財務トピックス(コンサルタントコラム)

交渉を2倍速にできる融資資料作成セミナーの振り返り

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本コラムでは2月3日、10日に配信された『交渉を2倍速にできる融資資料作成セミナー』の振り返りを行います。

激変する金融市況を理解する

 2020年、コロナによって巨額の融資制度が整備されました。それによって多くの中小企業の資金繰りは不景気にもかかわらず、資金を充実させることができました。しかし副作用として金融機関の収益は悪化し、一方で将来的に返済をしなければいけない、巨額の債務を背負う企業も多くなりました。
 
 結果、金融機関の審査が厳しくなりこれまでの取引ができなくなる可能性や、急激な金融機関の方向転換が起きやすくなっており、十分な注意が必要です。

金融機関へは「資料」を出して語り合うべき

 では、金融機関取引をどのように進めていく必要があるのでしょうか。ここを理解すれば、提出する資料を金融機関が求めるものに変えていくことが需要です。本セミナーでは事例として、(1)財務分析報告書、(2)取引金融機関整理マップ、(3)事業計画書、(4)ビジネスモデル分析書の作成方法を具体的にお伝えしました。

 たとえば、財務分析報告書では、自社の持つ資産価値を正確に把握し、こちらから金融機関に説明することがポイントだとお伝えしました。また、取引金融機関整理マップを作成することで、本当に自社を支えようとしている金融機関はどこなのかを分析することで、意外にメインバンクだと思っていた金融機関が消極的だった事実が発覚する等、注意が必要であることを解説しました。

融資を受けるなら「5つの要素」を忘れない

 実際に資料の準備ができれば、いよいよ金融機関との面談を実施フェーズですが、その際に注意するべきポイントとして、(1)担当者のみではなく決裁権限を持つ人物も面談に同席してもらうこと、(2)できるだけ書面で解答すること、(3)「融資の案件5要素」をもとに条件の判断をすることを解説しました。

 特に面談後には、各行から様々な融資条件が提示されることになりますが、前述の5要素である「金額」「期間」「金利」「担保保証」「条件」をもとに各条件を整理し、どれが自社の目指すべき方向性に合致しているかを判断するべきとお伝えしました。また、面談では、金融機関独自の思考やロジックがあるため、前述の時流も踏まえて面談に挑むこともやはり重要です。

資料だけで金融機関の動きを円滑に?

 では、なぜ口頭ではなく資料を作成する必要があるのでしょう。融資を実行する際には審査があり、様々な人数が関わります。審査の際に証拠となる資料が揃っていれば、実際にその会社に訪問していなくても状況を詳細に知ることができます。

 たとえば、上場企業は株主宛に公開している「IR資料」を読めば、会社のことが誰でも理解できるほど透明性が高いのですが、中小企業は情報がまだらにしか公開されておらず、透明性を高める努力が必要です。また、営業担当者は大変忙しく、情報がきちんと公開されている一部の企業への訪問に注力せざるを得ない傾向があります。

 つまり、訪問してもらえる企業になるためには資料準備が欠かせず、資料が適切であればあるほど条件を改善させられる可能栄も高まるのです。

融資組成マップを頭に入れることで金融機関の思考を理解する

 銀行員が融資の判断をする際には「財務状況が良いか悪いか」を判断し、貸せると判断した際には「金額」「期間」「金利」「担保保証」「条件」をもとに次に案件の判断を行います。

 融資の際はついお金を借りるために、金額やどの程度の金利で借りたい等の案件判断ばかりの話をしてしまいがちですが、ポイントは「いかに自社のそもそもの状態が良いか」ということを説明できるかという点です。金融機関は、いくら融資の案件が良好でも、自社のお腹のなかを説明してくれない企業には融資を出してくれません。ここを「資料」という共通認識をするためのツールを活用することで、上手に理解させる企業こそが、間違いなく今後も生き残り、加速する企業となるはずです。

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