財務トピックス(コンサルタントコラム)

お金の悩みゼロの社長が「やっていること」TOP5 後半

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船井総合研究所 金融M&A支援部の谷です。
先週コラムに引き続きお金の悩みゼロの社長が「やっていること」TOP5をお伝えいたします。

前回は月次決算を早く締めていることと当座貸越を上手く活用することの重要性を説明しました。

今回は、第3位~第1位を解説していきましょう。

第3位「1年間の資金繰り表を作成している」

第3位は、1年間の資金繰り表を作成している、です。

みなさん、資金繰り表、作成していますか?
ほとんどの経営者は頭の中でやりくりしていたり通帳の残高を見て確認していたり、しているのではないでしょうか?

資金繰り表を作成した方がいい、というのは多くの経営者は一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。
しかし、ほとんどの経営者は資金繰り表を作成せずに、お金のことで悩んでいます。

お金の悩みゼロの社長は、1年間の資金繰り予定表を月次で作成し、毎月実績を更新しています。

資金繰り表を作成している社長はみなさん、「これがないと怖くて経営できない」とおっしゃいます。

資金繰り表なしで経営するというのは、電気をつけずに暗闇を歩くようなもの、スピードメーターなしで車を運転するようなもの、と言う方もいます

電気をつけずに暗闇を歩いていて「暗くて怖い、不安」と言っていたり、暗くて前が見えないせいでものにぶつかって痛がっている人がいれば、みなさんどう思いますか?
「そりゃ怖いしものにぶつかるでしょ」「電気付ければいいじゃないか」と思いませんか?

これと全く同じことが言えます。

資金繰り表を作成することで、先の予定が見えるようになるので、事前に時間をかけて対策を打つことができます。

税金の支払で今月は資金繰りが苦しい、仕入が増える時期と販売が減る時期が重なって今月は資金繰りが苦しい、
これらは資金繰り表を作成していると解決できる悩みです。

また、広告宣伝費をいくらぐらい使っても大丈夫か?この設備投資は借入でした方がいいのか、自己資金でやった方がいいのか、
こういった悩みも資金繰り表を作成していると解決できます。

数字根拠をもった経営判断ができるようになる、ということです。

とはいえ、資金繰り表の作り方が分からない、作れない、という方もいると思います。
完璧な資金繰り表を作る必要はありません。まずは簡易的なもので十分です。

簡単な資金繰り表の作り方はこの船井総研財務コンサルティングドットコムやYouTubeチャンネルでもそのうちお伝えしたいと思います。

第2位「自ら金融機関へ決算説明をしている」

第2位は、自ら金融機関へ決算説明をしている、です。

みなさん、決算書を銀行の担当者に渡すときに、内容の説明をしていますか?
ただ渡しているだけ、聞かれたことには答える、という方も多いのではないでしょうか。
中には経理担当者が対応していて社長はタッチしていない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お金の悩みゼロの社長は、「自ら」「支店長へ」「決算内容の説明」をしています。

なぜかというと、目的は3つあります

1つ目は、自社の状況を正確に把握してもらうため、です

新規事業の立ち上げで費用が先行して発生した年
役員の退職があり退職金が大きく発生した年
地震や台風の影響で集客が大きく落ち込んだ年
来年の出店に備えて在庫を大きく増やした年

このような通常の流れとは異なる事情があった場合、それを銀行が把握せずに決算書の数字だけで審査をされると、本来の評価よりも低く評価されてしまうことがあります。

そうすると融資の条件が悪くなったり、場合によっては融資が出にくくなることもあります。

そういったことが起こらないように、社長が自ら自社の状況を説明するのです。

2つ目は、銀行の審査ポイント、融資姿勢を確認するため

みなさん、金融機関の審査はどこも同じだと思っていませんか?
金融機関によって、見ているポイントや融資姿勢は異なります。
同じ決算書を見ても、評価するポイントや問題視するポイントは異なるのです。

ある金融機関にとっての会社の長所が、他の金融機関にとっては短所であることもあります。
どんどん売上が伸びていることを応援してくれる金融機関もあれば、いったん投資を止めて成長の踊り場と作りませんか?とストップをかける金融機関もあります。

こういった各金融機関のスタンスを知って金融機関とうまく付き合うことで、お金が借入できるかどうか、という悩みをなくしているのです。

3つ目は、支店長と良い関係性を作るため
銀行は全て数字だけで判断しているわけではありません。
審査の現場で、数字上では微妙な状況でも「あの社長なら大丈夫だろう」ということで審査を通っていることもままあります。
支店長としっかりと顔を合わせて良い関係性を作るためには、決算説明をしっかりする、というのは非常に良い手段となります。

決算説明なんてうちみたいな会社にはおおげさだ、と感じる方もいるかもしれません。
しかし、実態は逆です。
小さい会社こそ決算説明をすることで、「あの会社、社長はしっかりしているな」と評価されるのです。

第1位「毎月B/Sをチェックする」

そして第1位は、毎月B/Sをチェックする、です

B/Sとは貸借対照表のことです。

みなさん、試算表のどこを見ていますか?
P/Lの売上や利益は見るけど、B/Sはほとんど見ない、見方もよくわからない、という方も多いのではないでしょうか?

お金の悩みゼロの社長は、P/LよりもむしろB/Sを重視しています。

なぜB/Sを重視するのかというと、B/Sからお金の動きを読むことができるからです。

利益は出ているのに、なぜかお金が貯まらない
という悩みがある社長は、
B/Sをチェックしていない、読めない社長ではないでしょうか

B/Sには、売上や利益に現れないお金の動きが出ます

例えば、お金が減る動きで言いますと、
売上は立っていても入金がまだの場合は、売掛金が増えます
仕入で現金が出ていった場合は、在庫が増えます
仕入の支払をした場合は、買掛金が減ります
税金を払った場合は、税金の預り金や未払金が減ります
借入を返済した場合は、借入金が減ります
設備投資をした場合は、固定資産が増えます
このように売上や利益などP/Lには現れないお金の動きがB/Sを見るとわかります

お金の悩みをなくすには、お金の動きを把握することが重要です
そのためには、B/Sを読めるようになること、B/Sを毎月チェックすること、が必要です

B/Sが読めるようになると、財務の理解が飛躍的に進みます
経営判断や投資判断がしやすくなります

普段、B/Sをチェックしていない方はぜひ確認してみてはいかがでしょうか

ということでいかがだったでしょうか。
今回は、お金の悩みゼロの社長が「やっていること」TOP5をお伝えしました。

最後に簡単に復習しましょう
5位 月次決算を10日以内に締めている
4位 当座貸越を上手に活用している
3位 1年間の資金繰り表を作成している
2位 自ら金融機関へ決算説明をしている
1位 毎月B/Sをチェックしている

みなさんのお金の悩みをゼロに近づけるため、ぜひ実践してみてください。
経営者のみなさんのお役に少しでも立てば嬉しいです。

財務チャンネル【船井総研】を開設しました!

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これまで弊社が様々な中小企業の財務支援を行ってきた経験を活かして、より実践的な財務事例をお伝えいたします。

財務を通じて中小企業のさらなる発展に貢献できればと考えております。

◎YouTube「財務チャンネル【船井総研】」はこちらから

【この記事を書いたコンサルタント】
谷 翔太

大学卒業後、地方銀行に入社。銀行では5年間勤務し、中小企業を対象に法人営業を経験。
船井総合研究所に入社後、企業の成長を財務面からサポートし、企業のステージに合わせた最適な財務提案が経営者から高く評価されている。
近年は、資金調達や金融機関対策の支援だけでなく、財務管理体制の構築の支援にも注力している。

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