財務トピックス(コンサルタントコラム)

進まぬ投資、メガバンクへ預金集中

進まぬ投資、メガバンクへ預金集中

 

「3メガバンクなど大手銀行が日銀に預けている「当座預金」に、マイナス金利が適用される可能性が高まってきた。適用されれば日銀がマイナス金利政策を発動した2016年2月直後以来。流入する預金が過去最高を更新し、地域金融機関の2倍の伸びだ。個人や企業、機関投資家の資金退避先が大手行に集中しているためだが、負担転嫁を巡って企業や個人と摩擦も起きそうだ。」(2018年7月27付日本経済新聞より引用)

 

日銀のマイナス金利政策により、銀行が日銀に預けた預金残高のうち、一定額を超えた残高に対しマイナス金利が付与される仕組みとなっているが、これまで大手銀行に適用されたのは2016年2月、3月、5月だけであった。

しかし預金量がこのまま増え続けると、大手銀行も再びマイナス金利の適用を受ける可能性がある。

 

預金の増加自体は各企業の好業績のあらわれであり、悪いことではない。

実際、大手企業の手元預金が潤沢になったことにより、下請け企業に対する支払い条件が良化しているという話も多く聞かれるようになった。

 

問題は、余剰資金が預金に滞留したままで、投資まで回っていないという状況である。

政府も経済活性化の為、企業にも個人にも投資を促しているが、長らく続いたデフレの影響もありなかなか投資意欲が高まっていないようだ。

また、銀行全体ではなく大手銀行だけが突出して預金量を増やしているというのは、大手銀行と取引をしているような大企業ばかりが堅調な業績であるという側面も持っている様に思う。

 

いずれにせよ、全国的に銀行自体の収益環境が悪化している中、

大手銀行といえども当座預金に対するマイナス金利がかなりの負担となることは想像に難くない。

マイナス金利が銀行の収益を圧迫してきた場合、その負担を預金者である企業や個人へ転嫁する可能性もゼロではなく、近いうちに我々預金者も「とりあえず預金へ」という意識を変えていかねばならない時がくるように思う。

引き続き、銀行の動向に注目していきたい。

【この記事を書いたコンサルタント】
田上 恵里加

大学卒業後、地銀において9年間勤務。前職では、個人営業にて、住宅ローンや生命保険等の提案を通じた個人資産運用業務に従事し、法人営業にて、事業再生や事業承継をきっかけとした法人融資業務に従事。「顧客の立場にとことん寄り添う」ということをモットーにしており、法人及び個人の両面を複合的に捉えた上で、最も顧客の利益となるような財務コンサルティング及び資産コンサルティングを提供している。

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