財務トピックス(コンサルタントコラム)

脱P/L主義。脱感覚経営。成長を実現する財務戦略・資金調達(5)

前回、「キャッシュフロー改善のポイント」ということで、短期継続融資とCCCが重要であるということをお伝えさせていただきました。
前回の内容はこちら
 
今回は「脱感覚経営」を目指すための素地として中小企業のステークホルダー(利害関係者)についてご紹介します。
 
 

脱感覚経営のすすめ

ここからは、「脱感覚経営」として、事業計画や投資計画の立て方について触れていきたいと思います。
なぜ、事業計画や投資計画が必要なのでしょうか。中小企業の置かれる状況をみることで「必要性」を考えていきたいと思います。
 
突然ではありますが、中小企業のステークホルダーはどのような存在があるでしょうか。
 
中小企業のステークホルダー(利害関係者)を見てみると、
 
社会そのもの
従業員
株主
取引先(債権者としての銀行)

 
それぞれのステークホルダーに対する具体的な責任についてみていきたいと思います。
 

【社会に対しての責任】

企業として存続する以上、社会に対する価値を求められます。
何に対してどのように貢献するのか、どのような価値を提供するのか、どのような影響を与えることができるのか、企業の存在意義と直結する重要な部分です。
 
やはり、経営理念の存在は大きな役割を果たします。
目的を明確化した上で投資戦略や企業戦略を描いていくことが必要となってきます。
 

【従業員に対しての責任】

自社の従業員の共感を得られなければ、会社として中長期に成長してくことは考えられません。
そこで働く人間の強さこそ、企業の強さに直結していくからです。
会社の理念や経営方針に共感し、会社で働くことで個人の目標や夢を実現したり、誇れることが働き甲斐となっている状態が、中小企業の経営としては求められることではないでしょうか。
 
また、会社で働くことで安定した給料を得られるという、生活の安全を保障する役割も従業員に対する重要な責任と言えることが出来ます。
 

【株主に対しての責任】

一般的に中小企業の多くは経営者=株主という構図が成り立ちます。
 
上場企業の場合、株主は一般個人から企業までと多岐にわたります。
株式会社の成り立ち上、株主へは配当という形で受けた投資に見合うメリットを提供しなければいけません。
最近では、四半期ごとの業績動向を強く見られ、企業価値(株価)の向上のためどうしても短期的な業績向上が求められます(一部、例外な企業もありますが)。
 
一方、中小企業のメリットとしては、株主=経営者の構図であり、会社を中長期的な目線で成長させていくことが出来ると言われます。
しかし、後述する別のステークホルダーの影響もあり実際には中長期的な経営を実践することは実態は難しい状況にあります。
 

【債権者に対する責任】

上場企業の場合、資金を調達する手段として大きく分けると二つあります。
資本での資金調達と借入での資金調達です。
資本での資金調達とは株式の発行により資金を調達する方法です。
 
一方、借入での調達の場合、銀行からの資金調達である間接金融と、社債等を発行し市場から資金調達する直接金融があります。
資金調達の方法は多種多様であり、大手企業や上場企業はファイナンスという知識を活用し、自社に最適な資金調達戦略を展開しています。
 
一方、中小企業の場合、資金を調達する手段としてはかなりの割合で銀行に依存しています。
一部、資本調達も可能ではありますが、稀なケースと言えます。
 
そういった意味では中小企業の経営は銀行からの意向を強く受ける傾向にあると言えます。
上場企業は株主の目線を気にする一方、中小企業は銀行からの目線を気にする状況と言えるのではないでしょうか。
 
 
次回は「脱感覚経営」を目指すための計画の必要性を銀行の実態という側面からご紹介します。
 
次回の内容はこちら

【この記事を書いたコンサルタント】
竹村 良太

早稲田大学卒業後、地方銀行に入行。8年間の銀行業務では、中小・中堅企業から上場企業まで幅広い法人営業を経験。その後、船井総合研究所に入社。
前職時代は事業性評価・財務分析に基づく融資業務に取り組み、中小企業・上場企業向け融資実績を数多く残す。
経営者に寄り添い「三方よし」の精神で財務コンサルティングの提供を行っている。

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