財務トピックス(コンサルタントコラム)

3月度キャッシュフロー経営フォーラムの振り返り

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はじめに

3月のキャッシュフロー経営フォーラムにご参加いただいた皆様、大変ありがとうございました。

さて3月のフォーラムでは経営判断に役立つ財務分析手法をテーマに情報交換会を含めた3講座をお送りしました。今回は情報交換会を除く2講座の要点を振り返りたいと思います。

中小企業版IRを作成することの意味

中小企業がIR資料を作成して情報公開することは昨今のコロナ市況において重要です。なぜなら、コロナの影響によって多くの企業が赤字になっており、金融機関としてはその赤字は一過性なのか慢性的なのかは重要な情報になるからです。また、その逆もあり黒字であれば、なぜ昨今のコロナの影響があっても黒字を保つことができたのか説明することが今後必要な情報開示になります。

そして、中小企業IRは決算の2期比較をしたうえでなぜ数字が変動したのかの要因を記載していく方法で作ります。例えば、固定資産が増えているのであれば、どのような理由で投資をしたのかや人件費が増えているのであれば、何のために何人の従業員を雇ったのかなど数字では表すことのできない情報を開示していきます。

さらに、借入についての情報も記載しておきます。昨今のコロナ融資によって借入を増やしている企業が多いかとは思いますが、それをどのように活用しているのかを説明することも必要です。また、借入一覧を作成して各銀行の借入条件を精査することで、どの金融機関が最も自社を支えようとしているのかは把握しておくことが危機を乗り切る方法になります。

棚卸資産の価値を示す

金融機関からの格付けの評価を上げることは、昨今のコロナ禍では喫緊の財務課題になります。なぜなら、コロナの影響で金融機関も優良先への貸付に注力しているからです。そのため、金融機関からの財務的な評価を上げる必要がありますが、そのための方法として棚卸資産の価値を証明する方法があります。そもそも金融機関は決算書をもらい資産性がない棚卸資産があれば減算して評価します。なので、保有している在庫を1年以上保有していたり、在庫がどんどん増えている場合は、要注意です。もし、資産性があり販売が可能であるのであれば、それを補足資料として説明することで減算されることを避けることができます。

このようにコロナ下では金融環境も大きく変わっていることから、今までは行っていなかった取り組みを着々と行っていくことが、自社の財務状況を良くするきっかけになります。今回は自社を知ることで外部に情報を発信するために財務分析をテーマにしましたが、当フォーラムでは様々なテーマを扱う予定です。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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