財務トピックス(コンサルタントコラム)

中小企業のM&Aの活用法

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【M&Aに新潮流】 中小企業のM&Aの活用法

 

「武田薬品工業など日本企業による海外での大型買収・合併(M&A)が目立つが、一方で国内でもM&Aの新しい流れが起きつつある。それが地方の中小企業を対象にしたM&Aだ。高い技術力を持ちながら後継者がおらず、やむなく廃業する中小企業は少なくない。東証マザーズ上場のシェアリングテクノロジーは、こうした中小企業を買収し、事業を多角化している。また新興企業による地方中小企業の買収を仲介するビジネスも台頭している。」

(日本経済新聞 2018/10/4付 「M&Aに新潮流 標的は後継者難の地方中小企業」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36123470U8A001C1000000/ より引用)

 

上記記事にもあるとおり、近年、新興企業が、高い技術力を有しながら後継者難に陥っている地方の中小企業を買収するという事例が出てきました。

人口の減少に伴い、日本経済が縮小する中で、新興企業がマーケットを求め、他の地域や他の業種に進出していくことは、今後活発化していくと予想されます。

これまでは、中小企業においてM&Aにより自社を売却することはなかなか考え難いものでしたが、後継者難が社会問題になっている現代においては、中小企業の経営者として、会社を後世に遺す一つの手段として、M&Aにより自社を売却することも十分に考えられるのではないかと思います。

 

また、経済の成熟化に伴い、ビジネスモデルのライフサイクルの短縮化も進んできています。

特に時流の小さな変化による影響を受けやすい中小企業の経営者としては、今後、自社のビジネスモデルが継続して伸びていくのかを敏感に読み取った上で、時流に沿って、場合によっては自社のビジネスモデルを転換していくことが求められてきます。

今後は、自社のビジネスモデルとシナジーが生じるような他業種の企業を買収することで、異業種へ参入するといったビジネスモデルの変換も増えてくると予想されます。

 

以上のとおり、M&Aは、上場企業や首都圏に限られた話ではなく、今後、中小企業が縮小経済を乗り越えるにあたって、重要な武器になってきます。

後継者難に悩みを抱えていたり、マーケットや自社のビジネスモデルに限界が来ていると感じられる経営者の皆様は、是非とも、M&Aまで視野を広げて、事業計画を策定してみてはいかがでしょうか。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

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