財務トピックス(コンサルタントコラム)

【特典付】経営者保証とどう付き合う?事業拡大のためのチェックシート

貴社は経営者保証を使うべき企業か。キーワードは偉人の「あの言葉」にあった!

 
「社長、それではこの約定書に、サインと実印の押捺をお願いします」。
 
金融機関と付き合いしている企業なら、融資の際に銀行員と相対し、借用証書(金銭消費貸借約定書)にサイン・押捺…といった場面に遭遇することは、珍しくはないでしょう。
何となく言われるがままに行っているこの慣習こそ、いま企業の事業承継を妨げる問題となっている「経営者保証の差入れ」の瞬間です。
経営者保証とは企業が融資を受ける際、支配者たる人が連帯責任でその弁済を保証する仕組みのことです。
上場企業のように、株式市場からの直接調達という強い調達力や信用力を持たない中小企業は、仕組みを使って社長の信用力を使い、円滑に資金調達を実現するのです。
 
一方、
 
・日々運営するだけでも数億円の融資、経営者保証差入れが必要だ…
・後継者に、同額の経営者保証を引き継いでくれと言い出しにくい…
・長年経営するうちに今いくら保証額がかかっているか、分からなくなっている…
・金融機関とは今後もうまく付き合いたいので、あまり強く保証を解除してくれと言い出せない…
・大型設備投資を考えているが、今よりさらに大きい額の保証を背負うのは辛い…

 
といった悩みも多く、特に成長局面・承継等の転換期に足かせとなってしまう場合もあります。
調達の円滑化という光の側面と、経営の障壁という闇の側面を抱える経営者保証。
自社の場合、果たしてどのように付き合いするのが最適か。
今回は200以上の企業の現場でコンサルティング実績がある弊社が編集した「【特典】担保保証解除に係るチェックシート」も参考に、その答えを考えます。
 

国を挙げて整理に取り組む「経営者保証」の実態

皆様は、経営者保証付きの融資が、5年以上前から当たり前でなくなっているという事実をご存知でしょうか。
最初に挙げたデメリットの通り、経営者保証にはメリットも存在するものの、一方であまりに厳しい足かせとなってしまっている場合も多く、金融機関の元締めである金融庁、国家も前向きにこの現状を解消しようと動いている背景があります。
 
【資料1】全国銀行協会「経営者保証に関するガイドライン」
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/guideline.pdf
(2019年11月18日時点・全国銀行協会ホームページより引用)
 
【資料2】「中小後継者、個人保証なしで=事業承継を促進-政府」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019053101224&g=eco
(2019年5月31日・時事ドットコムニュースより引用)
 
上記【資料1】の「経営者保証に関するガイドライン」は編纂が平成25年(2013年)12月のことであり、条件を満たす中小企業には、金融機関が柔軟に経営者保証なしで融資を行うべきことが明記されました。
また最近のニュースでも、安倍首相が「個人保証脱却・政策パッケージ」と称して、政府系金融機関の商工中金の融資では、原則経営者保証を求めない仕組みを整えると発表しています。
時代は令和、中小企業もいよいよ事業承継ラッシュを迎える今、トップダウンで経営者保証が抱える問題が解決されようとしています。
一方、施策を現場レベルで実行するべき金融機関の状況はどうでしょうか。
 
【資料3】中小企業庁「政府系金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績」https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/2019/190628keiei01.pdf
(2019年11月18日時点・中小企業庁ホームページより引用)
 
上記資料の通り、取組開始~2019年3月までの「政府系金融機関での新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合」は未だ30%程度であり、実は10人に7人の経営者は依然として保証を抱えているとも言い換えることができます。つまり企業の活性化、ひいては日本経済の再興を目指したい国の意向とは裏腹に、まだまだ現場レベルでは取り組みが浸透しているとは言えない状況にあります。
 

金融機関の厳しい採算環境も影響?

なぜ、金融機関の上部組織である金融庁、国家がここまで明確に経営者保証に関して柔軟であるべき、と断言しているにも関わらず、そう簡単に経営者保証の仕組みがなくならないのか。
これには、近年のマイナス金利に始まる国内低金利の影響で発生した「金融機関の採算悪化」も1つの原因となっています。
 
【資料4】「3メガバンク、3年ぶり減益 4~9月、収益力低下」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51911580X01C19A1MM8000/
(2019年11月7日・日本経済新聞電子版より引用)
 
金融機関は本来、融資・為替・預金という3大業務をベースに、間接金融の仕組みを使って企業の資金繰りを円滑にする代わりに、金利収益で儲ける組織でした。しかし近年の不況に伴うマイナス金利政策、および設備投資などの需要低下に伴い市場が「空前のカネ余り」になり、お金があっても投資先がない現在、たとえ金融機関が数千万円のお金を融資してリスクを取っても、期間当たり収益が1百万円にも至らないような「超薄利」のビジネスモデルに変容してしまいました。
 
