財務トピックス(コンサルタントコラム)

銀行に内在する減損リスク

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今年5月18日の日本経済新聞の夕刊に、“銀行に「不良資産問題」 店舗に減損リスク”とう見出しの記事が掲載されていた。具体的には福島銀行と島根銀行が例に挙げられていたが、内容としては下記の通りである。

 

■そもそも固定資産の減損処理とは…

一般的に「資産の収益性低下によって投資相当額の回収が見込めなくなった場合に、当該資産の帳簿価額からその価値の下落をさせる手続き」とされているが、今回銀行においては、それが店舗に適用されたものである。

 

■福島銀行のケース

12支店において、土地・建物の価値相応の収益力が生み出せないと判断され、4億円の減損処理を実施。結果、2018年3月期決算において7期ぶりの最終赤字転落。

 

■島根銀行のケース

上記、福島銀行同様に、10支店の土地・建物において減損処理を実施(減損額不詳)。最終黒字は確保したものの「コア業務純益」と呼ばれる本業の利益は2期連続の赤字。

 

以上の通りである。

特に、地域に根差したリレーションシップバンキングを展開する地方銀行をはじめとした金融機関に与えるインパクトは大きかったのではないだろうか。元々、日銀の金融緩和や金融機関の飽和状態といった時代背景から本業収益の先細りが顕著であり、効率化の観点から店舗の統廃合を進める地方金融機関は多かったが、本事案をきっかけにその流れが加速することが懸念される。

民間企業でありながら、社会性・公共性といった点も重要視しなければならない金融機関にとっては厳しい環境が続くことが想定される、と同時に店舗統廃合の対象となるエリア(過疎地など)に住む一般消費者の利便性も問題も気がかりである。

「収益基盤の確立」と「リレーションシップバンキング」の両立という難題にどう立ち向かうのか、各地方銀行の動向をこれからも注していきたい。

【この記事を書いたコンサルタント】
財務・IPO支援部

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