財務トピックス(コンサルタントコラム)

新規事業で増収1億円!秘訣はその「○○」にあった

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自社の新規事業は一夜で成らず。でも世界は一夜にして変わる。
いまこそ新規事業に「この順番で」取り組んでほしい!

「新規事業を作り、自社の第2・第3の柱を作りましょう」

誰しも1つしか事業の柱がない企業よりも、複数の魅力を持つ企業の方が良い、というのは間違いないでしょう。
たとえ経済環境の悪化に伴い、1つの事業が急激に悪化するような事態が生じても、スタイルが異なる2つ目の事業がそのマイナスを下支えしてくれれば、何とか難局を乗り越えることができるかもしれません。一方、

【採用】第2の事業を始めようにも、ノウハウがある人なんて採用できないし…。
【財務】第2の事業を始めるだけの元手となる資金がないし、銀行も貸してくれるかどうか…。
【事業】そもそも、どんな事業を始めるのが自社にとってベストなのか…。

と、これらの足枷が自社の決断を難しくしてしまい、結果としてなかなか事業を伸ばせない、環境の変化に弱くなってしまう最悪の状況を生んでしまいます。
大企業の社内ベンチャーであればお金、人材、ノウハウの全てが最初から集まっているので何ら問題とならないこの3つの足枷ですが、中小企業でここを最初からクリアしているところなど、日本全国探してもそう簡単には見つからないかと思います。
が、しかし!

・人口10万人以下の地方都市エリアの中小企業でありながら
・足枷を「順序を考えて」「いま」「1つずつ」クリアしていったことで
・この2年間だけで新規事業を2つ立ち上げ
・売上を1億円アップ、利益も総益を達成した

という企業が、実際には存在しています。
今回はこうした成功企業が、どうしてここまでスムーズに事業展開ができたのか、その秘訣とステップに関してお伝えします。

【秘訣(1)】まず「財務」から手を付けたこと

新規事業を始めるためには、まずノウハウを手に入れて事業展開を構想し、それを進めるためのエンジンとなる専任担当者を準備し、そして元手となるお金を作って始めましょうというのが、基本的なセオリーではないかと思います。
事業展開の構想がなければお金があってもどのように進めれば良いかが見えず、人がいてもただ固定費がかさんでしまうだけですから、やはり社長はじめとする経営陣メンバーが、夢を語って原動力となることが重要かもしれません。

しかし前述の成功企業は先ほどの3つの足枷のうち、まず解決しようと取り組んだのは、1番手を付けるのが最後になりそうな「財務」の課題からでした。財務というと、

・お金のこと?そりゃあ、元手を集めるのは大事だけど、無計画に銀行に行っても意味がないのでは…。
・財務、財務っていうけど、そんな机の上で計画しても話は前に進まないからね。
・うち、別に銀行ともいい取引しているし、今はおカネには困っていないから。

と、やはり経営者のなかで後手に回りやすく、3つの足枷の中でイメージもわきにくいかもしれません。

しかし、成功企業の経営者の思考は違いました。

・既存事業は成功しているように見えるが、もう少し効率よくお金を回す方法があるのでは?
・新規事業を始めるお金はすでにあるが、もっと今の事業を回してお金を貯めておく仕組みを作れないか?
・決算書とか試算表を見て、数字で自社の善し悪しを判断できるようになりたい。

千里の道も一歩からではないですが、これから千里を歩くため、今持っている装備品で足りるのか、もっと自社の魅力を掘り下げるには…と、財務というツールを使って足固めをすることを一切怠らなかったのです。
具体的には、

(1)自社の決算書を3年分並べて、自社が1年間商売に「いくら」お金を使ったのかをデータベース化した
(2)そのデータと通帳のお金を比較して、資金繰りは盤石といえるのかをもう1回確認した
(3)仮に人口減少や従業員退職などが発生して業績が落ちると、自社はどうなるのか数字で予測した

など、社長の自社のイメージと、財務から見える会社の姿に「ずれ」がないのかを確認し、ずれがある場合は金融機関との面談や財務管理をしている経理担当者との戦略会議で、本当にイメージ通りの企業へと変貌させることに注力しました。
結果、

(1)実は既存事業も年々伸びているせいで必要な運転資金が増えており、資金調達をした方が良かった
(2)資金繰りは盤石だが、季節によっては少し現預金が減りすぎているところがあった
(3)業績が落ちたとしても、銀行に説明する手法を見出すことができた

と、社長にはなかった新たな目線が加わり、新規事業を始めるための資金余力を半年で2億円近く、準備することにも成功しました。

【秘訣(2)】新規事業選定の基準は「既存事業の成長」

さて、秘訣(1)でがっちりと地盤を固めた成功企業も、いよいよその体制を使って人材を活用し、新規事業に展開していこうと考える段階に至ったのですが、ここでも当たり前のように見えながら非常に優秀な選択をしたことで、企業の年商を1期で1億円増収させるような体制を作ることに成功しています。
それは「自社の祖業を大事にする」という観点でした。

・自社は不動産仲介業で地域に根差して成長した企業。この事業では間違いなく「プロ」である
・すでに〇〇人の顧客データがあり、これが自社を支える基盤となっている
・この基盤の上に事業が成り立っているのだから、新規事業もこの基盤の上に乗せていきたい
⇒ANSWER:不動産仲介をベースに自社保有の賃貸管理業、分譲住宅販売業で「シナジー効果」を発揮する!

