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財務の基礎知識

紙伝票の注意点、なぜ非効率的で生産性が落ちるのか解説します

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紙伝票といえば非効率的といわれる存在。しかしながら、欠点は理解していても、書類作成をいかにしてい切り替えていくべきか、そもそもメリットや効率性の問題についても掘り下げがあまいことも。紙伝票のデジタル化がもたらすコスト削減や効率化のメリットなど、業務改善のためのポイントを解説していきます。

1. 紙伝票とは何か

紙伝票とは、取引先や内部で行われる業務の過程を記録する一種の書類です。一般的に販売や買付、生産、輸送など様々な業務を行う際に作成し、その過程や結果を記録することにより、企業の業績を把握し、業績を改善するための指標作成に役立てることができます。紙伝票は明確な記録を残すための重要なツールで、管理者にとっては情報の把握、業務の進行状況の確認、正確な報告の作成のために欠かせない存在となっています。ただ、紙伝票自体に保存性はあるものの、相互に数値が連動するものではなく、事業年数に応じてチェックや管理コスト、処理コストが膨大になりがちです。

1.1. 紙伝票の基本的な形態

紙伝票の形式は、使用する業務や業界、企業の規模により様々ですが、一般的には伝票番号、日付、品目、数量、金額等の情報が記載されます。また、伝票の種類に応じて記載内容も異なり、例えば出荷伝票には出荷先や運送会社の情報、注文伝票には注文内容や納期の情報などが含まれます。紙伝票は手書きで記入されることが多いですが、印刷機を使用して印刷するケースもあります。それらは、保存や管理、記録のためにファイルやバインダーに掲示されることが一般的な使われ方です。

また、紙伝票の完了報告を軸に請求書などを発行していきます。

1.2. 紙伝票の主要な用途

紙伝票は業務遂行の記録をとるため主要な用途として使用されます。取引や注文の記録、仕入れや在庫の管理、経理や請求など財務業務の遂行、出荷や配送のスケジュール管理など、企業のあらゆる業務で利用されます。また、企業内で情報を共有するツールとしても紙伝票は有効で、各部署間の連絡や手順の確認、業務遂行の状況把握などにも活用されます。紙伝票は手軽に記録をとることができるツールであり、即時性と明確性を保つ便利な手段です。

1.3. 紙伝票の欠点とは

一方で、紙伝票を使用することにはいくつかの欠点も存在します。まず最大の欠点はデータの入力と管理の労力です。すべてを手書きで記入し管理するため、時間と人手を必要とし、ミスのリスクも高まります。また、紙伝票はスペースを取るため、保管場所を確保するのが難しいことも欠点となります。さらに、紙伝票は一部が失われた場合、情報の損失は避けられません。このように、紙伝票は便利な一方で、非効率性やリスクも伴うのです。

2. 書類作成時に使われる紙伝票

書類作成時に使われる紙伝票とは、文字通り手書きで記入する伝票のことを指します。日々のビジネスシーンでは請求書や注文書、領収書など、様々な書類の発行に紙伝票が使用されます。しかし、近年では紙ベースの作業からデジタル化へと大きく流れが変わりつつあります。それでも一部の企業や、規模の小さな商店等では伝統的にこの紙伝票が今もなお頻繁に使われています。今回はその紙伝票について、その特性や注意点、そして非効率さについて詳しくみていきましょう。

2.1. 請求書の紙伝票はなぜ廃止にむかっているのか

請求書の紙伝票が廃止に向かっている理由はいくつかあります。まず一つ目は時間の非効率さです。紙伝票だと会計業務に多くの時間を要し、またヒューマンエラーのリスクも高まります。さらには保管や管理、データ入力など、一連の流れにも時間がかかります。次に、コストの問題です。紙伝票の発行や保管にもコストがかかり、それが企業の利益を圧迫します。そして最後に、環境問題も大きな要因となります。紙を使わずに済むデジタル化は地球環境に優しく、これからの時代に適した方法とされているからです。

