財務トピックス(コンサルタントコラム)

【コロナ対策】融資を2倍速で通す事業計画 (1)「財務ことば」の選定

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いかに融資を早く通す計画を作るか。その第一歩は「財務ことば(数値化・構造化)」だった


前回は、「融資を2倍速で通す事業計画の3つの秘訣」に関してご紹介しました。
◎前回の内容はこちら

今回はそのうち最初に取り組むべき「財務ことば」の選定とは何かについて、簡単にご紹介していきます。

ところで、貴社は事業計画というものを作ったことはあるでしょうか。
全社に発表する営業目標のために準備したり、あるいは金融機関にいきなり「事業計画を提出いただけないでしょうか」と融資のタイミングで依頼され、慌てて作成したという方もいるかもしれません。
特に融資とセットの場合は早期に資金が必要なのに、

・事業計画の作り方が分からず、提出までに時間がかかってしまった…
・売上・利益の根拠を作ろうにも社内の材料が散逸しており、苦労した…
・やっとの思いで計画を出したら、金融機関から次々に質問が飛んできて頭がパンクしそうになった…
・出した計画が悪かったのか、なかなか審査のOKを下ろしてくれなかった…

など、事業計画のせいで融資が出るかやきもきしたというケースを筆者もよくお伺いします。
社長であれば、頭のなかを整理して1枚の書面に落とし込む表現力が、経理・財務担当者であれば社長から来る多数の情報を構造的に理解し、具現化する力が必要…。
それこそ、どこかのコンサルティング会社のような仕事をしなければならないのか…?と途方に暮れてしまいます。

たとえば、ある会社において以下のような社長の発言があったとしましょう。
社長の思考法は、驚くべき程シンプルで、なおかつ、頭の中で完結しています。
頭の中で完結している内容をいかに、裏付けのある数値で表現することがレベルの高い事業計画を作り、有事でも融資を受けることができるかの重要な要素です。

【例】
「当社はコロナウイルス市況で、3月単月の売上が昨対比4割減、営業利益がマイナスとなった。これは主に飲食事業の集客が自粛の影響で落ち込んだことが原因で、今後はリアル店舗の一時閉店を進めてコストを10%削減し、仕入れも一時停止する一方、ネット販売事業への広告宣伝に注力し、副業での収益回復を図る…」

ニュースでもよく見かける企業の業績レビューですが、発言を聞いた担当が事業計画を策定すると考えると、以下のような感情が湧いてくるのではないでしょうか。

…落とし込めない要素、多すぎじゃないか…?

上記の通り企業経営というのは定量的に語れることもあれば、今般のウイルス市況のように数字では語れない定性面の情報も大いに関係します。

先ほどの社長の発言はそれら定量・定性情報が混在し、これをストレートに書面に落とそうとしようものなら、あっという間に消化不良に陥ってしまうのです。
一方、思考法を身に着けている社長は以下のように「財務ことば」の選定(≒企業が考えている計画内容の、定量的な要素の切り出し)を行うところから、手を動かすはずです。

【図】事業計画を作る前に行う「財務ことば」の選定


上記図の通り、まず事業計画への落とし込みをするために、整理されていない情報から定量的に数値化できそうな情報だけを収集し、それは社内のどの資料を確認すれば確認できるかという部分を詰めることから始める必要があります。

一見至極当然のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、実は融資が通りにくい計画の多くはこの「財務ことば」の選定が甘いがゆえに、
・実績からは根拠が見当たらないような、非現実的な売上の伸び
・損益が大幅に黒字なのに、現預金がさほど増えたように見えない
・今までの数百倍の広告予算がかかっているように見える非現実的な割合
等といった「ほころび」が生まれてしまうのです。

千里の道も一歩からではありませんが、融資を満額、素早く通すためにも、まずはこうした地道な整理作業、根拠付けの作業を心がけていただきたいと考えます。

さて今回はシリーズの第2回として、融資を2倍速で通過させるための事業計画の作り方の基礎「財務ことば」を活用した情報整理に関してお伝えしました。
次回は整理した情報をいかにして計画書に散りばめていくかという部分、ずばり「事業計画3分割の法則」に関してお伝えします。お楽しみに。

◎次回「【コロナ対策】融資を2倍速で通す事業計画 (2)3分割の法則」は、こちらから

【この記事を書いたコンサルタント】
片山 孝章

メガバンクの法人営業担当として3年勤務したのち、船井総合研究所に中途入社。 3年の勤務ながら地方拠点・都市拠点の両方を経験し、
スタートアップ企業に対する創業支援融資から、中堅~大企業向けの各種金融業務を学ぶ。 現在は若手担当者ならではの素早く、小回りの利いた対応を心がけることで、 経営者の表面的ニーズのみならず、想いにも寄り添える提案を心がけている。

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