「えっ、そんなこと当たり前すぎて秘訣でも何でもないのでは…?」
と、拍子抜けしてしまった方もおられるかもしれません。
しかし、成功企業の社長はこの観点を、以下のような目線でさらに掘り下げているからこそ、真の意味で祖業を大事にすることができているのです。

【図】成功企業の簡易事業整理マップ

上記図は、ある不動産企業が新規企業を検討した際、自社の事業の立ち位置を簡易で図式化したものです。
特徴は、前述の「足枷となる3つの要素」を明示している点です。たとえば、

・仲介は単価が低いが得意な業種で営業マンも多数いる。資金調達不要で伸ばせる祖業
 ⇒ここで蓄積した資金を新規事業に投下していく作戦
・中古買取再販は昔から副業的なポジションで継続しているが、ベテランの専任担当者が1人だけで、
 この方がやめてしまうと自社としてノウハウが弱体化してしまう。
 また、買取には自己資金だけでは心もとないので、銀行から資金調達が必要。
⇒戦略的撤退をする方針
・新たに始める分譲住宅事業は単価も高く、販売時には一気に収益が上がるものの、資金調達が常に必要で
 採用をしないと経験者も自社にはいない。ただ、仲介ではなく購入のニーズがある顧客を祖業から誘導できる
 ⇒まずは銀行との打ち合わせと販売計画、採用計画を立てて調達を行い、第2の柱に成長させる

…など、3要素をベースにどこが強くてどこがネックとなり、何が既存事業との相乗効果となるかについて図で掘り下げた結果、適切な戦略を打つことが可能になっていたのです。

当然ながら、新規事業には失敗のリスクも常に付きまといます。
失敗の傷口が大きくなれば、最悪の場合祖業が成功しているにも関わらず、企業のピンチが到来するシナリオも想定されます。
新規事業展開にも順序が大事であったように、ここでもまた優先順位設定が何よりも肝になるというわけです。

【まとめ】一夜にしてならぬからこそ、今始めておくべき新規事業

今回は、そう簡単には作れない企業の第2・第3の柱を作る行為である「新規事業展開」に関して、成功している事例企業がどのような順番で、どんな思考法を使って成功していたのか、そのエッセンスをお伝えしました。
自社の事業をこれまでプロとして伸ばしてきた経営者だからこそ、自社のことをよく理解しているつもりになっており、実際の姿がどうなっているのかを改めて落ち着いて考える機会が、意外にも少なくなっている場合を、筆者も多数の中小企業の現場で拝見してきました。
一方で成功企業の取り組んでいる手法は突拍子ないものではなく、王道を、しっかり確認しながら歩んでいるようなスタイルです。

ぜひ、今回のコラムが1度自社を見直しする時間を設けるきっかけとなっていましたら、幸いです。

次回3月10日は「自社のおカネは『この指標』で管理!ここから始める財務戦略」をお送り致します。

―――――
ところで、今回のコラムで登場した成功企業の経営者様が、
東京・大阪2日連続開催で、成功事例の「生の声」を語ってくださることになりました。
ぜひ今回のコラムの内容だけではなく、より具体的な手法・事例を感じていただければ幸いです。
コンサルタント一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。


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=セミナー概要=
【第1講座】「令和も負けないための不動産業界最新時流」
<講師>株式会社 船井総合研究所 賃貸支援部
     チームリーダー 片野 陽介

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当該セミナーは、不動産関連の企業のご経営者・ご経営陣様向けの内容となっております。
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13:00~16:30(受付12:30~)
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【開催概要】
参加費:一般企業様30,000円(税込33,000円)/ 一名様
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【この記事を書いたコンサルタント】
片山 孝章

メガバンクの法人営業担当として3年勤務したのち、船井総合研究所に中途入社。 3年の勤務ながら地方拠点・都市拠点の両方を経験し、
スタートアップ企業に対する創業支援融資から、中堅~大企業向けの各種金融業務を学ぶ。 現在は若手担当者ならではの素早く、小回りの利いた対応を心がけることで、 経営者の表面的ニーズのみならず、想いにも寄り添える提案を心がけている。

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