財務トピックス(コンサルタントコラム)

経営者から二重保証、4割に 事業承継で銀行が解除せず

【経営者から二重保証、4割に 事業承継で銀行が解除せず】

 

最近では、事業承継に関するニーズが高まっており、銀行だけでなく地方自治体や民間企業など様々な専門家がスムーズな事業承継をサポートしております。私自身、お付き合い先の会社様でも世代交代が必要な時期に差し掛かり、後継者の育成や株式の承継など多くの課題を持っていることを実感しております。

 

そういった中で、先日、金融機関からの経営者保証が二重で取られているという報道がありましたので以下に記載させていただきます。

 

中小企業が事業を承継する際、銀行が融資のために旧経営者から取得していた個人保証を解除せず、新経営者からも二重に保証を取るケースが4割弱に上っていることが25日、金融庁の調査で分かった。

経営者の高齢化が進み、後継者不足に悩む中小企業は多い。銀行は融資先の倒産に備える慣行として個人保証を求めてきたが、負担が大きいことから承継ではなく廃業を選ぶ企業もある。

金融庁が大手銀行や地方銀行など全国548の金融機関を対象に実施した調査によると、2017年10月~18年3月に事業承継があった取引先2万5732件のうち、二重の保証取得は36・3%の9349件だった。

(出典:2018年9月4日中日新聞より)

 

 

現在、金融庁の方針では、経営者保証に関するガイドラインにも記載がある通り、

①法人と経営者との関係の明確な区分・分離

②財務基盤の強化

③適時適切な情報開示

以上3要件を満たせば、経営者保証を求めない可能性を検討することを定めております。

また日本政策金融公庫では融資件数に対する無保証割合や、融資実行額に対する無保証融資額が公表されており、無保証割合は増加傾向にあることを発表しております。

 

こういった中で、金融機関によっては事業承継後であっても経営者保証の二重保証を求める場合もあるようで、件数としては4割弱に上るようです。それでは、どのような場合に二重保証が求められるのでしょうか。

 

最も大きな理由は、社長退任後も経営の実権を握っている場合です。代表取締役退任後、会長職として残る場合、且つ実権が未だに後継者に引き継がれない場合は、名目上の代表取締役に加え会長に対しても経営者保証を求められるケースがあります。

 

金融機関が融資を行う際は、後継者が育成され、経営上、承継がなされても問題がないかどうかという定性的な判断を行っております。そしてこの如何によって保証条件を検討しています。従って、二重保証を金融機関から徴求されないようにするためには、まずは「次期経営者に会社を任せても安心だ」と言えるような組織体制にしていくことが効果的であり、今からできる“事業承継対策”に繋がると考えられますので、皆様の会社でも是非実践してみてください。

【この記事を書いたコンサルタント】
金川 祐士

帯広緑陽高等学校、中央大学法学部を卒業し、地方銀行に入行。
銀行では、法人融資を担当し、地場産業の成長途上の企業や業績が落ち込んでいる先など変革期を迎えている取引先を担当。安に依頼事項だけの相談に留まるのではなく、真に必要なことを考えるスタンスに定評がある。
「社長の想いを実現する」を信念に、企業に寄り添いコンサルティングを行っている。

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