2.2. 注文書の紙伝票はいかにしてデジタル化すべきか

注文書の紙伝票もデジタル化が推奨されています。まずは紙伝票から始めて、徐々にデジタル化へと移行しましょう。最初から全てデジタル化するのではなく、まずは部分的なデジタル化を進めて、従業員の慣れを待ちます。次に、デジタルっツールの選定を行い、社内の業務フローに合った効率的なものを選びます。その後、全体の業務フローを見直し、デジタル化により変わる業務の流れを整理します。そして最後に、従業員への研修を徹底して、誤解や間違いを最小限にとどめるようにします。

2.3. 既存の紙伝票を使った書類管理

既存の紙伝票を使った書類管理は、面倒な作業の一つです。紙の書類は保管場所を必要とし、またそれぞれの書類を正確に分類し管理することも大切となります。一度紛失してしまったり、管理が乱れてしまうと再出力する手間や時間が必要となります。また時間が経ってからの書類の検索も大変でしょう。紙伝票をデジタル化することでこれらの問題を解消できます。デジタル化されたデータはクラウド上で一元管理され、必要なタイミングでいつでも確認することができます。このように、デジタル化は書類管理を効率化するための最善の手段と言えるでしょう。

3. 紙伝票へのシフトのコツ

紙伝票へシフトする際には、幾つかの要点を心に留めることが必要です。まず、一番の鍵は計画的に進めることです。無計画に進めてしまうと、重要なプロセスを見落とし、結果的には無駄な労力を使ってしまうことになるかもしれません。シフトするソフトウェアの選定や設定、そして社員への研修など、段階を逸することなく着実に進めて参りましょう。また、新たなシステムへの適応力を有している人を選んで、プロジェクトリーダーに任命することも大切です。困難が出てきたら、適応力と柔軟性をもって解決していきましょう。

3.1. ヒューマンエラーを防ぐためのコツ

次にヒューマンエラーを防ぐためのコツについて説明いたします。まず、一点一点注意深く伝票を入力することが必要です。また、確認回数を増やし、漏れや誤りがないか再度見直すことが重要です。何度も確認することで、ミスが大きな問題になる前に対処することができます。特に、数値入力の場合、桁のズレを起こしてしまっていることが多々ありますので、注意が必要です。このようなミスは、ボタンひとつ押すだけで大きなエラーにつながる恐れがあるからです。さらに、紙伝票のシフトでは、人間が関わるプロセスが多数あるため、時間を確保し、焦らず慎重に行うことが求められます。

3.2. データ入力の際の注意点

データ入力の際には注意が必要です。まず、ここでも再度確認することの重要性を強調したいと思います。また、データ入力の仕組みを理解し、システム中のどの場所に何を入力するのかを広く把握することが必要です。そして、自動化やシステム化を利用することも大切です。特に、ルーチン作業の自動化は、仕事の効率化に大いに役立ちます。データ入力については俗人化せずに、ルールを設計し、それを全員が理解していることを確認することも大切です。

3.3. 請求書や注文書の作成時のポイント

請求書や注文書などを作成する際には、細部にまで注意を払うことが求められます。数量、品名、単価、合計金額など、間違いがないか具体的に確認しましょう。得意先名や日付も正しく記入されていることを確認してください。また、請求書と注文書が一致しているかも見直してみましょう。そして、最後に全体を通して見直し、何かおかしい箇所がないかチェックすることが大切です。繰り返しますが、このような作業でも再確認作業は欠かせません。一度のミスが大きな問題を引き起こす可能性があるからです。以上のポイントを押さえ、しっかりと請求書や注文書をつくりましょう。

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4. 紙伝票作成が非効率な理由

紙伝票に依存している企業は多く、これには様々な理由があります。しかし、それにはいくつかの問題点がございまして、特に作成する過程において非効率になる部分を把握し、改善を検討していくことが重要となります。

4.1. データ入力時の課題

紙伝票の最大の課題は、データ入力の手間と時間です。全ての情報を手書きによって記載する必要があるため、大量の紙伝票を作成するビジネスでは、その作業量はかなりのものとなります。また、手書きのため誤字脱字や筆跡の問題もあり、データの精度が低下することもあります。さらに、紙伝票に記載するデータは往々にして複数の人間が共有する情報であるため、そのデータを他部門や他拠点と共有すること自体が容易ではありません。情報の齟齬や誤解を生む原因となることもあるのです。

