財務トピックス(コンサルタントコラム)

地方銀行の越境融資に関して

2018年6月14付の日本経済新聞の朝刊に掲載されていた、「地銀の越境融資 最高に」との見出しが目に留まりしました。

何かというと、各金融機関の本店所在地以外の他都道府県での融資シェアが過去最高となっており、2018年3月末時点で35%に達してる。結果として、限られた商圏・市場に多くのプレーヤー(金融機関)が参加することとなり、競争が激化し貸出金利の低下を招いているという内容でした。

金融機関の飽和が言われるようになって久しいですが、一向に金融機関の取組みに変化が見えないといった印象を抱かずにはいられませんでした。

ちなみに越境融資上位の都道府県としては1位に岐阜県、2位に富山県、3位に三重が続く結果となっていました。とりわけ1位(65%)、2位(61%)での越境融資比率は半数を超えており、地元マーケットの補完として「岐阜県」では愛知県、「富山県」では新潟県や石川県といった地方主要都市のマーケットに収益機会を求める構図が浮き彫りとなるデータが公表されています。

平成28年10月に金融庁は「平成28事務年度 金融行政方針」を公表しており、次のようなことを提言しています。

「金融機関が顧客本位の良質なサービスを提供すること」

=「企業の生産性向上や国民の資産形成に寄与する」

=「金融機関自身も安定した顧客基盤と収益の確保が可能となる」

といった好循環を意識して創り出すことを金融機関に求めるというものです。平たく言えば、それが地方銀行の生き残る方法であることを示唆しているわけですが、上記結果はまだその道のりが遠いことを示すことに繋がるのではないかと思います。今持っている既存のサービスを市場に売っていく(他県へ展開していく)「プロダクトアウト」ではなく、市場のニーズに合わせたサービスの展開(地元企業との対話による独自の商品・サービスの開発)、すなわち「マーケットイン」の発想を持つことが、求められる潮流にあります。金融機関には、自行の置かれている状況を認識し、しっかり地元と向き合っていくことを期待します。

【この記事を書いたコンサルタント】
小松 靖教

高知県出身。大学卒業後、地方銀行で約9間年勤務。
前職では累計100社超の中小企業を担当、豊富な営業・融資経験を強みとしている。また本部にて外国為替取引や海外取引・進出時の資金調達支援業務に従事した経験を持つなど幅広い金融知識で企業支援を行っている。
「実態を知り、最善策を立案する」をコンサルティングの信条とし、現場に出向き、経営者と密にコミュニケーションを取ることを重視する。常に誠実に、常に真剣に経営者と向き合うコンサルティングを実践している。

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