◤成長企業が実践する財務戦略◢
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企業を取り巻く環境が変化し続ける中で、持続的に成長していくためには自社の財務状況をリアルタイムで把握し、早期に次の施策へ移行することが重要となります。
自社の現在・将来の財務状況を把握する方法をご存知でしょうか?
本記事では、財務力の高い会社へ変貌するために必要な財務管理について紹介させていただきます。
まず取り組むべき!財務管理の4ステップ
【財務管理の4ステップ】
◆ステップ①資金繰り管理(実績・予実)
まず、財務管理の第一歩目は自社の資金繰りの実績・予測管理を行います。
ここで重要なのは、予測の管理です。精度の高い資金繰り予測を立てられるようになることで、経営を進めていく上で必要となる将来の資金調達に備えることができます。
▷手順
1.資金繰り計画表の作成(決算ベースの1年間の月次資金繰り表を作成)
2.毎月の実績確認
▷ポイント
毎月実績計画を行うことで、期中から来期以降の資金繰り計画の精度が向上します。
また、資金ニーズのある月を可視化することができ、事前に資金調達の予測が可能となります。
◆ステップ②PL・資金繰り予実管理(月次)
財務管理レベル2では、損益計算書(PL)と資金繰りの予実管理を行います。
▷手順
1.PL・資金繰り計画の作成
2.毎月の予実管理
▷ポイント
計画値に対してどの項目がどれほど増減しているのかを把握することで、期中に要因を解決する次のアクションを練り、来期の期首から実施できます。
◆ステップ③KPI数値を考慮したPL・資金繰り予実管理
レベル3では、レベル2のPL・資金繰り管理に加えてPLの売上数値をより細分化したKPI数値の管理を行います。(こちらのKPIは、業種ごとに異なるものとなっています。)
▷手順
1.自社の業種で必要な数値の把握
2.手順1の数値管理を財務管理へ反映させる
3.レベル2同様、毎月予実管理を実施
4.現場レベルのアクションプランを検討し、実行する
▷ポイント
自社に必要な数値を把握して下記2点を行うことで、現場で管理されている数値の把握を早期化でき、実績数値管理の精度を向上できます。①案件ごとの採算管理数値をPLへ反映②入金・支払い状況を資金繰りへ反映する手順2にて現場の数値を集約することで、要因分析の際に現場レベルのアクションプランを検討することが可能となります。
◆ステップ④BS予実管理
レベル4では、レベル3までのPL・資金繰り計画と同様にBS計画を作成いたします。
▷手順
1.貸借対照表(BS)計画の作成
2.毎月予実管理
▷ポイント
BS計画に加えて、財務指標の見える化を行うことで、①今の状況でどれ程投資可能か②着地時点で財務体質を良化するためには何をすべきかといった投資判断軸を作成可能です。
財務力アップを実現!成功企業の事例紹介
実際に上記の取組みを実施されたことで、経常利益が前年比12倍に改善された事例もございます。
年商10億円で介護・福祉業のA社様は、どんぶり勘定で経営判断をしており、資金繰りは不安定の状況が続いていました。
上記の①~④のステップで、自社の財務数値を把握し適時適切に投資判断ができるようになったほか、現場レベルの取組に落とし込みPDCAを回すことで、結果として3年で経常利益が前年比12倍を実現することができたのです。
本日は、財務力を上げる「財務管理」を4つのステップでご紹介しました。
財務管理に実施で、自社の財務数値・社内数値を集約して経営判断を行うことができる上に、自社にとって最適な借入状況を作る材料にもなります。
PL・BS・資金繰りなどの財務管理を1から実施するとなると、多大な時間と知識が必要となります。
まずは、ステップ①の資金繰り管理に取り組んでいただき、自社の財務管理体制を構築するきっかけとしていただければと思います。
船井総合研究所では、業種・売上規模ごとに最適な財務管理を実現するサポートを行っております。
持続的な企業成長には財務管理体制の構築が不可欠です。本記事が皆様の企業経営の一助となれば幸いでございます。

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。