財務トピックス(コンサルタントコラム)

【中堅企業の財務管理術】未来の資金繰りを試算表から把握

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会社を経営していく中で年商10億円は一つ目の大台といえるのではないでしょうか。
年商が10億円を超えると、地域の中でも中核を担う企業として認知され始め、金融機関からもM&Aの話が持ち上がります。
今回のコラムでは、年商10億円が見えてきた企業、もしくは達成している企業にとって、未来の資金繰りを把握することがなぜ重要なのか、またどのように把握しているのかを紹介します。

半年後の資金繰りを把握していると、事業成長のスピードは全く異なる

筆者は財務コンサルタントという立場上、中小企業の財務管理を規模別に把握することができます。そしてほとんどの年商が5億円以下の企業は、目の前の資金繰りに必死で2か月後、3か月後のお金の動きを追っている余裕などありません。

しかし、事業拡大のための投資を考えている企業は少なくとも半年先まで、どのくらいの投資が必要なのかを計画しています。
つまり、半年先まではどのくらいのお金が入ってきて、どのくらいのお金が出ていくという、キャッシュフローだけでなく、投資計画を含めた資金繰りを把握しているのです。

もちろん、半年先の資金繰りを把握していない企業も事業を拡大し、売上を伸ばすことも可能です。しかし、急な運転資金増加や、設備投資により資金繰りの悪化に陥って弊社に相談に来た企業は1社や2社にとどまりません。

手間をかけずに未来の資金繰りを把握するには!?

実は、未来の資金繰りを把握する素材は、いま手元にある月次試算表などの財務資料から把握することができます。新たに分析ツールなどを購入する必要などないのです。
そして、未来のおカネの流れを把握する資料をキャッシュフロー計算書といいます。

キャッシュフロー計算書を作成することでお金の流れを以下の4つの区分で把握することができ、お金の流れの全貌が見えやすくなります。

・営業活動によるお金の増減
・財務活動によるお金の増減
・投資活動によるお金の増減
・単月のお金の増減

また、金融機関など外部に共有する資料として活用することで自社の経営状況をより正確に伝えることことができ、信用度を上げることができます。

さいごに

ポイントの①では以下をお伝えしました。
・事業を拡大するには、目先だけでなく未来のおカネの流れを知ること
ポイントの②ではお伝えしました。
・未来のおカネの流れを知るには月次試算表を用いて、キャッシュフロー計算書を作成すること

皆様もキャッシュフロー計算書を作成し、事業拡大のための財務基盤を構築しましょう。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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