端的に言えば「貸出リスクに見合った収益が得られず、採算面でお金を貸す意味がなくなってきている」ということです。上記記事の通り、日本で最も大きな金融機関である3メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)ですら収益低下にあえぐ状況ですから、中小企業をメインに付き合いをしている中小規模の地方銀行・信用金庫・信用組合にとっては、なお厳しい状況だと言えるでしょう。
 
そこで、金利収益ではとても固定費を賄えない金融機関は現在、
 
・私募債、デリバティブ商品というフロー収益が得られる金融スキーム
・関連会社の金融サービス(クレジットカード、リース、人材ビジネス)活用による収益
・企業ではなく、そのオーナーに対する保険商品等の販売手数料収益
 
という、本来の間接金融業務以外のところでフロー収益を得る手法が注力されており、特に3メガバンクの中では、既に地方拠点の閉鎖、営業エリアの縮小、中小・零細企業との実質的な取引縮小、ロットの大きな大企業取引・海外取引へのシフトが起きています。
 
つまり、一部の金融機関はすでに「リスクに見合った収益が得られないなら、やらない」という方針に舵を切っており、金融機関の融資リスクをカバーする役割を果たす経営者保証を解除してほしいという申し出は、以前よりも受け入れにくい環境になってしまっているのです。
 
社会の公共の利益を優先する政府系金融機関ならまだしも、営利企業として株主への利益還元が求められる民間金融機関にとって、これはまさに上部組織(国・金融庁)とエンドユーザー(中小企業)に板挟みにされている、ジレンマと言える事態でしょう。
我々に相対する金融機関も、ちょうど激変の真っただ中におり、決して悪者とは言えない状況にあるのです。
 

いかにして保証と付き合う? 自社の精査が打開の一歩

金融機関が激変し、5年以上前から国が進めたがっている経営者保証に対する取り組みは、まだまだ終わりがないように見える現在。では中小企業経営者は、こうした金融時流をしっかりと踏まえたうえで、いかにして経営者保証との付き合いを考えるべきでしょうか。
答えはベタですが、孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の言葉にも集約されるとおり、金融機関の時流を知ったら、次は自社の財務状況(決算書・試算表)を熟知しておく必要があるでしょう。
 
金融機関は、融資先のことを直近3期分の決算書の内容から分析し、融資可否、どの程度の採算目線で付き合いするか、経営者保証の必要性等までも判断します。
また、決算書は年1回だけの資料のため、決算から数ヶ月経過している企業を判断する際には、資金繰り表や試算表、在庫の一覧表などを追加的に回収することで判断をしています。
つまり、自社もまた目線を金融機関サイドに合わせ、決算書・試算表・資金繰り表等を丁寧に説明できれば、相手の理解度も向上し「自社が相手にとって、どこが不足し、何が課題となっているのか」という共通認識も得られるということです。
 
もちろん、金融機関審査の裏の裏まで知り尽くす必要はありません。
ただ、金融機関と定期的に膝を突き合わせて情報を「金融機関の分かりやすい言語」で開示し、どのような展望で付き合いすべきかと歩み寄ることは、結果的に互いの取引しやすいWIN-WINの環境を醸成することにつながります。
 
そのためにもやはり、

①自社の過去3期分の決算書(特に貸借対照表、損益計算書)の推移を把握し、原因を説明できる
(≒「経営者保証なし」でも取引できる状況に、自社の財務状況を整える)
 
②経営者保証に依存した取引ではなく、商取引の流れを明らかにし、銀行と膝を突き合わせて共通認識を持つ
 
③金融機関にとって、自社のどんな取り組みが好感を得られるのかを知っておく

ということに、取り組んでみてはいかがでしょうか。
 
ブラックボックスとなって見えてこなかった様々な取引改善への道が、晴れやかに見えてくるかもしれません。
 

「担保保証解除に係るチェックシート」で確認しよう

今回は経営者保証に関する問題を解決するにあたっては、現在の金融機関が直面している時流も理解し、一方で自社の内容を決算書ベースでしっかり理解する「彼を知り己を知る」スタイルこそが大切だという話をしてきました。
そうはいっても、ときには取引している金融機関があまり明確に展望を示してくれなかったり、自社で勉強しようとしても、なかなか適切な教材が売っていなかったりする場合もあるでしょう。
 
今回はこうした皆様に対し、船井総合研究所が200以上の財務コンサルティングの現場から経験してきた事例に基づいて編集した「担保保証解除に係るチェックシート」を、最後まで読んでくださった皆様にプレゼントします。
ダウンロードは以下のリンク先より行ってください。
 
▼▼<特典>「担保保証解除に係るチェックシート」▼▼
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/funai-finance/reportdownload.html

当該シートが少しでも今後の金融取引のお役に立つことを、コンサルタント一同願っております。
 
(執筆者=金融・M&A支援部 片山孝章)
 

【この記事を書いたコンサルタント】
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