脱P/L主義。脱感覚経営。成長を実現する財務戦略・資金調達(1)
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経営者に付きまとうお金の悩みとは
経営者の悩みのひとつに「お金」にまつわる問題があるかと思います。
「資金繰り」や「資金調達」など企業によって悩みはさまざまですが、多くの場合、共通する原因があります。
それは、「P/L主義」や「感覚経営」、「どんぶり勘定」という経営の要素が大きく関係しています。
中小企業の経営者が経営で意識するポイントはP/Lが中心になっていると思います。
P/Lの中でも特に売上に意識が集中している経営者がほとんどです。
その最たる例として、企業のホームページを見ていると、売上〇億円とわざわざ記載されていることも多く見受けられます。
数年の売上推移を記載して、伸びている企業ですとアピールすることもあります。
果たして、売上は会社を評価する上で一番重要な要素なのでしょうか。
売上が大きい企業はそれだけ実力のある企業でしょうか。
もしくは、売上だけではなく、利益を上げる企業であれば良いのでしょうか。
売上を上げることも、利益を上げることも、もちろん重要な要素ではあります。
しかし、それ自体は手段や結果であって会社の目的ではありません。
中小企業の経営者が経営で意識するポイントはP/Lという考えの答えは、必ずしもYesではないと思います。
では、会社の本来の目的とはどのようなことでしょうか。
企業は経営理念や経営ビジョンを実現するために企業活動を行っており、経営そのものを永続することが求められています。
しかし、残念ながら売上〇億円を達成するために、という意識は大きく、事業が拡大するにつれ、当初の想いや理想が徐々に薄れ、売上やP/Lに意識が集中しすぎている事象はよく見受けられます。
大企業であっても、売上に囚われて四半期末には無理なかさ上げをして苦しんでいたという事例も見られます。
中小企業にとっても「売上」という意識は経営に大きな影響を与えるものとして存在します。
売上や利益に囚われるあまり、短期的な経営になっていないでしょうか。
成長を急ぐあまりに投資を進めたものの、投資に見合った売上や利益が出ていない。
会社の成長スピードに人がついてこられないといった事象は出てきていないでしょうか。
永続的な成長を実現する企業は、B/S(バランスシート)やCF(キャッシュフロー)の考えをしっかりと実現している企業が多くあります。
脱P/L主義、脱感覚経営を実践すると企業が次のステージへ大きく飛躍するチャンスとなります。
企業の存在目的を再度明確にし、そのためには何をすべきか、企業価値を向上させるためにどのような財務戦略を描く必要があるのか、を考えることが重要になります。
そのなかで、企業の成長スピードを緩めることなく、加速させていくためには、「P/L」だけではなく、「B/S」や「CF」への理解が必然となってきます。
今回、本コラムでは、「脱P/L主義」と「脱感覚経営」の部分について特に説明していきたいと思います。
B/Sの重要性に関しては、弊社主催のB/S経営フォーラムを参考にしていただければと思います
(https://www.funai-finance.com/bs_study)。
次回は企業の成長スピードを加速させるために重要な「キャッシュフロー経営とは」何かについてご紹介します。
次回の内容はこちらから
船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。