財務トピックス(コンサルタントコラム)

【キャッシュフロー経営フォーラム】11月例会プレイバック

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いつもコラムをご購読いただきありがとうございます。

2021年も残り2ヶ月となり、12月、3月に年度決算を控えられている経営者様も多いのではないでしょうか。
「決算対策」は「決算月」にするものと思われがちですが、本当に効果のある「決算対策」には、1年を通して行うべき施策があります。

「キャッシュフロー経営フォーラム11月例会」では、「徹底解説!本当にやるべき決算対策」と題しまして、すぐに取り組める、正しく効果的な決算対策をお伝えさせていただきました。

今日から取り組める内容ですので、決算が迫っている経営者様だけでなく、決算対策にご関心のある経営者の皆様に、是非、読んでいただきたい内容のコラムです。

決算対策とは

まずは、そもそも決算対策とはどういったことなのかです。
決算対策とは、
「決算を完成させる前に行う戦略構築から、決算完成後の活用全般」
のことを指しています。

つまり、決算対策とは
「自社のビジョンを達成するために最適な対策をする」ということであり、
自社のビジョンを明確にする必要があります。

・売上10億円を達成したい
・来期2店舗出店したい 

など自社のビジョンを明確にしたうえで、その達成のためには、資金調達が「必要」か「不要」かを見極めます。

資金調達が不要であれば金融機関対策の必要がないので、資金を貯めていくことを主軸とし、「節税」などによる現金の最大化を目指すべきです。

資金調達が必要な場合、自社に対する金融機関からの評価を上げるための決算対策が必要です。
金融機関の重視する財務指標を意識した年間・月次の計画を、決算の1年前から作成する必要があります。

次の講座では、計画の作成方法をお伝えしました。

1年前にやるべき決算対策

1年前にやるべきこととして
①中長期ビジョンを明確に
②ビジョンに向けて達成すべきラインを確認
③来期の年間・月次計画を策定

この3つが挙げられます。

①中長期ビジョンを明確に
中長期的な目標の達成に向けて、来期金融機関取引や調達において必要なことを洗い出す必要があります。
<例>
・出店資金が必要
・資金繰り安定のため調達が必要

②ビジョンに向けて達成すべきラインを確認
①で調達目標が確認できたら、達成のため金融機関からの評価が重要です。
金融機関が重視している指標として、下記が挙げられます。

・債務償還年数:10年以内 =(総借入額ー経常運転資金)/ キャッシュフロー
・借入依存度:60%以下  =総借入額 / 総資産
・自己資本比率:10%以下 =純資産額 / 総資産

③来期の年間・月次計画を策定
②で金融機関からの評価を上げるラインが確認できたら、そのラインをもとに年間のP/L計画を策定します。
そして、年間の計画から月次計画を作成し、来期の目標を落とし込みます。

1か月前にやるべき決算対策
期末~2か月後(税務申告)にやるべき決算対策

【1ヶ月前にやるべき決算対策】

・預金調整
金融機関は融資方針を決定する際に、財務状況だけでなく、「預金」がどれだけあるのかを見ています。
そのため、自社に積極的な融資姿勢であり、引き続き融資をお願いしたい金融機関に対して、借入のバランスをみながらシェアを寄せるべきです。

・借入調整
当座貸越など返済が自由にできる借入がある場合は、決算期末に一時的に返済することで、借入の比率を下げることができます。
ただし、金融機関の決算月である6月、9月、12月、3月は金融機関にとって重要な月となるため、事前に相談し、財務指標を加味して返済額を決定しましょう。

【期末~2か月後(税務申告)にやるべき決算対策】

・一過性要因の費用は特別損失に計上
特別損失とは、経常的に発生しない、一過性の損失です。
金融機関は、経常利益を重要視するため、販管費に一過性の費用が計上されている場合、税理士に相談し、特別損失に計上すべきです。

・P/Lで費用計上していたものB/Sで資産計上
HP製作費、ソフトウェアの導入、新商圏の開拓で発生する調査費など、P/Lに計上している費用の中には、資産計上可能なものもあります。
費用を資産へ振り替えられる可能性があるため税理士に相談したうえで、販管費内訳を確認してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

決算対策は税務面の節税対策だけでなく、金融機関から評価してもらうための対策が非常に重要です。
まずは、自社の中長期ビジョンを明確にし、資金調達が必要かを見極め、目標達成に向けた計画を、作成していただければと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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