財務トピックス(コンサルタントコラム)

資本性ローンを用いて成長戦略を描く!① ~メリット・デメリットを整理して有効活用を考える~

「資本性ローン」と聞いて、皆様はすぐにピンッとくるでしょうか。

近年では、本ファイナンス手法を積極的に導入されている中小企業も増えてきており、弊社クライアントでも利用されるケースが増えてきているように思います。

聞いたことはあるが詳しくは知らない、といった声を頂くことも多くなってきておりますので、本日は「資本性ローン」の商品内容や、関連する情報をご紹介させて頂ければと思います。

資本性ローンといえば、まず思い浮かぶのが日本政策金融公庫だと思いますが、どのような性質のファイナンス手法か簡単に申しますと、劣後ローンと言われる通常の借入金(シニアローン)と比べて債権の回収順位が劣後する借入金のことを指しております。

従いまして、資本性ローンを提供する金融機関にとっては、シニアローンよりもリスクが高い融資、ということになります。

この資本性ローンは「メザニンローン」とも言われており、その名の通り、資本的な性格を持った借入金であり、ちょうど借入金と資本の中間に位置するような借入形態となります。

資本性ローンが持つ特徴の詳細については後述しますが、金融庁が公表している平成29事務年度・金融行政方針の中で、「地域金融機関が持続的なビジネスモデルを構築する上で取組まなければいけないファイナンス手法の1つ」として明記されており、今後も利用が増えていくものと考えられます。

以下、金融行政方針の文章の一部抜粋となります。

地域企業の真の経営課題を的確に把握し、その解決に資する方策の策定及び実行に必要なアドバイスや資金使途に応じた適切なファイナンス(短期継続融資、メザニン等の資本性資金、公的金融との協調等を含む)の提供、必要に応じた経営人材等の確保といった支援を組織的・継続的に実践し、地域企業の適切な競争環境の実現に取り組むことが、ひいては自身の持続可能なビジネスモデルの構築につながる地域金融機関は多いと考えられる。』

要約しますと、ファイナンス面から地域企業の課題解決する上での1手法として資本性ローンが有効であると、金融庁として考えている、ということです。

従来であれば、このような新しい行政方針を打ち出しても、潜在的なリスクが大きい等の理由で、市中の金融機関で積極的に取り入れられることは少なかったように思いましたが、足元では徐々にではありますが、貸し手である市中金融機関で動きが見受けられます。

具体的には、山梨県の第一地方銀行である(株)山梨中央銀行が今年2月5日のプレスリリースにて「山梨中銀資本性ローン」という商品名で資本性ローンの取扱いを開始した旨を発表しました。

従前であれば、こういったリスクマネーと言われるファイナンス手法の取組みに消極的な金融機関が多かったですが、日銀の金融緩和等による貸出金利回りの低下を主因とする厳しい収益環境に置かれているからこそ、今までには見られなかった動きが出てきているように思います。

とりわけ、メガバンク以上に厳しい経営状況に置かれている地域金融機関においては、今後より商圏内での淘汰が進むことが想定されます。

資本性ローンのような独自性を打ち出す金融機関も、地方銀行を中心に着実に増えていくのではないかと考えており、まさに「時流」の商品になりつつあると感じています。

こういった有効なファイナンス手法を、より身近に感じて頂けるよう、次回、資本性ローンのメリットとデメリットを、利用されるクライアント目線で整理して説明頂ければと思います。

次回の内容はこちら

【この記事を書いたコンサルタント】
小松 靖教

高知県出身。大学卒業後、地方銀行で約9間年勤務。
前職では累計100社超の中小企業を担当、豊富な営業・融資経験を強みとしている。また本部にて外国為替取引や海外取引・進出時の資金調達支援業務に従事した経験を持つなど幅広い金融知識で企業支援を行っている。
「実態を知り、最善策を立案する」をコンサルティングの信条とし、現場に出向き、経営者と密にコミュニケーションを取ることを重視する。常に誠実に、常に真剣に経営者と向き合うコンサルティングを実践している。

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