4.2. 書類管理における問題点

紙伝票を活用するうえでのもう一つの大きな問題は、書類管理です。紙ベースの書類は物理的なスペースを必要とし、保管場所の確保や書類の整理、保管といった追加の作業とコストが発生します。また、資料の探し出しや再利用も手間がかかります。さらに、紙であるために水や火災などのリスクから保護する必要も出てきます。これらは、紙伝票の管理における重要な課題でしょう。

4.3. 会計作業中の困難さ

会計作業時においても、紙伝票は様々なコストを発生させます。紙伝票に記載された内容をデータ化するため、二度手間が生じやすいです。また、誤記入や重複記入などによるエラーを発見するためには、人間が目視でチェック・訂正しなければなりません。これにより作業量が増え、作業時間も伸びてしまいがちです。見過ごしや間違いがあっても、後からそれを把握するのは困難です。これらの問題は、人間が直面するストレスとなり、作業効率を低下させる原因となります。

5. 業務改善のためのデジタル化

デジタルという言葉をよく耳にするようになりました。デジタル化がすすむとなんだか未来を感じますが、業務的な視点から見ると、デジタル化は欠かせない存在となっています。作業効率化からコスト削減、ミスの低減など多くのメリットがあるからです。デジタル化することで業務に大きな変化をもたらすことが可能です。しかし、いくらデジタル化が進んでもそのメリットを理解しきれていなければ、十分な効果を引き出すことはできません。また、デジタル化を行うというと難しそうに感じるかもしれませんが、正しい対策と組織の理解があればそれほど難しくはありません。

5.1. デジタル化による効率化のメリット

デジタル化による最大のメリットは何といっても作業の効率化です。業務のほとんどが作業を自動化することで強化されます。例えば、紙伝票の入力や管理がデジタル化されることであるのです。データ入力にかかる手間や時間が大きく削減されるだけでなく、ヒューマンエラーも減らすことができます。また、保管場所も必要なくなり、場所を取らずに大量のデータを保管することが可能になります。また、必要なデータを即座に取り出すことができるのも大きなメリットで、情報検索の手間を最小限に抑えることができます。

5.2. 紙伝票からデジタルツールへの移行のプロセス

紙伝票からデジタルツールへ移行する際には、予め準備しておくべきことがあります。まず一番重要なのは、組織全体がデジタル化の必要性とそのメリットを理解することです。さらに、適切なデジタルツールを選択することです。専用のソフトウェアなどを使用すれば、その業務だけに特化した機能を持つため効果的に業務を進めることが可能になります。また、使用するツールを選んだら、スタッフへの研修を行うことも重要です。デジタルツールの使い方を全員が理解していないと、逆に業務効率が落ちてしまう恐れもあります。

5.3. デジタル化によるコスト削減効果

デジタル化がもたらすもう一つの大きなメリットが、コスト削減です。デジタル化により、紙などに頼らずに業務を遂行することが可能となります。これにより、紙代や保管コスト、廃棄コストなどを削減することができます。さらに、データの入力や管理が自動化されることで時間を大幅に短縮することが可能となります。これもまた人件費の削減につながるのです。デジタル化は、これらの相乗効果により業務全体のコストを大きく削減できるのです。

6. 紙伝票とデジタルツールの比較

紙伝票とデジタルツール、それぞれの特性や使い勝手、コスト面で合計するとどちらが良いのでしょうか。今回は、その二つを比較して見ていきましょう。紙伝票は、特に古くから存在する手続きや事務作業の際に利用されてきました。一方で、デジタルツールはこの数十年続くテクノロジーの飛躍的な進歩により、ますます必要性が高まっています。これら二つは、それぞれどのような特性を持ち、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。見ていきましょう。

