財務トピックス(コンサルタントコラム)

銀行の平日休業が可能に 銀行法施行令を改正

金融庁は15日、銀行や信用金庫といった金融機関が平日に休業できるよう改正した銀行法施行令などを16日に施行すると発表した。

地方銀行や信用金庫、信用組合などは少子高齢化で地域の店舗網の維持が難しくなっているが、隔日での営業も可能になり、少人数で店舗を運営できる。人件費などのコスト削減にもつながる。

銀行などの休業日は、個人や企業の経済活動に影響を与えないように原則として土曜や日曜、祝日、年末・年始に限定すると定められていた。

(2018年8月16日 毎日新聞記事

https://mainichi.jp/articles/20180816/k00/00m/020/036000c)

 

これまでの銀行法施行令では、銀行などの金融機関の休日は土曜日や日曜日、祝日、年末・年始に定められており、平日の午前9時から午後3時までは窓口の営業を行わなけばならないとされておりました。今回、少子高齢化など、金融機関の置かれている状況などを鑑みて、平日の営業時間の定めにつき改正が成されました。

 

かつては預貯金の入金・引き出しや振り込み、公共料金の支払い、両替、手形の取立の申込みなどの為に金融機関の窓口に足を運ぶ必要がありましたが、現在ではATMの利用、インターネットバンキングの普及、電子記録債権の利用などにより、金融機関の窓口で処理を行う手続きは大きく減少しております。

 

都内の駅前など一等地に位置する金融機関においては、未だ窓口が混雑し繁忙日には手続き迄1時間を要するという店舗も相応にありますが、特に過疎地などの地方の金融機関においては1日の来店客数が疎らな店舗が多々あります。来店客数が疎らな店舗であっても人員の配置は必要であり、不採算店舗が発生する要因となっております。

インターネットバンキングを運営する金融機関では開発コストを回収すべく、更なるインターネットへのシフトを推進し、また昨今はアプリケーションにて携帯電話で口座開設を行うなど、金融機関窓口における手続きの減少については今後も進行していくことが予想されます。

 

また昨今は電子マネーを始めとした電子通貨の拡充や仮想通貨の拡大、スマートフォンなど電子媒体による決済の普及などにより、従前は金融機関を介していた決済の方法も変化し、銀行における店舗そのものの必要性につき疑問が投げかけられています。金融機関窓口としてのリアル店舗を持たないセブン銀行では、既に250億円を超える純利益を計上しております。(メガバンクを含む日本の銀行の中において20位以内に入る規模となっております。)

 

最近ではローソンが銀行業を開始するなど、他業態による銀行業への参入により、一般の消費者が金融機関と接点を持つ場面も多様化しております。これは決済のみならず、資産運用やお借入の申込みなども例外ではありません。イオン銀行では、中小企業に対する貸出残高が1兆4,000億円を超えるなど、今後の事業融資の相談相手も従前の金融機関でなく、小売事業者や口座情報などを取り扱う新興企業が増えてくることが予想されます。銀行業に参集した小売事業者は、生活に密着している強みを生かしこれまで金融機関に無いサービスを組み合わせた提案を行う等、付加価値を付けたサービスを提供しております。

 

可住地面積当たりの金融機関の店舗数が世界一多い日本ですが、人口減少も重なり、今後更に窓口での手続きが減少することが想定され、採算などを考えた場合は店舗を構えることがリスクとなってきます。店舗を構えるのであれば、各地域の特性やターゲットを捉え、付加価値を付けたサービスの提供が必要となってきます。メガバンクにおいては完全無人店舗への取り組みを始めていますが、金融機関の店舗のあり方は大きく変わってくるものと思われます。

 

現在、金融機関の窓口が平日の15:00に窓口は閉店する主因は、銀行間の取引を仲介する全銀ネットが15:20に停止するためです。来年リリースが予定される新システムでは24時間のリアルタイム決済が可能となり時間の制約が無くなります。

営業時間について見直しが図られていることから、今後は、例えば平日の来店数が少ない過疎地の店舗は営業時間を短縮し、繁華街に近い店舗では夜間まで営業する、というような地域特性に合わせた運営を行うことも可能となることが想定されます。

 

金融機関が今後も店舗を構えるのであれば、利用者が来店するメリットを追求してこれまでに無いサービスを提供する等、店舗の意義を再構築することが必要となってきます。

向かい風の強い金融業界において、各金融機関がどのような戦略を打ち出していくのか、益々注目です。

【この記事を書いたコンサルタント】
石田 知大

関西学院大学出身。法学部を3年飛び級で卒業後、同経済学部へ編入、財政・金融システムを専攻。
卒業後は船井総合研究所に入社。
異業種からの新規参入、調査分析に関するコンサルティングに関わり、現在は財務診断・改善の提案や成長のための事業計画、財務管理体制の構築といったコンサルティングテーマに従事している。
現場に入り込んでの実態に即した実務の改善や、誰にでもできる仕組み作りの提案などに重点的に取り組む。

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