会社分割 ~財務の基礎知識~
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会社分割とは
今から会社分割についてお話させていただきます。
会社分割とは、今ある事業を切り離して別の会社に持っていくといったものです。
具体的には、会社分割の方法は法務的に何パターンかあり、非常に複雑な部分もあるため、ここでは割愛させていただきますが、会社分割をする目的とそこで押さえるべきポイントについてお話をできればと思います。
会社分割をする目的
一般的に中小企業さんがこの会社分割を利用される時というのは、事業承継期にオーナーが考えられるケースが最近増えて参りました。
複数の事業を営んでおられる場合、今ある複数の事業を継続して後継者様が引き継いでいくのか、もしくは今いらっしゃる番頭さんが引き継いでいくのかといったところは創業オーナー、もしくは現在のオーナーが全体の事業を管理できるかもしれません。ですが、その時代の「流れ」であったり所謂、流行り廃れもしくはマーケットの環境が劇的に変化している時代ですので、もしかしたら一部の事業は分割してしまって他社に売却し、その事業自体は携わる人も一緒にそれを得意とするところに売却した方が永続的に発展する可能性もあれば、方や主力事業としてシンプルにその事業のみを会社分割したあと集中的にそこの資源であったり、ヒト・モノ・カネをつぎ込んだ上で後継者様に渡された方が、結果的に事業が永続発展しやすくなるケースもございます。
こういったことを、力相応で事業をどのように経営していくのかという観点でいくと、今いろいろな事業を一つの会社の中でされておられるのであれば、分割して他の経営者様に任せる、もしくはご親族様が既存の本業を就かれるのであれば副業の部分、その他の事業の部分は別会社で切り離してしまって別の従業員様が代表者になるといった形で組織を再編されて、双方にいいシナジー効果が生まれるような形で会社分割を利用するといったところも最近増えてきております。
会社分割で押さえるべきポイント
上記のような目的を持った上で、会社分割で押さえるべきポイントについてお話させていただきます。
一つ目は従業員の自立でございます。
今いらっしゃる番頭さん、もしくは後継者様がこの会社分割を利用することでその事業のトップになると、事業の採算管理、要はその会社単体でのPLとBS、キャッシュフローを見ながら経営をせざるを得なくなるといった側面もございます。
従ってアメーバ経営のようにそのチームが会社分割することによって組織化されることで従業員の意識というものが上がって自立につながっていくことがポイントでございます。
もう一つは、先ほど目的として申し上げました事業承継の、承継のスキームの一つとして押さえていただければと思います。
今ある事業の中に複数の会社を置いておいてもいいのですが、複数の店舗を持っていらっしゃる、つまり多店舗展開されていらっしゃる場合、その各店舗を完全に会社から切り離して事業会社化してしまってその事業会社のトップに後継者様か、もしくは従業員様を据えて経営をしていくことです。
あくまでもオーナーさんは分割後、経営権は引き続き持たれるケースもあれば経営権自体も各事業会社に割り振りをしてある意味経営権を渡すこともできます。
会社を分割してそのあと従業員様を自立させ、引き続きそういった事業のブランディングを守って永続発展させていくというところでこういったスキームをご活用いただくといったところも一つかと思っております。