財務トピックス(コンサルタントコラム)

原油高による業績悪化時の救済制度

7月に入り、OPECやロシアの減産緩和観測から原油価格の上昇が一服したようです。

 

ただ、これまで続いた原料高は確実に重荷となり、現状でも大企業・中小企業の業績に大きな影響を及ぼしています。

 

実際、2日に発表された日銀の短観では、

大企業製造業の景況感は5年半ぶりに2四半期連続の悪化となりました。

 

足元ではアメリカによるイラン向けの経済制裁が再開されるなど、今後も原油相場の不透明な状況が続くことが懸念されていますが、そのリスク(原油価格の変動)を自社で防ぐことは難しく、中小企業では原油相場の変動を価格転嫁することもなかなか難しいのが現実…

 

その価格上昇分が自社の資金繰りを圧迫している、という法人様も多いのではないでしょうか?

 

 

そんな際に、上手く活用すべき信用保証協会の融資制度、

「セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種)」

をご存知でしょうか?

全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業を支援する制度として、各信用保証協会が取扱いをしているものです。適用条件は下記の通りです。

 

<制度適用条件>

下記いずれかに該当し、市区町村長の認定を受けた中小企業者

  • 指定業種に属する事業を行っており、

最近3ヵ月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者

  • 指定業種に属する事業を行っており、

製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が

20%以上上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者

 

本制度のポイントとしては、

①保証協会の通常融資限度額とは別枠で最大8千万円(無担保)までの借り入れが可能

②保証料は概ね1%

③3ヵ月毎に指定業種の見直しがされており、スピーディーに市況を反映する仕組みが

整備されている

(実際に平成30年7月1日以降に指定された業種は全193業種であり、

同年4月までの指定業種から14業種増加)

以上3点であり、原油相場の上昇によって悩まれている企業にとっては比較的使い勝手の良い制度設計がなされています。

 

今回原油上昇が一服したとはいえ、足元ではまだまだ上昇リスクは潜んでおり、

原油相場の影響を受け、資金繰りが悪化するリスクは視野に入れておく必要があります。

指定業種の確認が前提となりますが、その際の資金調達の手段として本制度をご検討されることも一案かと思われます。

 

出典:中所企業庁ホームページ

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2018/1803205gou.htm

【この記事を書いたコンサルタント】
田上 恵里加

大学卒業後、地銀において9年間勤務。前職では、個人営業にて、住宅ローンや生命保険等の提案を通じた個人資産運用業務に従事し、法人営業にて、事業再生や事業承継をきっかけとした法人融資業務に従事。「顧客の立場にとことん寄り添う」ということをモットーにしており、法人及び個人の両面を複合的に捉えた上で、最も顧客の利益となるような財務コンサルティング及び資産コンサルティングを提供している。

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