財務トピックス(コンサルタントコラム)

◤財務分析手法のポイントを徹底解説!◢

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経営者の皆様は自社の財務状況を正しく把握できていますでしょうか?
新型コロナウイルスの影響で金融機関の収益環境は悪化し、貸し手と借り手が今まで通りのやり方では融資を検討しづらくなっています。また、金融機関の傾向として、採算を良くするべく審査を厳しくし最優良企業への融資に注力するため従来の資金調達が困難になってきています。そこで、自社の財務状況を的確に把握し課題を解決することで、内部体制を強化し財務の良い優良企業を目指していくことが今後採るべき戦略となってきます。今回は、自社の財務状況を的確に把握する上で欠かせない財務分析の手法について解説を行っていきます。

基本的な財務分析のポイント解説

■財務分析のポイント
財務分析のポイントは主に3つあります。
ポイント①:財務分析は数字だけを見るのではなく比率を見る必要があり、
財務分析の基本は比率の分析である。
ポイント➁:分析をする際は、比較分析を行う。
業界平均値との乖離や決算であれば過去の数値と比較する。
ポイント③:財務を細分化することで原因を特定することができる。
部門ごとや因数分解を実施することで見えてくる課題がある。

■決算2期比較のポイント
次に、決算レビューについてご紹介します。
決算レビューは、実際に金融機関へ提出し説明する際に用いられ、自社を理解する上でも非常に重要になっております。
決算レビューは主に3つに分けて分類することができます。まず、1つ目は1年間の成績である損益計算書です。ここでは、前期との比較をしてなぜこのようになったのか要因を探ることがポイントになってきます。例えば、赤字であった場合に一過性のものかどうか、黒字であればその要因は何か理解することに注力します。2つ目は、貸借対照表になり、これは損益計算書をもとに1年間の経営活動の結果を表しています。
ポイントとしては、1年間の経営の結果、資産やその他の財務指標にはどのような影響を及ぼしたの確認しておくことが財務分析では重要となっています。
また、上記で挙げた財務分析の3つのポイントを意識して分析することで、的確に自社の財務状況を理解することにつながります。

おさえておきたい分析手法のポイント解説

■格付け
格付けとは、銀行が融資を行うか否か判断する際の基準のことであり、決算書の分析結果に基づく定量的評価・経営者の姿勢や経営方針に関する定性的評価の2種類の評価で決められます。特に定量的評価は非常に判断する際に重視される箇所であり、財務指標をもとに評価が決まってきます。格付けの基準は非公表ですが、一般的には10~11種類に振り分けられることが多いです。
業績の良い企業と格付けされる正常先を目指していくことがポイントとなってきますし、その中でも上の格付けを目指していくことが銀行の格付けにおいて重要となってきます。
加えて、実際に格付を算定される際に重要となってくる財務指標が主に3つあります。
①債務償還年数:10年以内
=(総借入額-経常運転資金)÷CF(キャッシュフロー)
➁借入依存度:60%以下
=総借入額÷総資産
③自己資本比率:10%以上
=総資産額÷総資産
この3つの指標を達成していくことで、銀行からより上の格付けへと評価されていくようになります。

■借入の分析について
次に借入の分析について解説します。
財務状況の確認に続き、各金融機関との融資取引を分析することで、今後の取引傾向・融資拡大ができるかどうかの可能性を分析できます。
分析の仕方としては、以下の通り金融機関ごとに短期借入金や長期借入金など借入状況を一覧化してシェアを出していくという手法を取ります。これにより、借り入れ条件を精査できるとともに本当のメインバンクを見つけることができます。

最後に、資金繰りの分析に関して解説します。損益計算書は発生主義が原則となってきますので、実際の現金の収支を分析して現金の流れを把握しておく必要があります。
分析ポイントとしては基本的に4つあり、それぞれ確認していく必要があります。
・営業CFを確認し営業活動でどのように現金が生まれているか
・投資や借入金の返済の資金源は何か
・最終的な資金の増減は過去と比べてどうなっているか
・フリーキャッシュフロー(企業が自由に使えるお金のこと)はどのくらいあるか

ここまで財務分析のポイントを中心に解説してきました。
まとめとして、全てにおいて共通して重要となってくるポイントは以下の3つになってきます。
①財務分析の基本は比率の分析である
②業界平均値や決算書の過去の数値と比較分析を行う
③財務を細分化・因数分解して原因を特定する
この3つを押さえて借入や資金繰りなどを分析することで、企業のお金の流れや経営状態を確認し、今後どうなるか・どうするべきかの予測を有利に立てることができます。
また、財務分析にはさまざまな分類や指標があるので、チェックする際にはそれぞれの意味や違いをしっかり把握しておきましょう。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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