財務トピックス(コンサルタントコラム)

経理・財務の管理部門における課題とその特徴16連発~コンサルティングの現場から~

皆様、こんにちは。船井総研石田知大です。
私は普段、財務管理体制の構築というテーマでのコンサルティングを行っております。
その中で日々感じることを書き連ねていければと思っています。

あらゆる法人様において、規模間による差こそあれど、こと「管理」に対しては、共通する課題が潜在的にあるのではないかと感じます。

その中でも特に多く耳にする課題をあげると下記のようなものになります。

1.財務管理では…

1)そもそも財務についての理解が進んでいない<何をすればいい?>
2)事業計画を立てていないまま営業を進めている<将来の利益目標がない>
3)事業計画の予実を検証していない<計画を立てっぱなし>
4)将来のキャッシュの計画を立てていない。<いくら現預金を貯めるか計画していない>
5)将来のキャッシュポジションの計画を検証していない<計画との差を検証していない>
6)投資、事業計画を反映したB/S計画を立てていない<将来の資金調達力を把握していない>
7)自法人が持っている資産・負債の把握が出来ていない<不動産・保険・リース・借入・手形>
8)将来の経営幹部に上記を引き継げる仕組みが出来上がっていない

2.経理管理では…

1)勘定科目や仕訳が独特のルールで行われている<正しい経理処理>
2)試算表の数値をそもそも見ていない<「試算表作成は3か月に1回だけ」など。>
3)試算表作成まで締め日から1か月以上かかる<場合によっては2か月、3か月後>
4)部門別の損益管理体制が構築できていない。
5)紙の帳簿で記録を行っているため、データ分析が行いにくい。
6)管理帳票に、過去入力したデータを2度、3度入力する必要がある。<システムで出力不可>
7)人材が「経理」専任ではなく、「総務」「労務」等を兼任し、忙しすぎる。
8)業務改善を進めるにもそもそも他の事例を知らない。

さて、上記の中ではどれだけ当てはまるものがあったでしょうか?

それぞれのケースについて、私が現場で出会った事例と感じた部分について、その課題についての論点と整備すべき点について記載していければと思います。

1-1)そもそも財務についての理解が進んでいないケース

このケースは、創業社長から事業を引き継ぐ2代目経営者の方であったり、とにかく売上拡大思考で経営を進めてきており、うちの決算書に書いてあることは税理士の先生に聞いてくれ!というような発想をお持ちの経営者の方に多くみられます。

この状態の企業様で多くあることは、自社の決算書がどう組みあがっており、資金がどこから調達され、どのように運用されているのかが見えなくなっているということです。

特に資金調達においては適切なお金の借り方が出来ていない状態になっていたり、せっかく資金の枠が出来上がっていてもそれをどう使っていいのかわからず、宝の持ち腐れをしてしまっているケースなども多くあります。

このような企業様は、まず企業の決算書を見て、自社の現状をきっちりと理解するための分析を行うことが必要となってきます。

そうして、現状から今後目指すべき財務の方向性を導き出して、どのように資金を調達・運用するのかの財務戦略をくみ上げていくことが必要です。

1-2)事業計画を立てていないまま営業を進めているケース

意外と多いのがこのケースで、「実際、受注次第のところもあるし、事業の売上予測なんてできないからね。」と、特に事業計画を作るわけでもなく事業を進めていっている企業様を多く見かけます。

また「売上や粗利に限定しての計画策定を行っているものの、実態の営業利益までの計画は…。」という企業様も非常に多くいらっしゃいます。

正直、計画を立てなくても事業は運営されていきますが、先の見通しを立てることを行っている企業とそうでない企業の間には、先の見通しに関しての経験値の差が生まれてきます。

例えば何か投資を行う際の事業計画を建てる場合、この経験値の有無によって、その投資に対する計画の精度、いわば投資への感覚の精度が大きく変わってくるというように感じます。

これについては、一度自社の過去の数字を利用して事業計画を策定されることから始めるのが良いと思います。

1-3)事業計画の予実を検証していないケース

これは、とてもシンプルな話で、上記1-2)で記述した、事業計画は立てている企業様が、その計画に対する実績を検証できていないというケースになります。

多くの企業様では、年初の目標(計画)と年末の実績といった通年での達成率については予実を比較されているように思いますが、案外その内訳を月単位で比較し、何故当初の目標との乖離があったのかを定期的に検証している企業様は少ないように感じます。

これではせっかくの計画を立てたとしてもその計画が100%生かされない為とても勿体無いです。

私個人としては、そもそも予実管理というものの目的は、決して部下や営業の数字を見ながら目標値との差を問責して、「なぜ達成できなかったのか?」を追求するための物ではなく、あくまで「予測を立てる」精度を究極的に引き上げることにあると考えています。

そのため次の3ステップを意識した予実管理を実施して、よく言われているPDCAサイクルを回すことを意識するのが良いと考えています。

(1)予測を立てる<何らかの根拠を持って作成>
(2)実績と比較して予実差異の原因を検討する
(3)(2)で検討した内容を盛り込んで、より正確に予測を修正する

次回は財務管理における課題の
4)将来のキャッシュの計画を立てていない。<いくら現預金を貯めるか計画していない>
5)将来のキャッシュポジションの計画を検証していない<計画との差を検証していない>
6)投資、事業計画を反映したB/S計画を立てていない<将来の資金調達力を把握していない>
7)自法人が持っている資産・負債の把握が出来ていない<不動産・保険・リース・借入・手形>
8)将来の経営幹部に上記を引き継げる仕組みが出来上がっていない
についてご紹介します。

次回の内容はこちら

【この記事を書いたコンサルタント】
石田 知大

関西学院大学出身。法学部を3年飛び級で卒業後、同経済学部へ編入、財政・金融システムを専攻。
卒業後は船井総合研究所に入社。
異業種からの新規参入、調査分析に関するコンサルティングに関わり、現在は財務診断・改善の提案や成長のための事業計画、財務管理体制の構築といったコンサルティングテーマに従事している。
現場に入り込んでの実態に即した実務の改善や、誰にでもできる仕組み作りの提案などに重点的に取り組む。

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