財務トピックス(コンサルタントコラム)

決算対策について

  • 決算対策について

こんにちは。株式会社船井総合研究所の金川(かながわ)と申します。

前職では銀行員として法人融資を経験し、現在は金融財務支援部で活動をしております。よろしくお願いします。

今回は、3月決算の企業も多い中、5月末には自社に決算書が届けられ、6月には銀行に提出している企業も多いと存じますので、決算時点で気をつけるべきポイントについてコラムを書いていきたいと思います。

 

  • 財務面から見た決算対策について

いわゆる「決算対策」と聞いて思い浮かべるのは、“節税対策”ではないでしょうか。節税のためにできることとして償却資産の購入や保険料の支払いなどがあり、これはP/Lの利益を圧縮することで法人税等支払額を抑えています。一方、財務面から見た決算対策はあまり馴染みがないように思えますが、メリットとしては銀行目線の格付が良化するという点が上げられます。銀行から見たときの自社の格付が良くなれば、

・資金調達がしやすくなる

・金利削減、無担保無保証など借入条件が良くなる

・当座貸越の設定など融資審査のハードルが高い融資もしやすくなる

といった銀行取引を行う上でのメリットがあります。

従いまして、以下では、実際にあった事例をもとに財務をよくしていく上で気をつけるべき決算対策のポイントをお伝えします。

 

  • 実際の決算対策事例

【事例:役員借入金の計上を固定負債に変更したケース】

こちらは、もともと役員借入金が流動資産に計上されていた企業です。多くの場合、役員借入は実質自己資本として見られるため、銀行目線では自己資本比率が上昇するなどメリットがあります。ただし、金融機関によってはそのまま実質自己資本とは見られず、①返済すべき負債ではないこと、②役員自身が返済金額を充てにしなければ生活できないという状況にはないことなど条件がついてくる場合もあります。当社の取引行の中にも同様の金融機関がありました。

そこでこのための対策として、流動負債から固定負債に振り替えました。流動負債と固定負債の違いはワンイヤールールに則り、一年以内に返済しなければいけないかどうかですので、役員借入金が流動負債に計上されていた場合は今期全額返済するものだと認識されてしまうということになります。返済に猶予があると認識してもらうためにも固定負債に計上し、その旨を金融機関に説明することを推奨します。

 

【事例:小額償却資産を減価償却せず資産に計上させたケース】

こちらは30万円以下の一括償却対象資産を期中に一括償却するのではなく資産計上を行った事例です。銀行からの格付方法の一つに、(固定資産―純資産)÷CF<10年という指標があります。この指標の中で、資産を損益に計上するか資産に計上するかはとても重要です。資産計上できれば、その分「固定資産―純資産」の額が大きくなるだけとなりますが、仮に費用計上してしまいますと「当該資産価格×10年」、つまり10倍のレバレッジ分だけ格付良化の機会を失ってしまいます。

 

以上の通り、銀行からの格付を意識した決算対策は、弊社銀行出身のコンサルタントが前職の経験に基づき作成した、「気をつけるべき決算チェックポイント」としてまとめてある一部をご紹介いたしました。

財務面からアプローチする決算対策には、「決算前対策」と「決算後対策(=金融機関への説明)」があります。

これから決算書の提出につき金融機関へ説明する必要がある場合も含め、一度ご確認いただければと思います。

【この記事を書いたコンサルタント】
金川 祐士

帯広緑陽高等学校、中央大学法学部を卒業し、地方銀行に入行。
銀行では、法人融資を担当し、地場産業の成長途上の企業や業績が落ち込んでいる先など変革期を迎えている取引先を担当。安に依頼事項だけの相談に留まるのではなく、真に必要なことを考えるスタンスに定評がある。
「社長の想いを実現する」を信念に、企業に寄り添いコンサルティングを行っている。

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