財務トピックス(コンサルタントコラム)

金融庁 地銀再編マップ

【金融庁「地銀再編マップ】

金融庁の有識者会議がまとめた報告書が業界に波紋を呼んでいるようです。

 

近年、人口減少による資金需要の減少や貸出金利の低下により、地域銀行を取り巻く経営環境は悪化しています。

各地域銀行は、低金利による貸出利鞘や資金需要の減少を貸出残高の増加により補おうとしている為、従来以上に近隣県や首都圏への店舗出店を進めています。

2018年3月末時点では、地方銀行における貸出金残高の35%超(過去最高)がこの越境融資となりました。

そしてその結果、元々あった地域銀行との競合が激化する、という状況に陥っているのです。

 

  • 地域銀行の現状

実際、地域銀行の本業での利益は下記データの通り悪化を続けています。

2016年度の決算時点では、地域銀行106行のうち過半数の54行が本業赤字でした。

そこで、各地域銀行は不採算店舗等のリストラや省人化により、合理化を図っているのです。

  • 地銀再編マップ

次に、波紋を広げているのが下記のデータです。

全都道府県のうち23県は、1行単独であっても本業だけでは不採算になるというものです。

2行で競争していたら不採算は不可避であり、合併という手段もやむを得ない、という金融庁の姿勢を示しているような気がします。

しかし、このデータは地域において無用な懸念を生みかねず、批判的な意見があがっているというわけです。

また、仮に将来現実となった場合、金融機関が寡占状態になることは顧客にとっても一定のリスクであると言え、公正取引委員会も懸念しているところであります。

(競合する金融機関がないと、悪い条件でも融資を受けざるを得ない、など)

  • まとめ

今回の報告書において金融庁が説いているのは、やはり地域銀行の抜本的な構造改革です。高齢化や過疎化による経営環境の悪化は避けては通れない現実ですが、このまま競争状態が継続し地域銀行が体力を消耗してしまうと、金融仲介機能が十分に発揮できなくなる恐れがあります。

経営統合・重複店舗の削減により生み出される余力を、地域経済の発展の為に使うこと。

担保や保証に依存せず、事業性評価に基づき取引先の本業支援を行っていくこと。

金融機関へ求められている方向性は明確です。

そして、多くの地域銀行はすでに独自の成長戦略を模索し始めています。今週だけでも複数の業務提携が発表されました。長野銀行(M&A支援)、横浜銀行(不動産鑑定会社)、池田泉州銀行(人材紹介業)などです。

今後は本業以外の付加サービスで取引銀行を選んでいくことも有効かもしれません。

【この記事を書いたコンサルタント】
田上 恵里加

大学卒業後、地銀において9年間勤務。前職では、個人営業にて、住宅ローンや生命保険等の提案を通じた個人資産運用業務に従事し、法人営業にて、事業再生や事業承継をきっかけとした法人融資業務に従事。「顧客の立場にとことん寄り添う」ということをモットーにしており、法人及び個人の両面を複合的に捉えた上で、最も顧客の利益となるような財務コンサルティング及び資産コンサルティングを提供している。

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