財務トピックス(コンサルタントコラム)

【コロナ対策】融資を2倍速で通す事業計画 (2)3分割の法則

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融資が早く通る計画は、常に「ある3つの要素」が明確化されている?


前回は、融資を最速で通す事業計画は、きわめて丁寧に、金融機関目線で情報が整理されているという話をし、その整理の手法として「財務ことば」の選定(≒企業が考えている計画内容の定量的部分の切り出し)から始めることが有効だと紹介しました。
◎前回の内容はこちら

企業経営はすべてが数字に置き換えられるほど甘いものではなく、近時のコロナ市況のような危機事象は、まさに経営が数式で語り切れないことの表れと言えるのではないでしょうか。

ですが、このような状況だからこそ、なるべく数値に落とし込む努力をすることが重要です。
数字に「幅」を持たせ、影響が軽微な場合、重症化した場合など、複数のシミュレーションを行うことも一つの方法です。
状況が分からないので、事業計画も作成できませんということでは、なかなか審査が進まない要因になってしまいます。

そして、この状況下で最も心配しなければならないのは、言わずもがな今後の資金繰りです。
平時は売上・利益を追求していた好調企業も、明日の資金繰りを見通せないことから緊急の融資枠を申請するような異常事態です。

まず取引している金融機関から、どんな形式でも良いのでコロナ関連融資を受け、当面の資金手当てをせねばなりません。
その際、前回のコラムのとおり、やはり金融機関から求められる一番の情報は今後の見通し(≒事業計画書)なのです。

「何月くらいに受注は回復する見込みとお考えでしょうか」
「仮に半年間、売上がこのままだった場合は、資金調達できそうでしょうか」
「もしさらに業績が落ち込んだ場合、銀行に担保を入れる等は検討できそうでしょうか」

何とか資金手当をせねばと必死の経営者からしてみれば「そんなこと、占い師じゃないのにわかるわけがない!」とやきもきするかもしれませんが、金融機関も営利企業、彼らなりに最大限リスクヘッジをして、融資を実行せざるを得ない立場にあります。

大事なのは話が平行線になる前に、結局、彼らがどのような情報に落とし込んで回答をすれば、最速で納得してくれるか、ということです。

ずばり、今後融資を申請するための事業計画書は、以下に3分割して情報を掲載しましょう。

(1)キャッシュフロー:「結局いくら」財布に残るのかのシミュレーションを明記
(2)P/L     :赤字・黒字の展望はもちろん、売上が最大どこまでマイナスになるかという「幅」も大事
(3)B/S     :今回の資金調達で会社の財務はどれくらい悪化するのか?純資産はマイナスになるか?

一見回答だけ見ると難しそうに見えますが、前回のコラムで「財務ことば」の選定手法を学んでいる方なら、心配ありません。
まずは財務ことばとして定量化したそれらことばが、

「おカネ回り(キャッシュフロー)に影響する話なのか」
「売上・費用・利益(P/L)に影響する話なのか」
「資産・負債(B/S)に影響する話なのか」

と、どこのカテゴリに分類されるのか精査して、3つの箱に分けるイメージができれば問題ありません。

もちろん、ことばのなかには3要素のうち複数に影響を与えるような特殊なピースも存在するため、一概にはっきり分けるのは難しい時もありますが、難しいならあえて計画の要素から外す、あるいは別の要素を付け加える…と、計画を練る時の材料の過不足も、この法則を使えば判断することが可能です。

金融機関も、この有事対応で毎日ろくに審査内容も把握できないような状況に陥っているものと予想されます。
一方で、安易に何でも融資を承諾してしまうことで不良債権が増えることは避けたいため、結果審査がなかなか前進しない、保証協会や担保の話をしてくる…というジレンマがあるようにも感じます。

そんな時、事業計画3分割の法則で見事に情報が整理された計画ができ、「あとは審査部に見てもらうだけだ」というものが銀行員の手に渡れば、どうでしょうか。
それすなわち、融資審査を2倍速に早める特効薬になっていること、間違いないでしょう。

次回はシリーズの最終回として、融資を2倍速で通すための事業計画に関する3つの秘訣の最後の1つ「実現可能性」に関するお話をご紹介します。お楽しみに。

◎次回、最終回「【コロナ対策】融資を2倍速で通す事業計画 (3)実現可能性」は、こちらから

【この記事を書いたコンサルタント】
片山 孝章

メガバンクの法人営業担当として3年勤務したのち、船井総合研究所に中途入社。 3年の勤務ながら地方拠点・都市拠点の両方を経験し、
スタートアップ企業に対する創業支援融資から、中堅~大企業向けの各種金融業務を学ぶ。 現在は若手担当者ならではの素早く、小回りの利いた対応を心がけることで、 経営者の表面的ニーズのみならず、想いにも寄り添える提案を心がけている。

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