財務トピックス(コンサルタントコラム)

管理会計とは?財務会計との違いも解説!②

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5.管理会計を導入するメリットと活用法

・ 業務管理がしやすい
例えば、部門別に損益を把握するような管理会計を導入すると、「どの部署(または個人)が、いつまでに、どれくらいの目標を達成すればいいのか」が明確になり、業績の管理や評価がしやすくなります。
売上管理のみならず、バックオフィスの予算管理にも有効です。経営側は社内全体の進捗状況を俯瞰できるようになり、経営計画をスムーズに立てることができるでしょう。

・ フェアな評価ができる
管理会計を用いて、各部署または個人の目標を設定することで、評価軸が明確になります。一定の指針に基づいたフェアな評価がしやすいでしょう。

・ 経営感覚が身につく
管理会計を導入すると、各部署の担当者が「自分の部署は予算計画を達成できるかどうか」「達成するためには何をすればよいのか」といったことを強く意識するようになり、経営感覚を身に着けることができます。
未達成に終わった場合は、その理由を踏まえて次の目標を建てなければならないので、分析力や問題解決力が鍛えられるでしょう。

・ 速めに適切な施策を打てる
管理会計を導入することで、部署別・事業別・商品別など、経営者が知りたい数字を把握しやすくなります。
また、売上・経費・粗利なども管理できますので、経営戦略を立案する上で活用することができます。
「商品をリニューアルする」「事業部をより強化するための人材を投入する」といった施策を、適切なタイミングで検討することができるでしょう。

・ コスト削減ができる
会社を経営していく上で、予算を達成して売上を増やすことと同じくらい大切なのが、コスト削減です。
原価管理をすることで、原材料費や人件費などのコストを把握することができますので、コスト削減につながります。

・ 管理会計の注意点
管理会計を導入するにあたって気を付けたいのは、社外の第三者に開示するものではなく、あくまで巣穴井手使用するものなので、チェック機能がないことです。
管理会計がきちんと機能しているかは、経営陣が定期的に見直しながら、客観的に判断する必要があります。
また、公認会計士や税理士といった専門家に、管理会計について確認してもらうのも人湯の方法でしょう。予算管理をサポートしていただける場合もありますので、活用を検討してみてください。

・ 管理会計は導入すべき
管理会計は財務会計と違って任意となりますが、経営戦略の指針となるものです。
難しいルールもなく、経営者が欲しいと思う内容に合わせて自由にカスタマイズできますので、スピーディーな経営藩のために導入するべきでしょう。
管理会計を導入する際は、単なる帳簿作成業務をしてではなく、会社という大きな船が、正しい道を進んでいくための海図として使いこなせるようにすることが大切です。ベンチャー企業であっても、管理会計は経営判断に役立つ資料になるため、導入したほうが良いでしょう。
会社の未来のために、管理会計を有効活用してみてください。

<管理会計を活用するためには>
1.「損益分岐点分析」を活用し、変動費・固定費を把握する
経営にかかる費用は、売上高と比例する関係にある「変動費」と、売上高に関係なく発生する「固定費」の2つに分類されます。この2つの合計である総費用と売上高が交わる点を「損益分岐点」と呼びます。

変動費には、仕入や消耗品費などがあります。業務量に合わせてアルバイトを雇うなど人員を調整している場合は、アルバイトの人件費も変動費に含まれます。
固定費には、家賃や光熱費、減価償却費や人件費などが含まれます。

変動費も固定費も、経費である以上は無駄を減らしていくことが求められます。これらを定期的に把握して売上高と比較し、見直すべき点がないか確認する必要があります。

損益分岐点より上に利益のラインが来ていないなら、原価率などの改善に加えて削減可能な費用がないかを分析します。
変動費は調整。削減しやすいものですが、その効果は一時的となります。
対して固定費の削減は容易ではないものの、一度削減できればその効果は長期間継続するため、長期的な利益アップにつながりやすくなります。

2.「変動損益計算書」で、「付加価値」を分析する
変動損益計算書は通常通りの損益計算書と異なり、「販売費および一般管理費」の科目を変動費と固定費に分けて集計し、「限界利益」を算出するものです。
限界利益は、売上高から変動費を差し引いて計算します。この限界利益から、固定費を差し引いたものを「貢献利益」といいます。貢献利益がマイナスであれば、その事業は利益を生み出していないものと考えられます。

また、「付加価値」という考え方もあります。貢献利益に人件費や支払利息などを足したものを「付加価値」といいます。これによって自社のヒト・モノ・カネがどれだけの価値を生み出しているのかが数値として明確になります。

管理会計において変動損益計算書を分析すると、利益を生む売上、費用を回収するための売上が把握できると共に、採算の合わない部門やサービスも分かります。
意外な事実や、見過ごしがちな問題点を目の当たりにすることもあるでしょう。

6.まとめ

管理会計は、会社の今と将来を運営するためのツールです。これに対して、財務会計は会社の過去を切り取るためのツールです。

どちらも、健全に会社を運営していくためには必要なことですが、会社を「経営する」視点から見て必要性が高いのは、会社の細部を見通す管理会計です。

家計においても、家計簿をつけるとムダ・ムラが見えてくるように、管理会計においても詳細を確認することで将来に向けた対策を練ることができます。
管理会計は、会社にとって不可欠なツールであることから、何らかの問題・改善策の提案ができる人材は重宝されます。

日商簿記1級レベルの知識があるなら、管理会計を視点に入れた提案を行うことで、思わぬキャリアアップが待っているかもしれません。

【この記事を書いたコンサルタント】
家山 祐希

立命館大学経済学部卒業後、船井総研入社。
入社後はアミューズメント支援部にて、店舗の調査を行い、業績アップ支援に従事。
競合の店舗調査・調査結果の分析により、業績アップに必要なパチンコ台導入を提案し業績アップに貢献。
2020年1月より、金融M&A支援部へ異動。
豊富な財務知識をバックボーンに、徹底した現場主義に基づく財務支援を行い、業績アップに貢献が可能。
学生時代、陸上競技の走高跳にて富山県No.1にて国体選抜選手となった経験を有する、熱血派体育会系コンサルタント。

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