財務トピックス(コンサルタントコラム)

銀行への相次ぐ業務改善命令

金融庁が6月2日までに福島銀行に業務改善命令を出し、続く3日には島根銀行に対しても同じく業務改善命令の発動を検討しているとの報道がなされました。

マイナス金利の影響で国内の銀行業務の収益力が低下している中、金融庁は各金融機関に「持続可能なビジネスモデル」の構築を促しています。

つまり、各金融機関が独自で本業できちんともうける仕組みを作っていきましょう、ということです。

 

貸出金利の低下、他の金融機関との金利競争が激化している中、多くの金融機関は融資残高を増やしても増やしてもコストを賄いきれない(本業での赤字体質)、という状況に陥っています。そして、その本業での損失分を埋めるべく有価証券での運用を増やしてきたことで、結果として現在の歪んだ収益構造が出来上がってしまいました。

この構造は、過去20年間続いてきた低金利環境が反転し金利が上昇した場合、債券価格の下落による損失リスクが一気に顕在化するというリスクを孕んでいます。

 

今回の金融庁による業務改善命令は、足元での財務の健全性に大きな問題が生じていなうちに課題解決に取り組むよう促していこうという姿勢の表れでしょう。

国内外の環境が激化する中、金融機関の今後の課題は収益力を高められるかという点に絞られます。

合併でシェアを広げるのか…、コストを削減する為に人員削減に取り組むのか…。

 

いずれにせよ、金融庁主導により金融機関は長年かけて構築してきた体制を根本から見直さざるを得なくなりました。平成30年度終了後に行われる金融検査マニュアルの撤廃、担保や保証に依存しない「事業性評価」の推奨等。今後も金融庁の動向に注目し、お伝えしていきたいと思います。

以上

【この記事を書いたコンサルタント】
田上 恵里加

大学卒業後、地銀において9年間勤務。前職では、個人営業にて、住宅ローンや生命保険等の提案を通じた個人資産運用業務に従事し、法人営業にて、事業再生や事業承継をきっかけとした法人融資業務に従事。「顧客の立場にとことん寄り添う」ということをモットーにしており、法人及び個人の両面を複合的に捉えた上で、最も顧客の利益となるような財務コンサルティング及び資産コンサルティングを提供している。

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