財務トピックス(コンサルタントコラム)

民間金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績について

金融庁により、民間金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績について公表されました。

出典:金融庁ウェブサイトhttps://www.fsa.go.jp/news/30/ginkou/20180627-1/01.pdf

 

「経営者保証に関するガイドライン」とは、中小企業団体及び金融機関団体の関係者、学識経験者、専門家等の議論を踏まえ、中小企業の経営者の個人保証の取扱いに関して、中小企業・経営者・金融機関共通の自主的なルールとして作られたものです。

ガイドラインを活用することにより、現在では、経営者保証なしで新規融資を受けることができ、又は、経営者保証の解除ができる可能性が出てきております(詳しくは、https://www.fsa.go.jp/news/30/ginkou/20180627-1/01.pdfを参照)。

出典:金融庁ウェブサイト

 

上記民間金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績を見ると、「①新規に無保証で融資した件数(ABLを活用し、無保証で融資したものは除く)」、「②経営者保証の代替的な融資手法(停止条件付保証契約、解除条件付保証契約及びABL等)を活用した件数」「③保証契約を解除した件数」の合計件数は、平成28年度は、558,564件であったところ、平成29年度は、624,961件となっており、66,397件増大しております

また、保証金額を減額した件数は、平成28年度は、17,774件であったところ、平成29年度は、19,236件となっており、1,462件増大しております

さらに、新規融資に占める経営者保証に依存しない融資の割合は、平成28年度は、14.3%であったところ、平成29年度は、16.3%となっており、2.0%増大しております

 

上記公表結果から、民間金融機関が、経営者保証に依存しない融資体制にシフトしていっていることが伺えます。

また、経営者保証を全面的に解除することができない場合においても、停止条件付保証契約、解除条件付保証契約及びABL等の代替的な手段を活用し、また、保証金額を減額することによって、経営者保証そのものの負担が軽減しつつあります。

今後においても、民間金融機関が、各中小企業の事業性に基づいた評価が浸透することにより、経営者保証に依存しない融資は拡大していくのではないかと予測されます。

 

もっとも、民間金融機関が経営者保証に依存しない融資体制にシフトしている一方で、中小企業の経営者としても、経営者保証を解除するためには、法人と個人の資産の分離、財務基盤の強化、適時適切な情報開示に努める必要があります。

事業承継やM&Aを見据えている経営者の皆様は特に、経営者保証の解除に向けた事業計画を立ててみてはいかがでしょうか。

以上

【この記事を書いたコンサルタント】
鶴田雄大

早稲田大学大学院法務研究科修了。司法試験に合格後、船井総合研究所に新卒入社。その後、弁護士登録。
企業の事業承継や、承継後のオーナー経営者個人の資産承継までのライフプランを幅広くサポートする資産コンサルティングに従事している。

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