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M&A及び事業承継を見据えて、ホールディング化を実行した事例

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実際に船井総研が関与したホールディング化の事例

ホールディング化の経緯

今回ホールディング化をサポートした企業は、
・売上100億円規模
・軽自動車・届出済軽未使用車の販売・車検・板金を事業内容
としていました。

会社が急成長し、今後も事業の拡大が見込まれる状況で、
社長は、今後の事業計画として、『M&A』及び『事業承継』の二つの方向性を検討していました。

具体的には、
① 会社が急成長する中で、会社の内部留保資金を活用して、M&A等を行い新規事業に事業投資をし、既存事業と併せてグループ経営を行うことで、グループシナジーを創出したい
② 今後、M&Aにより、経営が大きく変革していくタイミングをきっかけとして、後継者に対し、本格的に事業を承継したい
というものです。

以上の経緯のもと、今後のM&A及び事業承継を見据えて、グループ経営を実現すべく、オーナー経営者から、ホールディング化のご依頼をいただきました。

ホールディング化の概要

具体的なホールディング化の概要としては、以下の図のような内容です。


①ホールディングス以前
オーナー一族が、A社及びB社の株式を保有。

A社及びB社の株式は、オーナー経営者に集約されておらず、オーナー家族で分散して持ち合っている状態でした。

②ホールディングス以後
ホールディングスに伴い、後継者の資金に無理がない程度で資金対策をした上で、後継者に株式を集約。

また、親会社であるA社に、B社の本社機能を移転することで、ホールディングス企業としての機能を担わせ、他方、B社には、営業部門やサービス部門を残すことで、事業会社として事業に専念できる体制を構築しました。

さらに、B社とは別に新会社を設立し、B会社から新会社にサービス部門を移転。

B社は営業部門を担い、他方、新会社はサービス部門を担うことで、部門ごとに法人を分けました。

これにより、互いの部門に適応した人事評価制度や勤務条件を構築することができるようになりました。

③分社
さらに、B社とは別に新会社を設立し、B会社から新会社にサービス部門を移転。

B社は営業部門を担い、他方、新会社はサービス部門を担うことで、部門ごとに法人を分けました。

これにより、互いの部門に適応した人事評価制度や勤務条件を構築することができるようになりました。

また、将来的にM&Aを想定した場合、グループ会社の一つとして企業を買収する選択肢が増える等のメリットがあります。

ホールディング化にあたり、検討するポイント

ホールディングス化を行う際には、税務、労務、財務、法務から総合的にスキームを検討する必要があります。

今回の事例で検討したポイント

①税務
オーナー経営者から後継者に株式を円滑に承継するにあたって、
・ホールディングス会社の会社規模はどの程度にすべきか
・株式の移転はどの時期が良いか
・事業承継税制は活用できるか

資金対策として
・役員報酬の額や保険は適切か
を検討しました。

これにより、税務面における円滑な株式承継の手法を検討しました。

 

② 労務
B社の本社機能をA社に移転し、M&Aや分社化することに伴い、
・役員報酬の額や保険は適切か
・各部門の業務の属人性をどのようにして排除するか

・勤怠管理等の業務フローの改善、労働関連法改正の対応等
を行いました。

単に会社の機能を移転したり分社するのではなく、より強い組織作りを行いました。

 

③ 財務
ホールディングス前は、経理部と財務部の連携が取れず、適切な財務戦略を採ることができていませんでした。

そのため、
・資金繰り表の導入や月次決算の早期化
・経理の業務フローを改善
を進めました。

その結果、
・今期、どのくらいの設備投資をすべきか
・何名の新卒・中途社員を採用するべきか
といった事項について、以前よりも緻密な財務戦略を立てることができる以財務組織作りが実現しました。

 

④ 法務
上記のスキームにより、オーナー経営者から後継者に株式を円滑に承継できたとしても、その先を見越して、経営者が亡くなった後の相続財産を巡る遺留分や遺産分割協議の際の争いごと、すなわち、争続の発生のリスクを未然に防ぐ必要があります。

遺言書の作成の他に、中小企業のオーナー経営者については、遺留分の民法特例制度(除外合意)の活用を検討することにより、遺留分減殺請求により、後継者が保有する株式が分散するリスクをあらかじめ排除しました。

このように、ホールディングス化は、税務、労務、財務及び法務が密接に絡み合う専門性が高い領域です。

身近の顧問税理士ではご相談にのっていただけない場合もあるかもしれません。

ホールディングス化を少しでも考えている方は、一度私たちにご相談いただくことをお勧めします。

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