財務トピックス(コンサルタントコラム)

「信用保証協会制度」の今

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今回は企業のご経営者の皆様、

そして銀行員なら切っても切れない関係である「信用保証協会制度」に関する話題を取り上げます。

皆様は「信用保証協会」について、どんなイメージをお持ちでしょうか。

取引している銀行の担当が『保証協会付融資ならご提案できますが…』と言ってきた、あるいは運転資金を銀行から調達する際は、基本的に保証協会付融資で調達している、という会社もあるかと思いますので、耳にはなじみ深いものかもしれません。

そういえば、私も銀行員時代は信用保証協会を「マルホ、マルホ」と行内用語で呼びながら、黒かばんを抱えて毎日のように「マルホ」の担当の方とやり取りしておりました。

前置きが長くなりましたが、今回はそんな「マルホ」と企業の付き合い方はどう変わってきているのか、

実際に信用保証協会が公表する各種データも見ながら、このコラムで考えてみたいと思います。

しばし、お付き合いください。

  • そもそも、信用保証協会制度とは…

1.信用保証協会制度

信用保証協会制度とは銀行が取引先企業にお金を貸す際に、保証協会から当該貸金に対する「保証」をもらうことで、万が一企業が業績不振等を理由に倒産し、銀行の債権(貸金)が貸倒れとなった場合にも、協会が8割(場合によっては10割)を銀行に代わって負担する制度のことを指します。

・銀行はリスクをなるべく抑えた状態で、取引先企業への融資を積み増すことができる

・債務者は、通常の銀行融資に比べて円滑に資金調達を行うことができる

双方にメリットのある制度という立付けになっています。

 

2.利用対象企業

利用対象となる企業は上図の通りで、基本的には「中小企業」といわれる企業が、

全国に展開する各地の信用保証協会で、制度を利用した資金調達を行うことが可能です。

なお、資金使途は「運転資金」「設備資金」に限られています。

 

3.利用限度額と考え方

いわゆる「一般保証」という形式の、無担保で調達可能な金額の上限は8,000万円です。

そのほか「制度融資」や「中小企業信用保険枠」という制度を活用すれば、

さらに資金調達の限度額は増えますが、一般的には8.000万円が「マルホ」のボーダーラインと考えるのが良いかと思います。上記の通り、銀行は「マルホが貸倒れリスクの一部を保証してくれる=あまりリスクを考慮せずに柔軟な形式でお金を貸すことができる」ため、一般的な融資(俗にいう「プロパー融資」)に比べるとこの8,000万円は「企業にとって調達しやすいお金」と考えることができます。

そのため、経営者の方々は「マルホ」は通常の資金調達が苦しくなった時に使う『最後のお財布』と考え、

できる限り虎の子の資金として使わずに残す努力をする、という選択もアリかと思います。

銀行員が「保証協会付融資、運転資金で2,000万円いかがですか。」なんて訪問にきても、ちょっと待った!

その「マルホ」は本当に貴社にとって「大事な空き枠を潰してまで借りないといけないマルホ」ですか。

1度、再考するのもいいかもしれませんね。

  • まとめ…変わりゆく「マルホ」

さて、いかがでしたでしょうか。今回は大変簡潔ながら、コラムにて信用保証協会制度について勉強し、

その現状をデータで確認していきました。

・保証協会付融資の「一般保証枠」は8,000万円!虎の子資金として機動的な活用を!

・マイナス金利等を背景に金融機関の「マルホ」に対するスタンスは変化している!

⇒リスクをとる積極的な貸出姿勢を背景に、今後はより「マルホ」をうまく利用する必要がある!

今日は、このようなことが言える結果になったのではないでしょうか。

 

弊社、船井総合研究所の金融財務支援部では、

こうした金融情勢の変化も確実に踏まえながら、私のような金融業界経験を持つコンサルタント達が、

 

  • 企業が成長できる適切な「お金の借り方」とは何か?
  • (マルホを含めた)機動的な資金繰り策定、実行はどうすればよいのか?
  • ひいては、財務面から企業を成長させるには、どうしたらよいのか?

 

といった項目について、日々経営相談・ご支援にてお応えしております。

この記事を読んでいただいた方で上記の内容が気になった方は、

ぜひ1度弊社の「経営相談」へお申し込みください。

私も誠心誠意、金融のプロという自覚をもって、お応えします。

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【この記事を書いたコンサルタント】
財務支援部

船井総研の財務コンサルティングは、企業の業績アップを「資金と管理面」からバックアップする実行型コンサルティングです。
財務指標をただ算出してその上下を評価するのではなく、それらの指標をどのように経営判断、投資判断材料とするのか、持続的な成長を支える為に必要な資金調達額を最大にするための施策を検討、実行します。
攻めの投資を実現する際に最も大切なことは、その1期のみ最大の成果を出せることではなく、持続的に最大限の成長を継続することです。
それを資金面から実現する戦略をデザインします。

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