財務トピックス(コンサルタントコラム)

金融庁による節税保険への警鐘

  • 最終更新日/

「生命保険各社が「節税」をアピールして中小企業経営者に売り込む保険について、金融庁が商品設計などを問題視し、実態調査に乗り出した」

(朝日新聞デジタルより引用:

https://www.asahi.com/articles/ASL6X5HPFL6XULFA035.html

との報道がなされました。この報道を見て驚かれた方も多いのではないでしょうか?

 

この節税効果を活用すべく、全国的にかなりの数の企業が加入していると想定されます。

今回の調査はあくまでアンケートということで、すぐに実行に移されるという状況ではない様ですが、この様な損金計上に係る保険はこれまでも段階的に規制がかけられており、今後の動向によっては波紋が広がりそうです。

 

ここで、今回問題となっている節税保険の仕組みを簡単に整理してみたいと思います。

 

<主な商品性>

①払込保険料の一部・もしくは全額が損金計上できる→利益圧縮・法人税の負担減

②解約返戻金は80%~100%程度のものがある(解約時期・商品による)

③節税効果により、最終的に手元に多くキャッシュが残る(現状の諸条件に変更がなければ)

④解約返戻金は簿外資産として保険会社へ積立できる  など

 

<商品イメージ図>

※実効税率40%で試算、仮に保険料の1/2を損金計上できる保険であった場合

①保険に加入した場合(5年後)

総払込保険料50,000千円のうち損金算入している25,000千円に対し、

法人税40%(5年間累計税額10,000千円)が課税されなかったものと仮定。

解約返戻金が47,500千円(払込総額50,000千円に対しては元本割れ)であっても、先程の税金分を考慮すると50,000千円以上が手元にのこる計算です。

 

②保険に加入しなかった場合

総払込保険料相当額の50,000千円に対し、毎年40%の法人税負担(5年間累計20,000千円)が発生したと仮定すると、手元には30,000千円残ります。

 

<まとめ>

各保険会社は上記の様な商品性を売りにしていますが、この試算はあくまで

一定の利益水準を保っていること一定の法人税率が継続していくこと

が大前提であることを忘れてはいけません。

 

また、解約時の解約返戻金は益金計上しなければならないケースが多い為、

解約時のことまで考えて契約をすることが重要です。

 

毎年保険料を支払う余力があるのか?

政府の方針もあり法人税率は低下していくのでは?

契約時の節税効果は本当に得られるのか?

 

各種金融商品に関しては、中長期的なメリット・デメリットを自社で正確に把握し、

今後の財務戦略に見合った商品を選択していくことをおすすめします。

 

 

<参考・参照サイト>朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASL6X5HPFL6XULFA035.html

【この記事を書いたコンサルタント】
金融・M&A支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
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