財務トピックス(コンサルタントコラム)

AIによる与信審査

人工知能(AI)技術を利用したビジネスが急速に普及し、様々な業界においてビジネスモデルの転換が広がっています。金融業界においてもAI技術を活用した融資審査を始めるサービスが開始されました。これまでは顧客の属性(収入や資産状況)を基準として与信判断されていたものが、AIからの最大150項目に及ぶ質問に答えることで、「AIスコア」を算定がされます。そのスコアを基に、融資条件が決定します。

中国では既に、このシステムが実用化されており、SNSの「いいね」評価や人相も個人スコアに反映され、収入や資産状況には頼らない融資手法が広まりつつあります。

経営者として、こういった金融サービスの変化には敏感になって頂きたいです。

 

【趣味や性格で借入可能額が変わる? AIが与信審査】

2017年9月、AI技術を活用した与信審査を行う個人向け無担保融資サービスが始まった。提供するのはみずほ銀行とソフトバンクが折半出資するJスコア(東京・港)。年収や雇用形態、勤続年数などの画一的な基準で判断する従来の審査と違い、学歴や趣味、性格など様々な属性を分析しスコア化する。

まず18の質問に答えると、自分の「AIスコア」と共に借入限度額や貸付金利などの条件が提示される。登録すれば融資を受けなくてもAIスコアを出せるので、申し込むまで融資の可否が分からない消費者金融や銀行のカードローンと異なり、事前に与信枠の目安を把握できる。

さらに任意の約150項目の質問に答えると、より実情に合ったスコアが出せる。質問は収入や職歴、資産状況のほか、所有するパソコンの種類やよく行くカフェ、アルバイトや旅行の経験など多岐にわたる。みずほ銀とソフトバンクが蓄積するビッグデータのほか、春以降はヤフーとも提携し、ショッピングやオークションの利用状況も審査に活用する。

申し込みから融資実行までスマートフォン(スマホ)やパソコンで完結し、面談は不要だ。収入証明書や本人確認書は、撮影したデータをメールやスマホのメッセージ機能で送信する。融資実行まで最短30分で済むケースもあるという。自己啓発を目的にお金を借り入れる人が多いという。

AI審査は企業向けにも使われ始めている。オリックスと会計ソフト大手、弥生(東京・千代田)が共同で設立したアルトアは17年12月、中小向け融資サービスを始めた。

弥生の利用企業が対象で、日々の仕訳データなどをAIで分析して与信判断をする。決算書などの定点的なデータに比べ、毎日の会計情報からは事業者のありのままの姿が見えやすいという。

人の手で分析していた作業をAIが担うことで、融資判断の時間を大幅に短縮できる。現在は法人限定だが「今秋までに個人事業主にも対象を広げる予定」(岡本浩一郎社長)という。

個人事業主向け融資を手掛けるのは金融ベンチャー、クレジットエンジン(東京・品川)の「LENDY」だ。金融機関で融資業務を経験した内山誓一郎社長が16年に立ち上げた。

与信審査に必要な情報は、融資を希望する事業主の会計データや事業で利用しているPOSレジのデータなどと連携させて収集するほか、アマゾンや楽天、食べログなどのレビューなども集め、AIで分析する。

AIを使った融資サービスは融資までの実行時間が早く、担保や保証人が不要な場合が多いので利便性は高い。ただ、現時点ではいずれも銀行に比べて貸付金利が高めだ。利用する場合はしっかり返済計画を立てておきたい。

 

日本経済新聞朝刊2018年3月3日付

【この記事を書いたコンサルタント】
鈴木 浩史

千葉県出身。大学卒業後、信用組合に入社。
5年超、個人・法人営業に従事し、3期連続営業No.1となる。また、事業性評価による融資実績を持ち、社内のモデル事業として取り上げられる等、常に経営者の身になってソリューション提供を実施。
船井総合研究所に入社後は、財務診断、事業計画策定、銀行交渉を通して、経営者が描く企業像の実現を追及している

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