小・中堅企業から上場企業まで幅広い法人営業を経験。その後、船井総合研究所に入社。
前職時代は事業性評価・財務分析に基づく融資業務に取り組み、中小企業・上場企業向け融資実績を数多く残す。
経営者に寄り添い「三方よし」の精神で財務コンサルティングの提供を行っている。

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