財務トピックス(コンサルタントコラム)

財務諸表に表れる投資効果と表れない投資効果

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決算期が終わり、2か月が過ぎた頃、金融機関の方に決算書の提出お願いを受けるケースは皆様よくご経験されるかと思います。

金融機関では、決算書を見るときにどのようなところに注目しているでしょうか。

まず、企業が財務活動を通して資金の調達、運用、管理を行う中で、その結果が財務諸表(B/S、P/L)に表れています。
中でも金融機関では、B/Sをメインに企業の評価を行っている所が多くなっています。
それは、財務諸表の中でもB/Sが企業活動の「投資や、お金の流れ」を見るのに適しているからです。

たとえば、営業車の購入を行えば、車両運搬具の科目にその記録は行われますし、店舗の出店に伴い、土地、建物の取得を行えばそれば、B/Sのそれらの科目に記載されます。
その原資が現金であれば、現金科目が減少しそれと同額が先ほどの例で言えば、土地、建物の科目に振替えられます。
このように資産がどのように運用されたかをバランスシートの資産の部を複数年度分並べて眺めることで確認が出来ます。

金融機関がB/Sを意識しているのはここの変化(経営資源をどう分配しているか)を確認することが出来るためです。

では、投資や経営の結果は全てがこのB/Sに表れるか、と言えばそうではありません。
例えば、人への投資。
労働集約型の産業であれば、人員を増やすことが直接的に売上向上につながってきます。
そうであれば採用人数の増加は、単なる人件費の増加ではなく、その人員の「戦力化までの投資」というように考えることが出来ます。

一方で、地代家賃という科目もこのような考え方が出来ます。
駅前好立地に出店するということは、一見地代家賃の増加がP/Lに表れるというだけのことに見えます。
しかし、例えばこれを実行したことによる立地効果でのブランディング効果をどのように捉えるか。
そして、例えばこの立地に大型ディスプレイの設置、広告機能を持たせることで収益を発生させるものにすると、これは投資と呼ぶことが出来るものと考えることが出来るのではないでしょうか。

そもそも投資とは、「将来に資本を増加させるために投下する資本と定義できます。

その中で、財務諸表内で投資と判断されるものは、主に減価償却を実施できるもの、つまり固定資産だけです。

皆様の会社の中で、このような「財務諸表に表れない投資」はどれだけ存在しているでしょうか。

そこについて整理して、金融機関への説明が実施できれば、審査の際にそれらの科目を費用ではなく投資としてみなしてもらうことで、資金の調達に良い影響を与えることが可能になった事例も複数あります。

そのような解説を出来るように、投資について再度検討されることをお勧め致します。

【この記事を書いたコンサルタント】
石田 知大

関西学院大学出身。法学部を3年飛び級で卒業後、同経済学部へ編入、財政・金融システムを専攻。
卒業後は船井総合研究所に入社。
異業種からの新規参入、調査分析に関するコンサルティングに関わり、現在は財務診断・改善の提案や成長のための事業計画、財務管理体制の構築といったコンサルティングテーマに従事している。
現場に入り込んでの実態に即した実務の改善や、誰にでもできる仕組み作りの提案などに重点的に取り組む。

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