財務トピックス(コンサルタントコラム)

令和時代の「新」銀行交渉マニュアル

  • 最終更新日/

今までの銀行交渉方法では損をすることも?

皆さん、2019年12月金融業界にとって大きな変化があったのはご存知でしょうか?

金融庁は、1999年7月に制定した「金融検査マニュアル」廃止の方針を固めたと発表しました。

金融検査マニュアルの廃止の検討は2019年9月に発表されていたものの、20年に亘って続いていた、同マニュアルが正式に廃止されるということは、

「銀行が何を考えているのかわからない」
「決算が悪くなると途端に融資の姿勢が変わる」
「担当者しか来ないので支店長の顔が分からない」

銀行は決算書だけで融資を決定しているとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実はそうではないのです!

今までの金融機関は、確かに決算書に基づき格付けを行い、検査主義的に融資判断をしているケースが見受けられました。
その際には「交渉」することによって難易度の高い融資や条件改善を行うことができる場合がありました。

しかし、これからは決算書だけではわからない自社の「良さ」「強み」を評価してもらい、良好な関係性を築くことで、安定した資金調達が可能となります。
その際に必要となるのか「金融機関との対話」です。

売上3億円の企業が新たな店舗オープンのための2億円の資金調達を実現!
前期赤字決算でも、新たな設備投資の調達1億円を実現!
ある方法を実践するだけで、どの金融機関も積極的な融資提案を持ってきた!

私たちのご支援先でも数多くこのような事例を見てきました。
もちろん、決算内容も重要ですが、同じ決算内容でも会社への理解があるかないかでは融資姿勢や条件まで変化してしまうのです。

銀行をただお金を貸してくれる存在と考えるだけでは、ダメです。
事業を成長させるために必要な資金を貸してくれるビジネスパートナーへと関係性を変えていく必要があるのです。

なぜ銀行と良好な関係性を築くことで安定した資金調達が実現出来るのでしょうか。

その理由は、

銀行は事業性評価を推進しているからです!

事業性評価という言葉を耳にされたことがある方もいらっしゃるかと思います。
簡単に説明すると「銀行は企業の実態や将来性を評価して融資をしましょう」という内容です。
つまり、過去の決算書だけに基づいたスコアリングだけで評価するのはやめましょうということです。

2015年に金融庁から指針が公表され、事業性評価に基づく融資が推進されるようになりました。
金融庁という組織は銀行を統括する役割を担っているため、銀行に対してルールを決めたり、指導をしたりしています。

金融庁という名前の前は金融監督庁という名前でした。
ルールを作る、指導をする省庁という性質上、銀行に対して、絶大な影響力を発揮します。
その金融庁が事業性評価を推進しよう!という施策が公表されると、銀行は従わなければいけません。

つまり、銀行は企業の実態・将来性をしっかりと把握・理解したうえで、融資しなければいけないのです。

事業性評価の公表以来、数多くの銀行は、全行を挙げて事業性評価を推進していると標榜しております。ただしこれはあくまで「銀行本部が」という注釈が付きます。

皆様が相対している現場の銀行員はそんなこと考えられていられないのです。

「金融庁や本部はそう言うけど、毎日現場で働いている銀行員は、事業性評価を推進する暇なんてない。こっちはノルマ達成に必死なんだ!」

というのが皆様と相対している現場の銀行員の本音です。

「事件は会議室で起こってるんじゃない!現場で起こってるんだ!」という1990年代後半に大ヒットしたドラマのセリフが思い起こされます。

では、そんな忙しい現場の銀行員から自社に対して事業性評価を推進してもらい、自社にとって必要な融資を引き出すために、皆様は何をすれば良いのでしょうか?
答えは以下の3点です。

(1)会社概要だけではなく、自社のビジネスモデルや、収益構造を伝える
(2)実際に店舗やイベントなどへの招待を実施
(3)説明する相手は担当だけではなく、支店長も交えて行う

(1)会社概要だけではなく、自社のビジネスモデルや、収益構造を伝える
銀行は過去の情報が蓄積されており、今さら改めて自社のことを説明する必要なんてない!とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

銀行で蓄積されている自社の情報は意外と不正確な場合があります。
また、伝える内容や伝え方によっては実は正しく伝わっていない!というケースもよく見られます。
だからこそ、より正確に自社を説明するためにビジネスモデルや収益構造を含めた会社の概要を改めて伝えることが重要になります。

(2)実際に店舗やイベントなどへ招待を実施
自社の現場を見てもらうことは、会社の実態を正確に理解してもらう近道です。

例えば、オープンイベントやリニューアルイベントを見てもらった後に融資の話が出るとします。
銀行の支店担当者がそのイベントを通じて、知りえた情報に基づきリアルな迫力のある会社情報が稟議に盛り込まれれば、審査部門を説得するプラス材料となります。

(3)説明する相手は担当だけではなく、支店長も交えて行う
支店長が取引先と面識があるかどうか、またどのくらいの頻度で面談機会があるかどうかも融資審査へ影響を及ぼします。

良くも悪くも融資決定は人が行うものです。
そこに「情」が入り込む余地はなさそうなのですが、支店長や担当者に「この会社を応援したい!」と思ってもらうことは確実に融資審査にプラスの影響を及ぼします。

銀行から応援してもらうためのファーストステップは目の前の支店長や担当者に応援してもらえるように自分から働きかけることです。
銀行が動いてくれることを期待してはいけません。
自発的に能動的にアプローチしていかなければ、「事業性評価推進」という資金調達の時流にのることはできないのです。

【この記事を書いたコンサルタント】
鈴木 浩史

千葉県出身。大学卒業後、信用組合に入社。
5年超、個人・法人営業に従事し、3期連続営業No.1となる。また、事業性評価による融資実績を持ち、社内のモデル事業として取り上げられる等、常に経営者の身になってソリューション提供を実施。
船井総合研究所に入社後は、財務診断、事業計画策定、銀行交渉を通して、経営者が描く企業像の実現を追及している

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