6.1. データ入力と管理コストの違い

便利なデジタルツールと手間のかかる紙伝票など、結果的にどちらがコスト効率がよいのか、それについて見てみましょう。最初に、データ入力についてです。紙伝票は原則的に手書きでのデータ入力となりますが、その一方で、デジタルツールは基本的にパソコンやスマホなどを使って直接入力することが可能です。管理コストについても、物理的な場所を必要とする紙伝票よりも、データベースなどに保存されるデジタルデータの方が効率が良いと言えます。また、デジタルツールでは、一度入力されたデータを他の関連するデータと比較したり、検索することも簡単です。加えて、過去のデータと照らし合わせたり、トレンドを可視化するための分析も容易に行えます。

6.2. 発行・出力にともなう紙伝票の課題

次に、紙伝票の発行・出力にともなう課題について考察してみましょう。紙伝票の発行や出力は、印刷用のインクや紙、さらには印刷機など、物理的なリソースが必要です。そのため、継続的なコストが発生します。また、発行量や出力速度も、印刷機の性能や紙・インクのストックに左右されるため、大量にすぐに必要とする場合は準備や管理に手間がかかることもあります。これに対して、デジタルツールを使用すれば即座に必要な書類を作成し、送付することが可能です。また、データの管理も容易で、紙切れやインク切れといったトラブルに縛られることがありません。

6.3. コストパフォーマンスの比較

最後に、コストパフォーマンスについて考えてみましょう。紙伝票の場合、継続的な購入が必要な物理的リソースの他、データの保存や管理のための人件費やスペースも必要です。対してデジタルツールでは、一定の初期投資と運用費用が必要ではありますが、長期的に見ると、人件費やスペース、物理的リソースの節約につながります。さらに、デジタルツールはデータ分析などの機能を活用することで、ビジネスの効率化に繋がります。これらの点からみても、コストパフォーマンスはデジタルツールの方が優れていると言えるでしょう。

7. 紙伝票を使用する業界とその特性

日本国内における紙伝票の使用は依然として高いレベルで維持されています。特に一部の業界では、既存の業務フローや販売管理システムとの親和性、または法的な要件により、紙伝票が必要となっています。その一方で、無駄な作業やヒューマンエラーの削減、コストの抑制などを求め、紙伝票のデジタル化を進める動きもみられます。

例えば、製造業、建築業、運輸業などは、現場と事務所の間で情報をやり取りするために紙伝票を頻繁に使用します。これらの業界では、作業現場が分散していて通信環境が整っていない場合など、まだまだ紙伝票に頼らざるを得ない状況が存在します。

7.1. 一般企業での紙伝票の使用イメージ

紙伝票を使用する一般企業の業務でよくあるのが、商品の注文や納品、請求までの流れです。商品の注文時に発行される注文書、納品時に発行される納品書、そして商品代金を請求する際の請求書に至るまで全てが紙ベースの伝票となっています。

これら紙伝票は手書きで記入された後、郵送やFAXで相手方に送られます。さらに、これらの伝票はその都度ファイリングされ、記録として保管されます。このような過程では紙伝票の紛失や取り違え、誤記入などのリスクが伴います。また日々の業務量の増加に伴い紙伝票の量も増え、保管スペースにも困ることがあるでしょう。

7.2. 法人・公共機関共に紙伝票はだんだんと減少傾向

紙伝票の使用は、法人や公共機関に限らず、業界全体で減少傾向にあります。これは情報化社会が進んでいること、また適切なデータ管理の重要性が認識されていることが主な要因です。

具体的には、紙伝票をデジタル化することでデータの一元管理が可能になり、情報の把握や分析が容易になるからです。また業務効率化やコスト削減の観点からもデジタル化は推奨されており、今後ますますこの傾向は強まるでしょう。

7.3. まとめ

紙伝票の使用は一部の業界ではまだ続いていますが、情報化社会の進展やデータ管理の重要性から見れば、その利用は徐々に減少傾向にあると言えます。

とはいえ、現場の事情や法的な制約などからすぐには紙伝票から離れられない現実もあります。そのため、より効率的かつ安全な紙伝票の管理方法を模索し、業務改善を進めることが重要となります。その一方で、流れに逆らわずデジタル化を進めることで、業務の効率化やデータ管理の向上につながるはずです。

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