財務トピックス(コンサルタントコラム)

◤組織強化としてのIPOの活用方法◢

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いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

皆様、企業がどのような意義、メリットを感じてIPOを目指しているかご存知でしょうか。

2022年4月より、東京証券取引所は市場区分を再編し、プライム、スタンダード、グロースと3つの新区分が始動されました。
市場再編によりIPOへの注目も高まる中、2021年には従来の年間IPO企業数を大きく超える100社以上もの企業がIPOを達成しており、IPOへの動きは高まっています。

本記事では、IPOを目指す意義とメリット、またIPOが担う組織強化の役割についてご紹介させていただきます。

IPOを目指すことの意義とメリット

IPOを目指すうえでの意義・メリットは、以下の3つが挙げられます。

①社内管理体制の強化
②知名度や社会的信用の向上
③役員・従業員へのインセンティブ付与・福利厚生の向上

では、なぜこの3つの意義・メリットを享受できるのかについて、ご説明いたします。

①社内管理体制の強化
上場企業は、投資家に対して業績予想の開示をする必要があります。加えて、開示した予想が実績と大幅に乖離する場合、投資家に対して追加の情報開示をする必要があるため、予実を正確に管理できる体制構築を行う必要があるのです。
更に、上場企業は四半期決算について、45日以内の提出を義務付けられているため、月次決算を早期化する体制構築も行う必要があります。
したがって、IPOを目指す過程で、社内管理体制の強化を達成できます。

②知名度や社会的信用の向上
一般的に認識されているように、IPOが知名度や社会的信用の向上に寄与することもメリットの1つです。
IPOにより取引先との取引条件の緩和、金融機関との取引にも良い影響を与え、事業拡大に好影響を与えます。

③役員・従業員へのインセンティブ付与・福利厚生の向上
IPO前と比較して、IPOにより企業価値が上がり、役員・従業員に更なる企業貢献へのインセンティブ付与することができる点もメリットです。
IPOにより企業全体の士気も上がり、企業文化の形成にもつながります。
また、社内体制を見直すことにより、結果的に福利厚生の向上も期待できます。

社内体制強化の意義と内容

先程ご説明しました様に、IPOを目指すうえでは社内管理体制を抜本的に再構築する必要性があります。
そのため、仮に最終的に上場を選択しなくても、上場を目指す過程で社内体制を強化するため、経営基盤が強固になり、企業の成長への貢献が期待できます。

社内体制を強化するうえで、重要となるのは以下の2点です。

①社長の能力に頼らず、経営陣(取締役)が協力して合議的に会社をリードしていける体制の構築
②経理と財務を、互いに牽制機能が働く体制の構築

①社長の能力に頼らず、経営陣(取締役)が協力して合議的に会社をリードしていける体制の構築
長期的に会社を存続させるうえでは、経営者だけに依存する属人的な組織体制から脱却し、機能的な経営管理組織を構築することが必要となります。
加えてIPOを目指す場合、社長が事業部の責任者を兼任することは原則NGのため、権限を分散させた体制を構築することが必要となります。

②経理と財務を、互いに牽制機能が働く体制の構築
経理と財務が同一の担当者の場合、不正が起きる可能性が高まります。
したがって、経理と財務の担当者を分けることで、記帳をする経理と、支払いをする財務に牽制機能を持たせることが可能となります。

社内体制を強化するにあたっては、こうした体制を構築していく必要があります。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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