財務トピックス(コンサルタントコラム)

欧州サッカーチームに見るバランスシート事情

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皆様こんにちは。
船井総合研究所金融財務支援部の堀口です。
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

スポーツの秋ということで、野球観戦やサッカー観戦に行かれる方も多いのではないでしょうか。
本日はスポーツチームを例にB/Sについて見ていきたいと思います。

私のご支援先や、弊社のお客様でもスポーツチームのオーナーやスポンサーをしている方も多くいらっしゃいます。
またこれから、オーナーになろうと検討されている方、スポンサーになられる方には特にお目を通していただければ幸いです。

先日、世界で最も価値のあるサッカークラブであり、世界で最も稼いだサッカークラブである、レアル・マドリーが本拠地としている「エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ」を約764億円かけて大型改修を行うというニュースを目にしました。

債務の返済期間にもよると思いますが、年間返済金額は数十億円に上るでしょう。
中小企業からするとなかなか考えにくい返済金額ですが、一般的な考えであれば、返済に苦しくなってくることが予想されますね。
欧州サッカーの移籍市場は年に2回あり、強豪チームであればあるほど血の入れ替えが激しく、選手の移籍が活発です。
今夏には世界的有名選手であるクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル代表)がセリアA・ユベントス(イタリア)に移籍した時の金額は推定150億円、レアル・マドリーの現在のレコード記録であるギャレス・ベイル選手(ウェールズ代表)の移籍金は推定120億円とされています。

さて、お気づきだろうか?
その移籍金はどこに計上されるのだろうか。

実はサッカーチームは選手が商品なのでB/S上、資産として計上されます。

https://www.nikkei.com/article/DGXZZO50942910U3A120C1000000/

以下:引用
一般企業と同じように、クラブが抱える資産と負債の額はバランスシートで示される。ユースからそのままトップチームに昇格してプレーしている選手の場合、実はバランスシートには何も記録されない。その選手の「金額」がまだ決まっていないからだ。
他のクラブから獲得した選手の場合は違う。相手クラブに支払った移籍金の額が資産として計上され、契約年数によって減価償却されていく。パソコンや工作機械など、一般企業の設備と同じ具合だ。

非常に興味深いですね。
他チームから獲得すればするほど、B/Sが膨らみますね。
サッカーチームでいうと、現在一番金額が大きいのはパリに本拠地を構えるPSGことパリ・サンジェルマンでしょう。
キリアン・ムバッペ(フランス代表)、ネイマール(ブラジル代表)、エディソン・カバーニ(ウルグアイ代表)が代表例です。

こういった見方でサッカーを見るだけでも、チーム編成、補強戦略も見えてきます。
サッカー観戦の新たな見方ですね。
お読みいただきありがとうございました。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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