財務トピックス(コンサルタントコラム)

いくらまで投資するのか?出来るのか?~判断軸を持つ~

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皆さん、こんにちは。
いつもメルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
金融・M&A支援部の竹村です。
 

今回は投資判断のポイントについて説明していきたいと思います。

 
色々と投資(設備、店舗、人など)したいけど、いくらまで投資できるのか?
投資に伴う資金調達はいくらまでが適性な金額なのか?
銀行は貸します!借りてください!と言ってくるが
本当に信じて言われるがままに借りてよいのか?
 
投資には資金調達がつきものですが、
自社にとってどの程度までの資金調達が適性なのかを測るためのポイントとはどのようなものでしょうか?
 
一つ目のポイントは
 
償還年数
 
もう一つのポイントは
 
自己資本比率
 
大きくはこの二つのポイントが重要になります。
こちらは銀行の目線で使われる指標でありますが、実際の投資判断としても使える指標でもあります。
 
一つ目の償還年数ですが、こちらは要約すると、現在の借入を現在の利益水準であと何年で返済出来るのかという指標です。
 
この指標は短ければ短いほど良いとされています。
つまりは、現在の借金を早く返せる能力があればあるほど良いということです。
反対に、現在の水準では10年、20年と長期化する場合、要因を説明することが求められます。
なぜ長期化するのか?この要因を説明することが出来れば、問題ないです。
 
投資判断の際には、投資に伴う借入を投資に伴う利益で何年で返済できるかというポイントが重要です。
 
投資に伴う借入 3億円 
投資に伴う利益 5千万円
この場合の投資回収は、3億円÷5千万円=6年
 
ざっくりですが、投資回収は6年ということになります。
もちろん、毎年の利益は変動があるのでここまで上手くいくかどうかの検証は別途必要です。
 
投資回収の目安は一般的には10年以内ですが、投資対象によっては10年を越えるものもあるので、その都度、回収期間をどの程度に設定するかもポイントになります。
 
個別の案件でも検討が必要ですが、会社全体でどうなるのかも常に確認しておきたいポイントです。
なぜなら、その投資が直接的に利益を生まない・生み出しづらい場合、全体の利益でカバーが必要だからです。
この金額の投資であれば、十分に現在の収益でカバーという判断であれば、タイミングをみてすぐにでも投資を実行すべきです。
 
それは、なぜか、、、
 
追い詰められて投資・もしくは何か手を打たないといけないという段階では
「後手」になっているパターンが数多くあるからです。
 
投資のタイミングとしては、
余裕のある時期に先手を打って投資をしていくべきです。

 
二つ目の指標としての自己資本比率はみなさんも耳にされたことはあるかと思います。
簡単に言うと、会社の体力はどれくらいあるのかという指標です。
自己資本比率が高いほど、会社の安全性は高いと言えます。
最低限10%は維持していくことで、資金調達を円滑に行うことが出来ます。
 
投資判断の際には、個別の収益性を見ていくことはもちろんですが、
会社全体として償還年数は問題ない水準か、
自己資本比率は安全圏を維持できるのかという
自社に合わせた指標を持つことが重要になります。
 
優先度は高いが緊急度が低いものこそ、
実は余力があるうちに投資をしていくことが求められます。
今回は投資判断の基準についてお伝えいたしました。
本業以外の投資も会社の成長にとっては必要な要素です。
 
今回のポイントを自社でも確認していただき、
優先度は高いが緊急性が低いとされる実は重要な投資を洗い出してもらえればと思います。
 
執筆者:
金融・M&A支援部 金融・財務グループ
竹村 良太
 

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
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それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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