財務トピックス(コンサルタントコラム)

【“守り”の財務】資金繰り表でお金の動きを見える化

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いつもコラムをご覧いただき誠にありがとうございます。

売上好調、利益も十分に出ている。
なのに、「お金」がない!!
そんなお悩みを抱えている中小企業の経営者の方は多いのではないでしょうか。

ではなぜ利益が出ているのにも関わらず、
自社に「お金」がたまらないのでしょうか?
答えは、自社の資金繰り管理ができていないからです。

事業戦略や、先行投資といった「攻め」の財務戦略に加えて、
資金繰り管理をはじめとする「守り」の財務管理を強化していくことが中小企業には必要です。

というのも、今後はコロナ融資の返済により、
新規投資をしていなくてもじわじわ資金がすり減っていく、、という状況が見込まれるからです。

コロナ融資の返済がなかったとしても、資金繰りを管理しなければ
「来月経営を続けるだけのお金がない!」と、
突然の経営危機に陥ってしまう可能性があります。

まずは自社の現状を把握し、成長のためのステップを
ひとずつ着実に踏んでいくことが財務の成長には欠かせません。

そんな自社の資金繰りを把握する方法の一つが、「資金繰り表の作成」です。

本コラムで、作成のメリット、作成のポイントをお伝えいたします!

資金繰り表を作成するメリット

資金繰り表を作成すると、具体的にどのような効果があるのでしょうか。

ここでは、社内活用と社外活用に分けて
資金繰り表作成のメリットをご紹介します。

【社内活用】
①お金の流れを把握できる(過去)
②キャッシュフローから会社の状況を分析できる(過去)
③今後の資金繰りの見通しを立てることができる(未来)
④投資判断が可能になる(未来)
⑤前もって資金繰り対策が可能になる(未来)
⑥お金の悩みがなくなる(未来)

【社外活用】
①金融機関への融資打診の際に活用
②資金ニーズの明確化
③希望調達額のエビデンス資料へ使用

上記からお分かりいただける通り、
資金繰り表を活用すると自社のお金の流れをつかみ、
予測の精度を向上させることができます。

そして、資金繰り計画と毎月の実績を管理することで
資金ニーズのある月の見える化が可能となります。

例えば、現預金が減っているのであれば、
資金ショートを防ぐため金融機関から新規調達をする準備を進める、
など策を講じることができます。

さらに、投資予定がある場合は、
自己資金で賄えるのか、金融機関から借入をするべきか
資金繰り表でシミュレーションを行い、
判断する材料とすることもできます。

また、近年融資打診の際に、
金融機関から資金繰り表を求められるケースが増えています。
融資をスムーズに進めるという点でも
資金繰り表が活躍してくれるのではないでしょうか。

資金繰り表作成のポイント

資金繰り表は、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の両方の要素から成り立っています。

「P/L計画」「試算表」「借入一覧表」等の資料をお手元にご準備いただき、
ぜひ自社の資金繰り表を作成いただければと思います。

ここでは作成の際に特に重要な2つのポイントをご紹介いたします。

【ポイント①】
入力しやすい項目の情報から表を埋めていく

下記の順番に、数字を入力いただくことがおすすめです。
①現預金残高
※前月繰越については直近月のB/Sの「現金・預金」の数字を入力
②損益計算書の販管費(当月の入出金額)
③月々の借入の返済額
④売上・原価に係る入金・支払
⑤その他の入金・出金
※下記のような入出金があれば資金繰り表に加える
・支払利息・投資予定があれば、出金予定額
・保険解約金の返戻があれば入金予定額

【ポイント②】
売上・原価に係る項目には当月会社に「入ってきたお金」と「出ていったお金」を記入する

資金繰り表はお金の動きを表すものなので、
資金繰り表上の売上・原価項目は損益計算書の「売上・費用・利益」とは異なることに注意です。

上記ポイントをご参照の上、資金繰り表を作成いただき、
財務管理や融資打診にご活用頂ければ幸いでございます。

・資金繰り表は作っているけど、自社に適した具体的な活用方法を知りたい
・会社のお金が減少しているが、どう対処すればいいか相談したい
という経営者の皆様は、ぜひ一度、弊社の財務コンサルタントへご相談くださいませ。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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